2022年02月15日

教えてくれないマセラティ

輸入車を触っているとたまにとても珍しいトラブルを目の当たりにすることがあります。
寄る遅くに運ばれたこのマセラティも同じで、1年半に1回、理由なくバッテリーが突然死するのです。
まー、理由がないわけではないとは思いますが...
今回も突然にいました。
1週間前まではフツーに動いていたのに

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結局バッテリーを載せ替えて
暗電流を見ますが全く問題ありません。
長くおけばスリープ状態になります。

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この恐ろしく重いバルタから

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やはり激重のACデルコへ

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新品ですが一応バッテリーをチェックしてみます

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ちぇっと低いですが

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バッテリーの容量を設定して

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ENを選んでCCAを830に設定

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十分すぎるくらいのCCAです

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システムチェックです

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エンジンをかけてOK

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続いてオルタネーターチェック

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13.75Vもあるのに電圧低いとは...?

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リップルも出ていますし

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ライトやエアコンなど電装機械を全開にして負荷をテストしても
実に問題ない


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一方、取り外したバルタ

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とりあえず充電しても

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電圧は上がりますが

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CCAが上がりません。

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これでは長く使えないでしょう。
しかし、なんでこんな事が定期的に起こるのでしょう
どこか知らないところで何かのデバイスが結構な電流量の消費をするのでしょう

さもなければ100Aの巨大なバッテリーを短い期間で、完全に空にすることはできないでしょう
posted by admin at 23:43| マセラティクアトロポルテ

2021年11月01日

さよならクアトロポルテ

先日360モデナを購入頂き下取りとなったマセラティクアトロポルテ

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乗るといいクルマですね。
5年間とそれほど長い期間ではありませんでしたが、すごくかわいがってもらったクルマです。

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ちょっと先輩の年式のクーペとパチリ

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エンジンはどちらも4200のモデナで作られたフェラーリのF136 すばらしいエキゾーストサウンド
それをフツーのオートマで乗れる面白さ!

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こちらはF1です。
でもF1はセミオートマの面白さがあります。診断機で調整して乗るとフツーのATでは味わえない強烈なドライビングフィールが味わえるのです

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どちらも同色なのは偶然

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PPGのビアンコエルドラド

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でもこれが見納めです。
業販に行ってしまいます。

かつてフェラーリのエンジンを載せたのはフィアットディーノ、ランチアテーマ8.32、そしてこの時代のマセラティクーペ
あとはアルファロメオ8Cをどう見るか?

もはや工芸品の域のフェラーリエンジン、本家のはとても手が出ないのですが、マセラティなら本家の半分の半分くらいで手に入りますぜ
ご検討中の方は是非、MPIまで
こんなガラスサンルーフ付きで

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ZFの6速ATは大変に運転しやすいですよ

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2021年01月06日

マセラティクアトロポルテのATF交換

年末も押し迫った昨年12月28日
クアトロポルテのオイル交換とATF交換を行いました

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今更ですが、M139と呼ばれるクアトロポルテは当初、セレスピードなどと同じクラッチを機械が動かす特殊なATでしたが
07年から普通のトルクコンバータータイプのATになりました。
このクルマはZF製の普通のATのついたモデルです

エンジンオイルパンとATのオイルパン、2か所同時にオイルを抜きます

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オイルの排出が終わったら、それぞれドレンをして

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ATのオイルパンを外します。トルクスのボルトが将棋の「歩」のようにたくさんあります

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オイルフィルターも外します。大変に外しにくい。スペースではなく硬いのです。
誰だ〜強く締めたの!? いやいや、パッキンが張り付いているんです

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オイルパンもはずれて

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フィルターもバルブボディも丸見え

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交換部品のみなさん。
すべて純正品。MJができてから部品が安くなりました

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キレイに拭ったら

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パッキンのあたり面をきれいに整えます

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オイルパンもピカピカにしました。

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新年を迎えるにあたってフィルターも新しくして....

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エンジンオイルはトップテック4100

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9.5L入ります。

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一方ATは6HP26 ZFの高出力FRに多く使われるATです。


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オーバーフロータイプなので、あふれるまで入れます

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ATチェンジャーは注入だけに使います

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大変にかしこいATフルードチェンジャー

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出てきました。そしたらエンジンをかけてATにフルードを吸わせて、さらにあふれるまで充填します

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ATFの温度をモニターしながらその時を待ちます

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45℃で締めました。出来上がりです。

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新年をフレッシュな状態で迎えられますね。
よいお年を〜、明けましておめでとうございまーす


続きを読む

2020年11月03日

Beat the malfunction

そして数日前、めでたく部品が運ばれてきました
ウインドウレギュレーターです

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へぇ、ポーランド製品なんだ

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なんかお菓子みたいな緩衝材

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その下にはレギュレーター。さっそく作業しましょう

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午前中に引き取って5時までに返さないといけないタイトなスケジュールです

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そして、まるで追いかけてくるかのように雨が落ちてきそうな雲行き。

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ドアトリムを外していきましょう

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どうやら過去に外されたことが無いようで、外すのはものすごく硬いです。

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バチバチ 力技で外します

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クリップ部分にフェルトを挟むのはギシギシ音の防止の為と思います。
これはずーっと昔から行われた有効な防音方法です

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比較的見破りやすいところにボルトが仕込んであります

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リフレクターですね

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ドアミラーカバーも外します

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ボルトはグリップの下だけじゃなくて、インサイドハンドルの下にもあります

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トリムを外しました。

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外したことが無いのにひん曲がっているトリムクリップ。イタリアンな感じが良いですよ〜

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アルファロメオでもおなじみウオータープルーフシールはカッターで丁寧に切ってはがします

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シールの下にシール。これもイタリア車あるあるですね。ちなみにフェラーリもガンディーニデザインのギブリやQPもこれでした

