2021年07月19日

アルファロメオ159の修理 テールランプ編

先日セレの修理を記事にした159、その他の訴えを審議

時々玉切れの警告が出るとのこと。ランプ一つ一つを点検します。
すると、右のテールランプがうっすら、ぼんやりにしか点灯しないではあーりませんか。
あ、チャーリーさん、亡くなったんだよなあ

RIMG8867.JPG

早速ライトバルブを見てみるとそれほどで傷んでいる印象ではなく、一応交換してみるも改善しません。

RIMG8868.JPG

しかし裏面を見ると一部変色がありました。コネクターを見ると
やはり焼けてました。これはコネクターの電極同士がつながるところに何かしらの抵抗物質が発生して、接点が少なくなり、そこに一定量の電流が流れようとするも、流れる接点面積が小さい為に、流れきれない電気が熱になってしまい焼損する、こんな仕組みです。

RIMG8870.JPG


それぞれ両方の接点をしっかりサンドペーパーで磨いて再度取り付ければこの通り

RIMG8871-1.jpg

次のトラブルかかってこい

EbmF8MNUYAEpbdT.jpg
posted by admin at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | アルファロメオ159

2021年07月12日

アルファロメオ159 2.2セレスピードの修理 作業編

その恐ろしい症状を経験して、ささ、どうぞお乗りください。とは返せませんので、オーナーの了解を取って修理します
念のために診断機を使って減圧してからの作業です
作業そのものの難易度や手間はそれほどでもありませんが、何しろ場所が狭い

RIMG8829.JPG


トランスミッションの垂直面に張り付いたエンジンのコントロールユニットの脇にある、セレユニットにくっついています

RIMG8830.JPG


上側がシフトポジションセンサーで、これも同じく時間が経っているので交換の対象です

RIMG8832.JPG


うまく外れました。

RIMG8834.JPG


かつて147のセレもそうですが、このポテンショメーター
シフトポジションセンサーがらみの故障多いですね

RIMG8835.JPG


こちら新品。純正品です

RIMG8836.JPG


外れたところ。ここの動きを見ているセンサーです

RIMG8840.JPG


少々大変でしたがうまく取り付けできました

RIMG8841.JPG


続いてもうひとつのセンサーも交換します

RIMG8844.JPG

部品は全く同じ。こいつがあんなすごいトラブルを巻き起こす原因とは...

RIMG8845.JPG


取り付けたらこれでOKです。

RIMG8849.JPG


準備ができたらポンプを動かして圧力を戻して、システムをキャリブレーションをします。

ひとしきり作業が終了したら故障コードを消して試乗に出ます

RIMG8852.JPG


RIMG8853.JPG

RIMG8854.JPG

RIMG8855.JPG

RIMG8856.JPG

しかし、最近のクルマは診断機が無いと困りますね。
この159も近所の修理屋さんで断られたそうでして....

試乗の結果も上々で診断機に故障コードが入る事もなく、全くトラブルが出ません。
まあ、出ては困るのですが

数日さらに試乗もするのですが、少し他の作業を行うので、もう少しお預かりします



posted by admin at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | アルファロメオ159

2021年07月06日

アルファロメオ159 2.2セレスピードの修理 スゴイ症状編

先日、お客さんから159のトランスミッションの調子が悪く見てもらいたいという趣旨の連絡をいただき入庫と相成りました

RIMG8732-1.jpg


959は久しぶりです。しかも159の2.2は初めてです。この頃になるとセレスピードもかなり出来が良くなり昔よりはるかにスムーズです。
訴えによると、Rや1速からギアが抜けなくなるなる事があると、ポンプかシフトポジションではないの?なんて当たりを付けていましたが、一向に症状が出ず煮え切れません。

診断機をつなげて

RIMG8725.JPG

現段階での故障コードを消します。
かつて修理された後に、消し忘れて入っていたり、うまく通信できないCAN信号をあやまって入力した可能性もあります。

RIMG8727.JPG

その後とりあえず近くのオークション会場まで、試乗かたがた向かうと突然、その時がきました

ピ〜と言う警告音と共にTransmission check とか言う黄色い表示が出て1-2秒後
突然、アクセルを踏んでもいないのに5000回転までエンジン回転が上がり、1速からギアが抜けません。
恐怖以外の何物でもありません。クラッチペダルが無いのに左足がこわばります。
シフトを何度もガチャガチャガチャとN方向に倒しますがいう事を聞きません

