2021年12月06日

メルセデスベンツW211の車検 

近くの料理屋さんの社長さんのメルセデスが今年も車検時期になりお仕事をいただきました

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ブラックビューティーのE320ワゴン

ところがこのクルマ、下回りのサビがスゴイのです。

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スキーに良く行かれていたそうです。
所沢近辺は関越道が近い事もあり、スキーをされるお客さんに結構出くわします。
多くの方のクルマがこのような感じになります。

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向かいのキクチさんは震災の後、復興支援で宮城に家を作りに行っていましたが、よく、下回りも洗車したと言っいたように思います。

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そうで無くてもサビサビになるエキゾーストパイプもこの通り

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オイルパンはアルミ製。
とりあえず古いオイルを抜きます

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大きなV6 3.2L
乗り味はサイコーです。

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エアフィルターを交換します。

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オイルフィルターはこのプラスチックのボトルの中です

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フィルターだけ交換するタイプ。

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リキモリのモリゲン10W-40を入れます。

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続いて、エアコンからスゴイ音がするとのことで作業します。

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過去にファンレジスターは交換しているので、今回はファンだけ交換します

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キレイなシロッコファンが顔を覗かせます
エアコンファンも交換するのです

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消耗品のルーティーン交換に終始しました

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やっぱりメルセデスっていつまでも乗り心地は変わらないですねえ

2021年11月15日

W211 SBCのフルード全量交換

車検のメルセデスです。
W211も既に古いクルマになりつつあります。
特にこの前期型はSBCと言うブレーキのシステムを備えており、発売当初からトラブルが続きました。
SBCについては以下のサイトを参照ください



さてこのSBCを搭載のモデルは僕らなどではめったになく、専用工具を買うのも惜しいので、工場にある物を使って工夫します。
まずは診断機SBCの動きを止めます。

SBCを選んで作業サポートから進めていきます

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すると恐ろしい内容のウオーニングがお出まし。
しかし、心配することなかれ、これでいいのだ

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僅かに日本語がおかしいような気がするけどオケー

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かなり日本語がおかしいけどオケー
ブレーキカリパスってなんだよ

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ブレーキカリパス....

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いやいや
なんか読み解くのがいささか面倒ではありますが、手順通りに行きます。

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あの難しい日本語の説明はかいつまんで言うと、SBCの圧力がかかっていないので、適当にやってください。という事らしいです。しかし、セレスピードもそうです、思わぬ事でポンプが目を覚ましたら大変なので、フルード交換は圧送して交換するようにします。

とはいえ、メルセデスのSSTなど持っていないので、どっしよーかなー? と考えていたら
以前買ったラジエーターのリークテスターを思い出しました。
Eくんはぜったい付かないよ〜、とい言っておりましたが....


なんとうまい具合に合うものがありました!

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まあ、本来の使い方ではないので多少おn不具合もありますが、おしなべて良好です

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圧力をかけている間にブリーダーをひねって古いフルードを排出させます。

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ずんずん進めて、圧力をかけて、フルード抜いて、リザーバーに足してを繰り返します。

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4輪全部できたら再び診断機で強制的に圧力をかけます

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どんどんOKで先に進めます

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いろいろ情報を刷新しているようです

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全てのブレーキのセンサーの圧力が60barを越えて正常のようです

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再び先に進めます

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言われた通りに進めます。

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情報の刷新も進んでいるようです。

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これですべて出来上がりました。
昔なら特殊工具がないと大変でしたが、今やいろいろなものを組み合わせて凌ぐことができます。
便利な時代ですねえ

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2021年11月03日

メルセデスの塗装の問題

もう砂金のメルセデスには使われていませんが、古いメルセデスにはサッコプレートなるドアモールが付いていた時代がありました。
1990年代にトヨタでも流行りましたが大きなサイドプロテクターを付けるのです。
しかも色違い。ツートンカラーになるわけです。

今はすっかり見なくなりましたが、大きなサイドプレートはエスティマやアルファードでも割と最近まで見ましたが、いよいよ過去の物になりつつあるのでしょうか? あまり最近のトヨタ車はしりませんが

メルセデスは当時、バンパーモールなどを独特の半ツヤで仕上げるのがW124やW210でも見られました。
その半ツヤをスタンドックスではサテングロスクリアーと呼んで商品化していました。

時代の流れと共に半ツヤの部品が無くなり、今はサテングロスクリアーと言う商品そのものが消滅してしまいました。
今回はEクラスの補修で注意しないといけない塗装のトラブルについてです。

一見ちゃんと塗装のされたモールですが

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塗装の後はよく見ないと再塗装の売れ機目に当たるので、細心の注意をはらって確認します。