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もうこんなものが見えます。元凶はこれだったのです。

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モーターの線もなかなか太いです

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この狭いサービスホールから大きなレギュレーターを出し入れします。

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ワイヤーが切れた古いレギュレーター

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破れてしまったら強力ガムテープでパッチワーク

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糊付されていたところのちょっと下にブチルテープを貼って糊を補強します
ところで、なんでELDORADOとは、なんでそんな事を
ニックネームがエルドラド? エルドラドから来たのか、行ってほしいのか(笑)

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各種コネクターを繋いで、リンクロッドを繋いでトリムを嵌めます
各種ボルトを入れます。長いのや短いのがあるのでよく見て入れます。
尤も外した時に良く確認しておけば造作もない事ですが

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ウッドパネルなども嵌めたら
出来上がり

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8月から続いた修理と車検にようやっとピリオドが打てました

2020年11月02日

Invasion of malfunction

遡る事約1カ月前
ようやく車検にこぎつけたクアトロポルテ


しかし、ゾンビ映画のごとく、直ったと思ったら新たなトラブルが出て次々トラブルが現れます
これを僕らは 次々攻撃 と呼んでいます

今回の場合はコンビネーションな不調で、白内障を直す為にライトを外したら警告灯がつきっぱなしになったのですが
車検の予備検査では、苦労の甲斐もあって大変優秀な明るさを取り戻しました

もはや怖い物無しで挑む車検の入り口、灯火類検査の際にドアガラスにフィルムが貼られていないか、確認するためにドアガラスの開け閉めをした際に、なんとパワーウインドウレギュレーターが壊れて全く動かなくなってしまったのです

とりあえず検査にはパスしましたが、納車をどうするか...

インタースペアーズに発注すると、なんと! 国内在庫が無いと!!
早くて3週間との情報付き

うぅ、なんてことだ 窓を開けっぱなしで納車? ビニールを貼って納車?
いやどちらもあり得ない

ところがわずかに下がった状態で止まっていたので、ラッキーな事にガラスを上まで手で引き上げるてパワーウインドウを上まで上がるようおまじないをしたら そこでしっかり止まりました。
これでとりあえず納車ができました
すごいぞ、おまじない
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さて
部品の行方はと言いますと
インタースペアーズに聞くと、通常のバックオーダーかアージェントオーダーがあって
アージェントオーダーを選べば、洋上在庫の優先権を得ることが出来る代わりに、割引率が減る、もしくは無くなるというスタイル。通常であれば一定の割引率はもらえる代わりにいつ来るか分からないという仕組み

今回は多少の利益などは捨てて、時間を優先しました。

その後マセラティ杉並に電話しまして、輸入のスケジュールを聞いてもらったら、まだイタリアを出発すらしていないそうでした。

ちなみに似たようなことがジャガーでも起こりまして
JLR川越に相談したら、こちらは普通にエア便で送られるそうです。
しかも到着日のエスティメイトすらあって驚きです

さらに驚くのはアージェントの上があるようで、エマージェンシーとでも言うようなスケジュールの物流もあるそうです

まあ、こんな時代ですからUPSやフェデックスにカネさえ払えば、とんでもない速さで届く便があるのは経験済みです
木曜の夜に発注して月曜日に手元にあったアメリカから来た部品がありましたね。
木曜の夜は、アメリカでは木曜の始まりですから早い早い

早ーくこいこいレギュレーター♪

2020年06月23日

クアトロポルテのべとべとの場合。

マセラティクアトロポルテのベトベトを退治しました。

このベトベト、強アルカリの界面活性剤でキレイになる物と何に対しても耐性を持つものなど、意外に種類があります
たまたうまく行ったからと言う理由で、アセトンなど溶剤で拭いてしまったら、母材が溶解してどえらいことになった
なーんて事になった某所沢のMなる鈑金屋を僕は知っています(笑)

失敗は成功の元。全知全能の人はいません。失敗から学び工夫するのです。
前回土器のようになってしまった教訓を元に、今回はうまく立ち回ろうと

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ブログ読者の諸兄には記憶に新しいかもしれませんが、前回アセトンにドブ漬けしたら土器みたいになってしまったドアハンドルエスカッション。
今回はもう少しスマートにまいります。
ちょっと子細あって、ミラーコントロールスイッチが外せません

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今回は完全な剥離は行わず、ある程度のところでストップし、この後、2:1のサフェーサーで
下の軟弱な黒い塗装ごと、がっちり硬化させる作戦です。

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サフェーサーを塗ったら、通常なら水研ぎですが、スイッチがあるためにドライな空研ぎで整えて
つや消しのレディミックスの黒で塗装します。

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同じくベットベトのパワーウインドウスイッチベゼルも

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こちらは2:1のサフェーサーの上から、ウエットオンウエットで一気に黒まで塗りました。
どちらも縮れることなく上手くできました。とはいえ、軟弱な下地なので塗装膜の強度は多少心配です。
車内のものだから、このクルマが地上にあるくらいは平気かな

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艶の感じも良い具合です。

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スイッチ類はうまくベトベトが解決できました。

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しかしこのサンルーフスイッチとベゼルは完全に除去できず、多少のしっとり感が残りました。
手に色が戻ることはありませんが、決して気持ちいい物ではありません。
これを本気で直すなら塗装が必要です。

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このベトベト退治はなかなか奥が深いですね。

2020年05月14日

マセラティの窓オチ

修理中のMQP
今回はパワーウインドウの修理
このクアトロポルテはこの角度から見るのが好きかな
曲線の妙と言いますか

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どんな高級車だって、窓がオチる時はオチます。
まー、ワイアータイプの泣き所。

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じゃあ、さっそくドアの内張の分解から。どうやって外すのかわからないので誰かのをブログ参照にするんだな。

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ブ、ブログによると、ウ、ウ、ウッドパネルから外すんだな

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怒られちゃうのでやめます
美しい内装なので、慎重に作業します。