突然元に戻りギアがNになり回転数も下がりました
果たしてその時間、何秒もありませんでしたが、恐怖のあまり呆然としてしまいました。

今まで見たセレでこんな症状見たことがありません。
その後しばらく乗りましたが、特に同じ症状にはなりませんでした

工場に戻り再び診断機を取り付けます

RIMG8722.JPG


159はハンドル右下にOBDのリンクコネクターがあります。

RIMG8721.JPG


同じくトランスミッションを選択して

RIMG8725.JPG


RIMG8726.JPG

やはり同じコードが入っています。

RIMG8735.JPG


係合センサーってなんじゃら??
英語表記に換えると
Engaged sensor 
と入っています。

なるほどクラッチとフライホイールの接合を監視しているセンサーです。
結局、トランスミッションのメインシャフトの回転をクラッチ接合時のギクシャクを抑える為に、自動的にエンジン回転数を合わせて接合させる仕組みなのですが、回転数が良く見えないのか、クラッチが離れているか、くっついているかが見えないのか、アクセルから端を離しても5000回転になってしまうのは、あきらかにセンサーが分かってない様子なのです。

という事で、このセンサーを交換します



posted by admin at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | アルファロメオ159

2020年04月06日

アルファロメオ159 3.2満開

美しいフォルムを纏う159
個性的なマスクにファンの多いクルマです。
しかもここにきて底値感が強く3.2のATでもかなり買いやすくなってきました

しかし... 一筋縄ではいかないのがアルファロメオらしいところ。
トラブルのデパートが開店します

RIMG7855.JPG

V6のJTSエンジンはGMとの私生児、アルファのものではありません
それでもリーンバーンの直噴JTSエンジン、アルファ独自のものならもう地上から姿を消していただろうと思います。

RIMG7856.JPG

まずエアコン。ガス漏れだけかと思いきや

RIMG7858.JPG

ガスを入れて様子を見ます。

RIMG7867.JPG

低圧が下がり高圧が上がる...筈ですがイマイチ。もう一本追加してみますが、先に入っている量が100g入っていたとすると合計500gも入ってしまい、上限(460g+40g)に達してしまいます

RIMG7868.JPG

エアコンのサークルが回り始めているのに低圧管が冷たくなりません。
これじゃあ、車内が冷えません

RIMG7869.JPG

高圧が高いです。完全ではありませんが詰まり気味。コンデンサーのフィルターがくさいか?
それでも結局はエキパンの洗浄も必要でしょう

RIMG7871.JPG

低圧が全く結露せずエアコンはOHが必要です

RIMG7879.JPG

外気温がこれなら低圧の管が超冷たくなってもおかしくありません

RIMG7886.JPG

システムに問題はなさそうですが、エアーフローがどう見ても少なく感じるのはエアコンフィルターの詰まりもあるかもしれません

RIMG7887.JPG

風の量が少ないのです

RIMG7888.JPG


続いての課題はエンジン警告灯です。走行時、アクセルを踏み込んだり、上り坂でアクセルを踏み込んだ時に突然ガタガタと失火してクルマがつんのめったようになります。典型的な点火系のトラブルです
診断機を繋いでみてみると

RIMG7889.JPG

直噴エンジンの生命線でもあるスパークプラグ。点火不良は非常によくない。6本全部のプラグとイグニッションコイルの交換が必要になります。しかしこのV6も、簡単には後ろ側のプラグ類は交換させてくれそうにありません。マニホールドを外すようです。


RIMG7892.JPG

続いて油温が上がると大きな変速ショックを出すトランスミッション。
特にある程度走ってからリバースに入れると、飛び蹴りされたような衝撃がきます。
最近のATはユニットに問題を起こすと大きなショックを出してユーザーに異常を知らせる仕組みです。

RIMG7893.JPG

間違いなくエラーをくわえているだろうと思ったら、やっぱりです。
ただ、ギアーセレクターボディとは何でしょう? チェンジレバーの事では??
と思いますが、僕はおそらくはトランスミッション内のバルブボディの事かと思っています。
悪名高きアイシンの5速AT....
ATのオイルパンを外してバルブボディを取り外さないと作業できません。

RIMG7894.JPG

さらに、ラジエターからのLLC漏れ、ドライブシャフトブーツも破れて正にトラブルのデパート。
お金のかかりそうなところがほとんどダメという...

平成17年くらいから20年くらいまでのクルマが次々攻撃を食らっているようですね。
恐るべきトラブルのデパート159本店、あなたの159もまもなく仲間入りですぜえ、くわばらくわばら
posted by admin at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | アルファロメオ159

2019年12月23日

アルファロメオ159のメンテナンス1

美しいフォルムに強面の面構えで人気の939シリーズ。
とはいえもう10年10万キロを超えるといろいろと

RIMG4893.JPG

まず、ドアトリムの端っこが外れてしまったというからそちらから

RIMG4894.JPG

ドアトリムのゲジゲジクリップは数回脱着したらダメになります。
このクリップはウチもたくさん在庫しています。とかくクリップはそれなりに在庫しないといけません。
最近のクルマはクリップを軽視すると必ず後でしっぺ返しをくらいます

RIMG4895.JPG

それよか、ドアの開け閉めの際にここに手をかけて閉めると外れたします
おそらくは今回もここが原因でしょう

RIMG4897.JPG

ドアの開閉は下のポケットを握って開閉していただきたい

RIMG4899.JPG

続いて時々エンジンが調子悪くなる事案。
ちょうど、試乗の最中に症状が出ました。低速から加速して上り坂を上る時にガクガクっとエンジン警告灯が点滅しながらノッキングしました。

RIMG4900.JPG

診断機を見ると

RIMG4901.JPG

これは状況的に額面通りに捉えても良いのかなあ?と今回は時間もなくお客さんからも見送って来年春の車検時に修理するとのこと。

続いては、ヘッドライトが時々消えるという、なんで続くのかなあ?
今回ももちろんアレですよアレ

RIMG4904.JPG

バルブですね。昔は1車歴に1度は切れないくらいのイメージだったのに結構な割合で交換します。
ところが、このライトカバーがいけません。強度を確保するのと外す際のグリップの目的であろうフィンがパキパキ割れていきます。すごくもろくなってしっとりしながら崩れていく感じ。濡れせんべいかチョコチップクッキーみたいな感じです。
熱で炭化したのが原因でしょうが、このクオリティって、イタリアのもの独特なものなのかなあ?
しかも当然のように国内在庫なし。
えーっつ?まだ生産終了からそれほど時間たってないのに??

しかしバルケッタのバンパーなどポテトチップのような強度だものなあ。
新素材使うにもいすゞのJT型ジェミニのようにポリカーボネート製など割れますが強度は非常に高い。
値段もものすごく高かったけど

RIMG4919.JPG

アルファロメオのクルマとしては異例なほど簡単にバルブが外れます。
バンパーなど外しはしないでいけます

RIMG4920.JPG

それでもバルブにコネクターを抜き差しするのは結構ホネだったりして

RIMG4922.JPG

強烈に明るい感じが戻ってきました。かっこいいのだ。

RIMG4927.JPG

維持するのは結構大変だけど
posted by admin at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | アルファロメオ159

2019年04月26日

アルファロメオ159 サーモスタットの交換 後編

昨日の159の続き 続くDAY2。

Img_5592

古いガスケットカスや汚れ、サビなどを削り取ります。
見る事すらできない狭さに、むりやり手首を曲げてサンドペーパーをごしごし。
あり得ない方向に手首を曲げてまたまたヒーヒー

カメラを潜入させてぱちり。

Img_5557

サーモは純正品ですが

Img_5549

なんとメイドインブラジル。
モーターヘッドの曲でそんなのあったな

Img_5550

Oリングは 当然新調

Img_5555

組間違いや取り回しを間違えないよう慎重に作業します

Img_5559

メインの三つ又パイプを差し込んでホースを繋げていきます

Img_5562

さすがに正確に作業したいので、ホースバンドはウルトのものを使います。

Img_5560

どんどん組付けていきます。

Img_5567

そして、エラーコードを消して、エア抜きをして
しっかり試乗を繰り返して、LLCの量を点検しオイル交換に進みます

Img_2419

リフトがいっぱいでフロアジャッキをうまく使いオイル交換します。

Img_2427

エレメントを交換してオイルはいつもの

Img_2430

お疲れさまでした
サーモの交換単位は4ヒーヒー、1いってえ!くらいの作業ですね
なんのこっちゃ(笑)

 

posted by admin at 00:22| Comment(0) | アルファロメオ159

2019年04月25日

アルファロメオ159 サーモスタットの交換 前編

オイル交換の依頼でお預かりの159の3.2V6
同じ3.2Lですが、GTAのそれとは飼い猫とライオンの差があるほどマイルド

でも常にライオンのような猛獣でいると飼い主はしんどくなってしまいます。
時には飼い猫のようなおとなしさも欲しくなるものです。飼い猫と言ったら言い過ぎですな、人懐っこいライオンくらいとでもしときます?