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ドアグリップカバーを外します。イタ車ってなぜかドアの前の方だけにしかグリップ作らないですよね〜
2ドアのクルマでもそうだから、ミトとかイプシロンとか困っちゃうんですよ〜

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こんなに長いボルトが平然と出てくるのはイタ車だけだなあ

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車内にはこんな本が!
イタ車の中にも日本の文化が息づいているのですね。まー、車種と似合わないこと

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ウオータープルーフシールドはカッターナイフで切り離していきます。
丁寧に、慎重にですよ〜

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シールドをめくるとまたさらに1枚付いているのでそれも取っちゃいます。

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モーターが出てきました。モーター事ごっそり取り外します。

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新しい部品。昔のマセラティからすればずいぶん安くなりました。コーンズイタリアからジャパンができてからです。

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典型的なXワイヤータイプのレギュレーター。部品名はウインドウライザーなんて言いますね

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こちら完全に役目を終えた部品。このクルマのガラスは手で動かしても結構重いですからね。負担の程は計り知れないです。
ギアで動かすタイプ以外は必ずこのように壊れます。古くても遅かれ早かれ壊れます。
ギアで動かすメルセデスのW126などは大根が切れるぐらい強力でした。166もフロントはギアタイプなのでなかなか壊れません

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ウインドウレギュレーターを組み込んで動きを見て問題なければ、ランチャンネルにはドライグリスを
スライダーには普通のグリスをしっかり入れてウオータープルーフシールドを元に戻します。
切っただけで時間が経ってなければ、再び接着できますので、なるべく元あった場所に貼り付けてやります。
また、剥がす時に敗れたり切れたりしたら強力ガムテープで繕ってあげましょう

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ちなみに僕はこういったドライグリスを使っています。

パッケージが違いますがアマゾンでも売っているようですね。これ結構便利ですよ



トリムを組んだら再度異音や当たっている場所はないか確認して問題が無ければ出来上がり。
窓の汚れを拭いて終了です

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ついでに取り付けが割れて浮き上がっていたスイッチボードを直しました。

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ドア側から2本とハンドルコラム側から1本ビスが入っています。

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2020年01月12日

マセラティの水漏れ修理 その5

消防署が火事になり、警察署に泥棒が入り、銀行がビンボーになるとき、はしゅしゅしょは舌を噛むのでしょうか?と歌ったのはあのねのねですが
プジョー106が車検に合格し、マセラティの組付けが完成し、オイル交換も終わった時、納車は完了するのでしょうか?
それは僕の見通しで、気持ちはふわふわ。

しかし、ヤツらは再び来たのです。
飯能でオイル交換をして工場に戻った後、いよいよ全てが終わるのでエンジンカバーを付けようボンネットを開けたら
サブタンクを飯能を出る前に満タンなのを確認しているにも関わらず、LOWレベルまで水位が下がっています。

エアが抜けて水位が下がることはあるので、一概に心配はしなくても大丈夫な場合もありますが
明らかに甘い匂いがしています。

もう27日の午後7時は過ぎています。
顔色が悪くなるのを自分で感じながら急いで点検します。

LLCが漏れたというよりピューっと細く噴射したのでしょう、右バンクのインジェクション周りがLLCが飛んで汚れているの解ります。

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落ち着いてよく見て、水が多く出ている場所を特定します。特に作業したインマニの間に水が溜まっていたら大変です。
先のブログでもあった通り、重要な場所は通常のバンドで締めていますので問題はないかと思っていました。

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すると、どうもホースのかしめた所に滲みがあることが判明しました。
試乗と言うのは大事なものですね。

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組んだ時にがっちりかしめた純正のホースバンド。出来た安堵のあまり油断しました。
僕は常日頃から息子や娘に、「掃除は掃除をすることが目的なのではなく、キレイにすることが目的だ。」と言ってきました。
何も考えずに用事をすれば、背景を無視することになり失敗に繋がるヒューマンエラーの元になる事をたしなめる目的で言います。
おっと今回は自分が嵌ってしまいました。
ホースの加工をすることに重きを置いて、水が漏れないようにすることを忘れています。
純正部品を使う事に気分を満足させて 最も重要な事をないがしろにしてしまいました。

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殆ど分解することなく普通のバンドに交換できたのは幸いでした。

OTKと呼ばれるメーカー?のホースバンド。
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下はVISAのEというタイプのホースバンド。今回部品の取り寄せるとどちらも入ってきました。
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しかし専用の機械でかしめるようになっているのです。
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先に言っておきますが、こんなの持っていたとしても、今回の作業ではほとんどこの道具は入らないような環境にあります。
持っていても現実的でないのです。

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27日の午後10時、作業の際につなぎ服で付けた擦り傷をコンパウンドをかけて磨き
全ての作業を終わらせて工場の電気を消しました

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12月28日、お客さんに乗って帰って頂きました。

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昨年の年末はバタバタでしたねえ。でもこうしてMPIに来ていただけることは本当にありがたいことです。
今年は果たしてどんな1年になることやら? 

2020年01月10日

マセラティの水漏れ修理 その4

ついに出来上がった12月25日のお昼。ガソリンタンクの蓋もして、バッテリーのマイナス端子も差し込んでエンジンを掛けます。

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エンジンをかけると、元気よくセルが回りガソリンが来るのをまって素晴らしいエキゾーストサウンドを奏でます。
と、警告音と共にメーターのインフォメーションディスプレーに
OIL PRESSURE SENDER FAILURE
という恐ろしい文字が踊ります。

あまりの恐ろしさにカメラで撮影するのも忘れています

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うーんと唸ってしまいました。
せっかくここまで組み上げたのに再びマニホールド外しです。

しかしなんで?