しかし、お預かりするときに「全くヒーターが効かないんで、それも見てください。」と
ヒーターが効かなくなる原因は主に、ヒーターコアに温水を送るヒーターバルブの故障、エアコンが完全にオールインワンになっているタイプでよくあるヒータコアのある部屋を遮断するシャッターのモーターの故障、サーモが原因のオーバークールなどが一般的です、と現地で説明して預かってきました。

帰りの道で、鼻歌でエイジアを歌いながら運転して、工場まであと1-2kmのところで異変に気が付きました。
水温が上がり始めた・・・ こんなの聞いてないぞ

背筋に冷たい汗、工場まで持つか? レッカーを依頼するか? 考えながら走ります。

車内をヒーター最高温度で、ファンスピード全開にします。こうすると結構な効果が期待できます。沸点を超えたお湯のヒーターですから痛いくらい熱いですがそんなこと言っていられません。

ところが、なんと、なんとなんと足元には冷たい風が出ます。
ヒーターコアにお湯が来ていないのです。

サーモスタットです。サーモが閉じたままになってラジエターやヒーターに水を通していないのです。

工場から500mで水温は120℃を超えてきました。もうぼちぼちECUがメッセージを送って、燃料の供給を遮断するかもしれません
工場最寄りの林の信号でほぼ上限です。歩いても1-2分です。チェックランプが点灯し、警告を投げかけてきますが、見れる余裕はありません
どうにかほうほうの体で工場に帰ってきました。
リザーブタンクはグツグツ煮えて、笛吹ケトルよろしくピューと音がしています。
早速、サーモスタットを発注します。

しかし、159の部品、みんな持ってないのですねえ。付き合いのある2店では時間がかかるそうです。しかも純正品のみ
トーカイの新田さんのところが一番早いのでお願いしました。

159はあまり部品の引き合いがないのだそうです。みなさん、ディーラーにしか行かないのか、流通台数が少なすぎるのか?

中1日で部品が揃ったので、作業を開始します。

Img_5545

マニュアルを見ると恐ろしく簡単そうなサーモ交換、しかし、実車を見ると到底その程度の作業では交換できないのが簡単にわかります。
作業ができるよう周りの部品を外していきます。バッテリーやエンジンカバー、エンジンECUなど

Img_5544

EGRのワンウエイ配管や、ガソリンの筒内噴射の為の高圧パイプなど動かせないパイプが多く通り、さらにラジエターの下の方から帯びる車内のヒーターコアのセンド&リターンパイプが乗っかります。
EGRパイプは今にも折れそうなプラスチックのパイプで、途中で付けたり外したりできません。折れば1本もので交換が待っています。
そのさらに下にサーモスタットが三葉虫の化石のようにブロックに張り付いています。当然太いホースが前後に連結されています

Img_5548

ヒーターパイプの2か所を止めている部分を外すといくらかパイプが動くようになります。
サーモスタッドに入っている三つ又のパイプを取り外したいのですが、パイプを止めているうちのアタマが15mmのボルト、これを抜きたいが、ヒーターパイプが立ちはだかり抜くのがままなりません。

Img_5561

どうにか無理くり抜いたボルト。レイアウトを考えた人はアホとしか言いようがありません。
その後少し少し他のボルトを抜いてサーモがフリーになります。

しかし、今度はリア側のパイプが抜けない。手がケガだらけになります
ヒーヒー言いながらどうにか抜きました。

パッと見はどこにサーモがあったか解りません。
Img_5551

近くで見ても配管だらけ。

Img_5553

どうにか折り返して続きは明日
ところで、エイジアの何歌っていたかわかります?

posted by admin at 00:19| Comment(2) | アルファロメオ159