これは最初に外した時の写真ですが、真ん中に垂直に突き刺さっているのがオイルプレッシャーセンサーです。
特にコネクターも外す必要もなく、まして分解する前には何の故障もなかったのにいきなりセンサーが壊れることは考えにくいです。
この時、午後1時。緊張が走ります

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とにかく外して見てみないと原因はわかりませんので、再びものすごい勢いでばらし始めます。

すると原因はこれでした
コネクターが割れていたのです。

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おそらくは工具がぶつかったか、分解している最中に何か他の部品がぶつかったり、ハーネスが引っかかったりしたのでしょう
AMPの1極のコネクターはアルファロメオのブレーキパッドセンサーの車体側に使われているので、166のを切り離してきて取り付けました。フュエルラインを切り離しているので、はんだごてや熱収縮チューブは使えないのでギボシ端子でまとめました

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再び大急ぎで組んで、2度目ともなれば早いものです。
そして、クルマは何事もなかったかのように甲高いアイドリング音だけを奏でるのでした。
もう残り時間は少ないです

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シムと言う名のかいものをワイパーリンクに沢山仕込みます。
フェラーリやマセラティの必殺技です

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そしてこれまたよく見るバカ穴。もうデカいワッシャーが突き抜けちゃいそうです

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ワイパーやカウルを組んでいきます。

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全て組んだら試乗して絶好調です。あとはEくんの待つ飯能でオイル交換していよいよ納車に臨みます。
翌26日は午前中にワイパー周りの組付けや試乗、時間を見て川越のジャガーランドローバーにアルファロメオを見に行くなど予定満載。26日にはプジョー106の車検もあります。

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しかし安堵の表情も、この後さらに恐怖映画さながらまだ続きがあるのです。それはその5トラブル帝国の逆襲に続きます。
イタリア車やさしくねえなあ

2020年01月08日

マセラティの水漏れ修理 その3

M139マセラティQP水漏れ修理の続き。

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世の中ではクリスマスで浮かれている12月24日、午前の終わり。
ついに部品がやってきました。
ホースや大量のホースバンドです。

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ATFクーラーから来るホース。すごい形になっています。もうすぐ爆発しそうですね

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シリンダヘッドをつなぐVバンクチューブの短いホース。これも長年のホースバンドの荷重でかなりカタチが変わっています

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今回、の主原因の破れたホース。

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まー、なるべくしてなった感が強い状態ですね。僕も動脈硬化だけど、クルマは古くなるとみんなこうです

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イヤー(耳)タイプホースバンドなんて言いますが、カシメるだけで適正トルクで締められるバンドです。
これを使われると切るのが大変でありまして....
専用のプライヤを使ってかしめるのですが、これがまたなかなか難しいのです

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さて端から元に戻していきます。食事もそこそこに日没までに作業を終えないといけないので実質3時間強の作業時間しかありません。集中して作業にかかります。他のことなど一切できません。
また、こういった重要な作業中は、電話や来客などで持ち場を離れると、ボルトの締め忘れや組付けミスなどの元になりますので、基本的にこの作業以外の対応は、マセラティ以外の作業も含めてぞんざいに扱います

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でかいバンジョーボルトの24mmのアタマが見えますね。ここは二人で作業しないとできないところです
この辺りは一度、各部品を元に戻してしまうとそう簡単には再作業できませんから、ウルトのホースバンドでしっかり締めます。やはり圧倒的な信頼性ですから。

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集中するが故、写真も撮らずに作業に没頭し、可能な限り進めます。
陽の傾きとの競争です

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日没までに多くを組み上げ、残すところ、エアマスセンサー周りを組んで、LLCを入れるだけです。
翌25日にエンジンをかけて 一気に組み上げまでコマを進めたいです。

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手はボロボロになります。見えない場所の部品はバリも多く、手が傷みます。

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もはや、何か部品が必要になることがあったりすると何もかもアウトになります。
一方この時 裏ではプジョー106も作業中でしたし、年内に代車のエッセも車検に行かなければならず、スケジュールの変更そのものができないような綱渡り状態です。
この時期特有のスタッドレスタイヤの履き替え作業は全て28日まで待たせて、全てを作業中のクルマに集中します。

気分は
「地球のみんな!たのむ!たのむから元気をわけてくれ!」

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というくらいな気持だったわけですよ

2020年01月06日

マセラティの水漏れ修理 その2

正月気分も終わってしまって通常の営業です。
年賀状を送って頂いた皆様、ありがとうございました。
この場からお礼とは失礼千万ですがお許しください。
誠に勝手ではございますが、本年より新年の賀状でのご挨拶は控えさせていただきました。

さて、かねてよりネタ満載のマセラティの続きです。

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さらに分解を続けて行きます。関係する部品をどんどん外して、奥のホースを外せるように自由度を上げていきます
この前に既に必要な部品は発注済み。今回の作業で交換できるラバーホース全部交換を目指します。

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ATFのチューブやコネクターのボルトを外します。

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ハーネスを止めているボルトも外します。
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ヘッド裏のハーネスのボルトはこんな工具でないと外れません

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さらにATFクーラーの22mmのバンジョーボルトを外してパイプの自由度を確保します
これがまた恐ろしいまでの硬さで締まっていまして、1/2のラチェットを出動させます

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これでほぼ完全に場所を確保できました。

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まー、ここで来るのに時間と手間のかかること。
ここから本丸に手をかけます。

Vバンクをつなぐパイプの24mmのバンジョーボルトを緩めます。
ところがこれがとんでもない硬さで締まってます

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位置はこのボルト。このボルトを抜いてしまえばホースはいかなる状態になっても良いのでどうにかできるという作戦

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ちなみにこのヒーターホースも交換します。交換するホースの反対側についていてヒーターバルブに行くホースです。
本当はヒーターコアに行っている上り下りのホースも交換したかったのですが、国内では手に入らず
見送りになりました。でもその2本はインマニを外さなくても交換できるので、見送って宿題にしてもしょうがないかと諦めました。

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ついに見えてきました。これが諸悪の根源です。うまくホースバンドを切り落として、いろいろな工具を使って引き抜きます

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ここには見えませんが、既にLLCが滴った跡がありました。
なんと恐ろしい造りなのでしょう?

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この後ついにホースが抜けて作業の折り返し地点となりました。
これじゃあ、水もじゃじゃ漏れになっちゃうわけじゃーん

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なんかよく見りゃひびだらけだし。
あとは部品の到着を待ちます。翌日午前の到着予定です

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この時点で12月23日。年内の最終日まであと5日。

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果たして間に合うのか?
いや、こんなに時間無いから。



2020年01月03日

マセラティの水漏れ修理 その1

去年の末に仕事したマセラティの顛末を連載でまいります
意外に大変だったカウル周りは既に記事にしていますので、その続きです。

基本的に今、シリンダヘッドの上にあるもの片っ端から外していきます。
外さなくていい物外さないといけない物、わかりにくいので基本的にはぜんぶ外し。

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エアフロー周り、ブローバイ周り、フューエルデリバリー周りなどを外して行きます

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マニホールドを跨ぐようにブローバイチューブとフュエルラインがあります。

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左側にはバキュームラインがあります。

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ハーネス類を外してフューエルデリバリパイプを外していきます。かなりプラスチック類が風邪をひいていますので、割らないように注意します。
当然ですが、バッテリーからマイナス端子外してからの作業です。

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インジェクターのコネクターを外して行きます。

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インジェクターが外れました。連になっているので作業性は良いです。
がっちりくっついていますが、根性で車体から引きはがします。

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反対側も同じく外します。

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どんどん分解を進めます。

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EGRのホースなどを外します。いちいちこのカシメのホースバンドが作業の行く手を阻みます。
しかもこのカシメのバンドに後に苦しめられるのです。それは後述

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マニホールドのボルトを緩めにかかります。

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5mmのヘックスで16本+2本で止まっています。しかも手の入りにくい場所が殆どなので、磁石と一緒に作業する感じです。

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最後にブローバイガスのオイルセパレーターを外していよいよフェラーリエンジンのアイコンでもあるマニホールドが外れます

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ぱーっくり。フェラーリ製F136エンジンが見えてきました。
真ん中にあるのはATフルードクーラー

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しかし嫌なところにオルタネーターがありますねえ。可能ならこれもリビルド品か何かに交換したいですが、予算が青空天井になってしまうので、これは見送り。ちなみにDENSO製でした

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ここにもラバーホースの短いのがありますね。今回の主原因はこのホースから冷却水漏れでした。オイル系統はバンジョーボルトなのですがなーんでここだけラバーホースを使うのでしょうか? 国産車やドイツ車では考えられない構造です

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ちなみに画像左端の複数のコネクターの中に真ん中に向きの違うコネクターがあるのに注目してください
これはオイルプレッシャースイッチです。のちに出てきます

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さらに奥のホースを交換するために分解を進めます。
例のVバンク同士を繋げるホースをフリーにするには周りの部品をはずしてスペースを作らねばなりません

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外したコネクターを間違えないようにテープで番号を振って引き抜いていきます
続きは次回に。

2019年12月09日

マセラティクアトロポルテの水漏れ

先週の日曜日、オーバーヒートを伝える電話がありました。

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月曜日にレッカー車が運んできます。痛々しいお姿です。

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それからあっという間に1週間。手も付かないわけにはいかないので、日曜返上で作業です。
他にも作業があって、午後からの作業。ホントは谷保天満宮で旧車のイベントがあって、blessの加藤社長にもせっかくオファー頂いていたのですが、残念ながら現場を優先します。
当初、水を入れると7L入れても未だ入りそうな勢いだったので、ラジエターホースとかだと思っていたのですが、ウオーターポンプやラジエター、ホースなど見えるところには特に問題なく、なんか車両中央付近での水の出るのが見えて
ヒーターホースがはじけたと思っていました。
なーんにも見えないので、見晴らしよくするためにカウルトップグリルを外すことにしました。

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ところが、超高級車の部類は簡単に脱着などさせてくれず、最初から苦労のにおいがします。

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ま、ワイパーアームから外していこうぜって感じです。なんだかワイパーアーム一つとってもデザインされてる感じ

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でグリルベンチレーターのビスですがトルクス

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ポジドライブ

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普通のプラスと3種類

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当然工具もトルクスビット

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プラスビット

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ポジドライブドライバーと。もちろん、それぞれかかるトルクなどによって管理されているのでしょうが工業規格がしっかりしてないのでしょうか?でも簡単にカウルトップは外れます。

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そして早くもイタリア車らしさ全開なのがワイパーリンクです。
カウル下側のカバーを外すにはワイパーリンクを外さないと取れません

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しかしそのカバーを外すためにリンクを外すのに、カバーを上げ下げしないとワイパーモーターのコネクターがブレーキマスターバッグの間を通りません(笑) 仕方なくワイパーリンクのボルトを外して、カウルカバーもボルトを全部抜いて、パカパカになったところでコネクターを通してリンクを車体から引き離します。

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それだけでなくあっちこち外したりで、なかなか大変。

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カウル関係が無くなってエンジンむき出し

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エンジンむき出しは結構ですが、肝心なところは見えない。
しかも画像手前の車内のヒーターコアに行っているヒーターホースに異常は見られません。

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インテークマニホールドと言うかサージタンクがバルクヘッドに近すぎて全く奥が見えません

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なんとまあ・・・ この先を見たいならマニホールド外しみたいですね。でないと全く見えません。
でもインジェクターから何から道はめちゃくちゃ通そう

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気が付くと辺りは真っ暗。日が暮れるのが早いですね。

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では再度ここで水を入れてエンジンをかけてみましょう。

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判りにくいですが、オイルパンの後ろ側からだばだば水が出てきます

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この上に何があるの??

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マセラティのフォーラムで、同じような内容のスレッドスターターを見つけました。
こんなところにラバーホースを使っているみたいです。
他にもこのあたりのホース3-4本あるみたいですが、06-09年くらいまでのクルマによく見られるようです。

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部品は安いが工賃はかなり高いと書いてあります
軽く考えていましたが大事になりそうです。

それではマジでキレそう5秒前をお聞きください


なんと恐ろしいクルマだ。

2019年11月30日

新・マセラティクアトロポルテの整備

昨日、塗装を剥離して出土した土器のようにかんぴんたんになってしまったQPのドアハンドルベゼル

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このアクシデントのおかげで納車が1日ずれてしまいました。
次回から剥離の方法を考えなければいけませんなあ。
でもほかの薬剤では剥離できなかったのに、芳香族には強い反応を持つということは分かったので、面倒でもこの方法がいいのかなあ?

このひびだらけの状態の対処には、ポリエステルスプレーフィラーがベストです。

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簡単に言えばポリパテをスプレーガンで吹き付けるのです。
パテですからハードナーも5%

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塗布には2.5mmの口径のKLCPを使います。

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頑張って塗り重ねてヒビを隠します。

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塗りたくって下地に均等に膜厚を付けます。

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50度くらいの熱で乾燥させて
乾いたら♯120、180、240を使い分けてサンディングしてヒビを均します

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研ぎ終わったら1/4のハイビルドサフェーサー、VOCシステムフィラーを塗装して下地を整えます。
ここからは他のパーツも同じ工程になります。

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研ぎ終わったら3部艶の黒を吹いて出来上がり

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同じく、ドアハンドルベゼル。土偶からここまで数時間です。とにかく駆け足。
そして夜更かしの作業が続きます。

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すいません、予定の関係で見える部分以外は仕上げていません。

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そして裏側は・・・ ジャミラのままです。
自分だけこのままになってしまったので、恨んでいるはずです。
そして宇宙船に乗って地球にやってきて....

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分解した小部品や新調したミラースイッチを組み立てていきます。
イタリア車の良い所は殆どのものがビスやボルトで止まっていて分解できるところです。カシメや接着があまり出てこず作業がしやすいのは素晴らしいことです。

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出来上がりました。トリム類も多少クリーニングして

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納車に向かいます。あー予定通り進んでよかった〜

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何かとベトベトが多いイタリア車ですが、素材によってか塗料によってか通常のセオリーで落とせないものが結構な確率で出てきます。
166のライトスイッチなんかそうです。塗料は溶剤に溶ける下地の上に塗装はできませんので、極端にシール性が強いものを剥離した旧塗装膜の上に塗布してからトップコートになります。
塗料も適材適所にうまく使わないと失敗が失敗を呼びますので注意が必要です。

まして、自分では塗装作業を行わない人間が「そんな作業簡単です〜」なんて安請け合いするのを聞くのは、本当に腹立たしいですね。

2019年11月29日

続・マセラティクアトロポルテの修理

先日より集中審議中のクアトロポルテ

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ドアミラースイッチがモゲてしまったので直してほしいとのことで
さっそくドアを分解します。

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このクルマはイタ車にしては巧妙にボルトを隠しておりまして、まずはウッドパネルから外していきます。
この手の化粧板は簡単にひびや欠けが発生するので新調に作業をしてください。

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この次にインサイドハンドル前のドアグリップを外します。

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もうベトベトの度が過ぎて何か液体のようなテカリが見えますね。恐ろしいことです。
今回このまま捨て置けないので、ベトベトの除去も一緒に行います。
なぜイタリア車はこうなることが判っていたであろう後もこの製品を使い続けるのか甚だ疑問です。
このグリップカバーの下に2本ボルトがあります。

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続いてドアリフレクター

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すぽんと取れたところに1本。

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先のウッドパネルの下に1本。

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ねちょねちょの下に1本。

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都合5本でドアトリムが外れます。

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ドアオープナーロッドとコネクター3本を外します。

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ポルシェ964のバンパーの下側のカバーのごとくたくさんのボルトで内装部品が止まっています。
世界的に鉄のボルトを減らして燃費をよくする工夫をしているのに、そんなのお構いなしなのが伊太利亜らしい。

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まず、アームレスト、その次に真ん中のトリムと外して行き

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続いてパワーウインドウスイッチ、ドアインサイドハンドルベゼルと外して行きます。

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どーですか?このねちょねちょ具合、ハンドルの下なんかねちょねちょがパンに塗ったくったジャムのようです

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スイッチもこのようになかなかベトベト具合です。まだ手に黒いコールタール状のものが付かないので、マシな方かもしれません

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除去のため、さらに分解します。

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エンジンを止めたときに暗闇でもわかるようにカーテシランプがエスカッションにも付いています。それを外して

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ドアインサイドハンドルのスプリングは1本のピンで突き抜けて下はEリングで止まっています。

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ピンもベトベトに侵食されて抜けづらいので根性が必要です。ベトベト地獄は根性無くして掃除できません。

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塗装屋が途中までベトベトをたくさんのウエスでシンナーを付けながら拭いていますが、びーびー泣きが入っています。
このべとべとは
界面活性剤及びアルカリ洗剤では溶けず
ラッカーシンナーや塗装用シンナーではある程度溶けるもののいまいち、キモチよくは取れません。

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見かねて僕が、
そんなチマチマやっていたら再来年になっちまう
MPIはそんなケチなマネはしねえ、ドブ漬けだ!

大量のアセトンのオフロに叩き込み行水させました。

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するとどうでしょう。


なんと出土した土偶みたくなってしまいました....

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ああ、これはしたり。ジャミラか水を抜いた後の田んぼのようだ。
きっとアセトンのオフロに置き去りにしたことを恨んでいるに違いない。

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後編に続く。

2019年11月27日

マセラティクアトロポルテの整備

最近、請求書や見積りを作るソフトが突然調子悪くなることがありました。
ソフトのヘルプデスクに電話して聞いてみると、去る11月11日のwindowsのアップデートに不具合があることが判明して、日本中、いや世界中で困ったことになっているらしいです。
対処方法は、そのアップデートされた問題の部分を消去するか、12月のなにがしにアップデートされる修正プログラム?バッチ?をインストールことで、回復するのですが、いずれにしても困ったものです。

その間違った情報で困ってしまうのも自動車も同じです。
マセラティの高級車とてそれは同じ。今回はO2センサーの交換です。

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マセラティも大変に素晴らしいエンジンですが、ち密に計算された燃料噴射システムがあってこそのものです。
O2センサーは多少悪くても走行できなくなるわけでもなく、見過ごされがちですが、その交換の効果たるや絶大で、実に結果が良いのです。

O2センサーは排気ガスに含まれる燃え残りのガスを見ているセンサーで、さらに排気温度も見ています。
吸気はエアフロメーターで空気量を測り、クランク角センサーで、フライホイールについたギアで点火時期を決めてシリンダー内のガソリンにプラグが点火する。次の工程で爆発後のガスがシリンダーから放出されるのですが、そこにどれほどの燃え残りが発生しているかを触媒の前と後で見ているのです。

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ひと昔まえより値段がかなり抑えられて比較的現実的な値段になったマセラティの部品
それでもキャタライザーの前後ろ4つ使っていますので、すべて交換するので、それなりの金額になってしまいますが

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比較的アクセスの良い場所についていますが、熱がかかり外気に触れていてかなり硬く締まっています。

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北の方だとさらに錆が付いたりでさらに大変だと思います。

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それにしてもあちこち経由してたくさんのボルトで付くという大時代的な代物ですね

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ひとつひとつガッチリ締まったセンサーを外していきます。

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苦労の末に外したO2センサー4つ

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長く使ったO2センサーさようなら

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愛知県よりきました新しいO2センサーこんにちは
これからはこのO2センサーが仕事をします。ヒーターも新しくなるので、よりセンシティブに燃え残りを見てくれるでしょう

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なんだか取って付けたようなO2センサーの取り付け部分

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近いうちに書きますがこのキャタライザーのおかげで大苦労するクルマもあるのです。

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コネクターもしっかりつないで出来上がり。

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素晴らしい結果に大満足です。僕が満足してはいけないのですが、きっとオーナーにも喜んでもらえるでしょう
オイル交換もしまして、次のステップに進みます。

2019年10月31日

マセラティクアトロポルテGTSのATF交換

さて、マセラティのATF交換。

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しかし、下回りがキレイ

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そしてホイールもデカイしキャリパーもデカイ

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ビルシュタインとおぼしきショックアブソーバー。よく見る黒いやつとは違うのねきれいなAアームは昔のF1みたいでかっこいい。

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型は違えど普通のATになってからはZF6HP。

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そしておなじみドレンブラザース。チビで抜いてデカで入れる

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なんだかスタイナーブラザースみたい。
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フランケンシュタイナーがねぇ.... いやこれじゃなくて

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みんな硬く締まっていますので、車上のうちに緩めておきます

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マセラティジャパンになって、極端に安くなった純正部品。
逆に社外が駆逐されてしまった?

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抜きまーす。ぼちぼち黒いですねえ。良い頃換え頃

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こんなにボルトを入れなくても... 外す方も手のひらが凝ります。

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はーい、いつもの基板が見えてきまーす

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これがソレノイドですねえ。変速不良や大きなショックはこれが悪いと思ってください。
昔は結構ATの不良はありましたが、最近はAT本体がダメになるケースは稀で、ほとんどこの電気部品に問題が発生します。

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フィルター新品

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フィルター旧品。あれ?パッキンが無い

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これが付いていないといけないのに、ATの中に置き忘れてしまったようです。

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取れました。カッチカチです。おそらくATが組まれてから無交換だったのでしょうね。

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オイルパンをきれいに拭きます。

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フィルターはなんかガバガバしていて今にも落ちそうですが、このちりとりみたいな先にフィルターの吸い込み口が見えますね。
ここから吸うので、フィルターの片方が下がっている方が都合が良いのです。

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デカドレン。パッキンを変えてやるのが良いですが、これは弾力もしっかりしているので、今回は交換しません。

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キレイになったオイルパン。上の二つの丸いのは強力な磁石です。

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たくさんのボルトたち

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フィルターを入れてチューブを仕込んで

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取り付けます。ぺらっぺらのガスケットですから折ったり曲げたりしないよう注意を払って取り付けます

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基本的に抜けた量ですが、いきなり全部入れるとがばーっと吐き戻しますからある程度入れて、エンジンをかけてフルードを吸わせます。

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4Lが抜けましたので少しづつ入れていきます

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中身はリキモリのトップテックATF1800。比較的ポピュラーなZFの6速ATですから、ワコーズATFのハイパーSものでも対応は可能なようです。ただ、メーカーの裏付けが取れていないのか、ワコーズの適合表には載っていないようですね。

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ATFの温度を確認しながらドレンを閉めて出来上がりです。

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ちなみにこのクルマもO2センサーの問題を抱え始めているようですね。

 

走りは実に素晴らしいです。こればかりは文字では表せませんが、交換した人だけが味わうモーレルな滑らかさですね。   

ご利用いただきありがとうございました。

2019年08月28日

マセラティクアトロポルテ O2センサーの交換

さて修理したマセラティのお話。

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先日入庫した際のエラーコードの原因を叩きます

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フォルトコードはキャタライザーの性能が左右とも極端に低下している内容を表していますが、あくまで個人の感想です、どのようにとらえるかは人それぞれかと思います。あくまで僕の主観だと思ってください。
客観的に考えてキャタライザーの機能が低下する、しかも左右とも。そんなシチュエーションは稀だと思います。
最近のは知りませんが、触媒の中身はかなり原始的で、大雑把に言えば、排気ガス中の燃え残りのガスを白金のついたウールの中や練炭のような不思議な形の物の中を通過させることにより、無毒化して大気開放する仕組みです。当然、長期間使ったりすれば過酷な状況にさらされてダメにはなります。
でも、08年くらいのクルマであればなかなかそのようなことにはならないと思います。
ABA-から始まるもしくはその型式に近い年式のクルマは、エンジンが温間になれば燃え残りのガスはほとんどなくなり、こんなエラーコードを出すとは考えにくいのであります。
ではなぜこういったP0420とかP0430といったコードを出すのか?ということになります。

触媒の性能が悪いと言っている背景を考えます。それはキャタライザーの働きが悪いという情報そのものが間違っていると、僕は考えました。
それはズバリ、O2センサーということになります。O2センサーの情報がよくないのでエンジンECUがこの信号を出すのではないかと

いや、もちろん、キャタライザーが悪いということも捨てきれませんが、可能性から考えています。そう考えた方が合点がいくのです。残念ながらデータが無いので、診断機のデータストリームだけでは図り知れませんけど。

と、言うことで取り寄せましたるO2センサー。MJに全部の在庫はなく、T-westさんちに在庫があるとのことで急遽取り寄せました。
しかし、MJになってから安くなったなあ純正品。ほとんど国産乗用車と変わりません。これじゃあ並行輸入しても合わないわけだ・・・

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今やアジア産の無名工具で、激安で出回っているO2センサーソケット。
これだけはちゃんとしたプロユースの物をお勧めします。理由は後で。

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そのままでは入りませんで、ハーネスを外します。いーっぱいボルトで止まっています。いかにもイタ車。

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ハーネスが逃がせるのがO2センサーソケットの特徴で、配線が付いたまま回せます。

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武器です。勝利の鋼鉄です。トライアンフ オブ スティールです。

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まず1/2のスピンナーハンドルをしっかり固定したら

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良い子はマネしちゃダメよ。全身全霊の力を込めて回します。

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ものすごいパワーがかかり、大きな音と共に緩みます。これを4か所行います。

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巷で安く売られているものは、対外このストレスに耐え切れず、ソケットのスリットが開いてしまい、全く回せないか、回せても一つが限界だったりします。しかし、名の知れたメーカーのものの多くは素晴らしい耐久性を見せてくれます。

上流と下流のセンサーは値段もソケットも違います。

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長ーいハーネスが止まっています。

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10年間お疲れ様でした。

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外れた感じ。

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実に初々しいセンサーが付きました。

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これで、作業は終了です。

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20kmほど試運転しましたが、実に乗りやすくなりました。このクルマにある、車両の出だしの神経質なアクセルワークがかなり緩和されます。実に変速がスムーズになりました。かなり変わったことが体感できます。
あとはフュエルトリムが時間と共に完成してからがどうかと?思います。
時期的には、次は入り口、つまりMAFセンサーのホットワイアーのレスポンスが問われる問われることになるでしょう。

いや、このO2センサーの交換。これは費用対効果が大きいと思います。ITOさん、お勧めですよ〜

 

2019年06月26日

マセラティMQPのオイル交換

先日オイル交換と簡単な点検でお預かりのQP
大事にされている箱入りQP

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エンジンオイルを抜きながら各部を見てまいります

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約10Lのエンジンオイルが抜けます。

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右のフロントアップライト。状態に問題はありません

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スタビリンクもかわいい左フロントアップライト

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19年以降のZFのAT車にはかなり普通のオイルパンが存在します。前期おはドライサンプなので、オイルパンらしいオイルパンではない代わりに、例の壺が存在します。

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 多少のサビはありますが、おおむね良好

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リアのサスペンションが丸見えですね

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ブレーキ残量や各所の異常を探します

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おなじみビルシュタインのサスペンション。456とよく似ています。
そういえば、456GT、今日、保険の契約を更新させていただきましたが、更新するたびに車両保険の引き受け金額が年々上がっていきます。
ふつうは毎年下がっていくものなんですけどね。
昨今の国際的なフェラーリ人気をにらんでとは思いますが、中古車情報関連が結構な金額を並べています

どこにも問題ありません。

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ATのオイルパン。ATはなんとか近いうちにアクションが必要か

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素晴らしいエキゾーストサウンドの要、フェラーリ

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毎度おなじみロングドライブハイテック5W-40

高性能な新しめのエンジンに使っております。

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このクルマ、こんなにきれいですが、実は10万キロオーバーだったりするんですよ

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晴れて納車となりました

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このデザインの特徴は、実車を見た人しかわからない魅力です。
巨大な車体にフェラーリのエンジン付きです。ああ強烈

 

2019年05月15日

クアトロきんにくん

本日はタイヤ交換のためにタイヤ館かわごえにやってきました〜

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タイヤの交換はこのクルマでぇ〜す。

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車体もデカけりゃ足回りもトラックのようにデカい〜

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リアサスはフェラーリっぽいボディの切り欠き具合ですね〜
似たようなところで作ってますもんね〜

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ホイールもデカイのだ〜

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タイヤはポテンザS007A。超高性能タイヤなのだ〜
詳しくは ↓ なのだ〜

https://tire.bridgestone.co.jp/potenza/s007a/index.html  

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空気だってチッソガスいれちゃうのだ〜

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どうよこの佇まい おっと 俺の後ろに立つな!

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走るとスゴイんだから〜 でもお値段もごいす〜!
静かになったらホイールベアリングの音に気が付いてしまったのだ〜

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帰りに見たお店の屋号が気になるのだ〜

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や〜っ!

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おやすみなさ〜い