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塗装ブースの照明を落として

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LEDライトを使ってよ〜く見ると

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だんだん見えてきます。部品右端の部分、塗装が透けて下地が見えます。
「透け」と言う現象です。原因はベースコートの隠蔽不足。
再塗装しか方法はありません。
クリアーを塗装する前なので、大した問題にはなりませんが、塗装後または組み付け後に発覚すると大変な事になります。

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塗装はサタのガンではなくプラモデルやサフェーサー、ラジコンを塗装するイワタのワイダー101を使います。

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塗装した後は2部ツヤのつや消しクリアーを塗装して焼き付けたら終了です

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2021年10月24日

メルセデスベンツW210のメーター球交換

W210のメルセデス。いやいやいまだ好きで乗っている方、結構いらっしゃいます。
メーターパネルの表示が暗いとのことで修理します。

取り外し方法はいたって簡単で、ボルトは使っていません。
専用の工具で外します。
日が当たっていればきれいに見えるのですが、夜はちゃんと見えません

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このようないかにもなカタチの工具で外しますが、他のシチュエーションでも良く使うので持っておいてソンはありません。





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このスイッチの間くらいの位置に引っ掛ける場所があるので、メーターの脇から無理やり工具を挿し込みます。


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ステアリングホイールは前回に伸ばして下側に移動しておきます。

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横がこのようになっています。ここにひっかけて根性で引き抜くのです

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メーターがなくなりました

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単体になったメーター。
ちょっといいリフレッシュになりますよ


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裏側には何色かのバルブがあるのですが、今回は緑色のバルブを交換します

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おそらくは一度も交換されてこなかったでしょうから、これを機にすべて交換します。

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簡単な作業なのでぜひ皆さんもチャレンジしてみてください
リフレッシュできてサイコーです。
バルブはこんなものを使います。


メーターからこのようなゴムが外れてしまったらアロンアルフアでくっつけておきましょう

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これをないがしろにすると、メーターがスカスカ抜けてきます。
そこはボルトを使わないメルセデスらしいところで、このゴムが車体側にあるスプリングを押して止まっているのです。
上下4つのゴムが使われています。

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この左端の四角いのがスプリングです。
このスプリングを乗り越えて引っ掛かります。
メーターを取り外す時はこれを越えるのにかなり力を必要とするのです

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2021年02月21日

メルセデスベンツW210のブレーキパッド交換

W210のブレーキパッド交換をしました

たかがブレーキパッド交換、されどブレーキパッド交換です。
自動車で最も重要な役割を果たすブレーキパッド
しっかり効くように整備しないといけません

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大型セダンらしい大きなアップライト
スプリングとショックアブソーバーが別体のダブルウイッシュボーン。
FR高級車の代名詞みたいな足回りです

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後ろ側ぼスライドピンを外して、ブレーキホースが通るカバーを外してキャリパーを外します

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ピストンを戻すと油面が上がり、そもすればリザーバータンクからあふれてしまいます。なのであらかじめ少し減らしておきます

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ブレーキフルードが汚れています。過去はガスリンスタンドでの車検整備だったせいか、ちゃんとブレーキフルードが全量交換されているか怪しいもんです

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ペラペラになったパッドはさようなら


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ピストンは戻しておきます

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新しいパッドとセンサー。ローダストパッドを使うとやっぱり効きが悪くなるのかなー?

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さてここで問題。
ブレーキローターは全面的にきれいに削れることはなく、どうしてもローターの端に鍔(つば)が残ります。



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ここにそのままパッドを付けると、真っ先に削れ残った鍔の部分だけがパッドに接触してブレーキパッド全面をディスクに当てることができません。

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そこできれいに当たるようにパッドの上側もサンダーで削ります

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こんな感じですと


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うまく削れ残りの鍔をよけてパッドの面全体がローターに押し付けられようになります

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そしてブレーキのパッドグリスを塗って。スライドピンには耐熱グリスを塗って

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組付けます。


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パッドグリス(左)とスライドピンなどに使う耐熱シリコングリス。
ちょっとした気遣いで快適に乗れるヒントになるのでした

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2019年11月15日

メルセデスベンツE320ワゴン ATフルード交換

メルセデスEクラス、W211のワゴンです。
素敵なビジネス超特急、さらにはゴルフ特急でもあります。
どこに乗って行っても風景に溶け込み、決して見劣りしない高級乗用車の超スタンダード

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お客さんからの間接的なご紹介で初めて入庫したお客様です。粗相の無いようがんばらなくちゃ(笑)
前回の車検まではヤナセで新車からメンテナンスを受けているワンオーナー車です。
記録簿を元に整備プランを考えます。

今回は
エンジンオイル+オイルフィルター
ブレーキフルード
ATフルード交換
バックアップ用バッテリーと普通のバッテリー
ワイパーブレードセットの交換
エアコンフィルターの交換
というようなベーシックですが、2年間で困らぬような内容にしました。

今回はATフルード交換を記事にします。
SBC付ブレーキフルードの交換など見所満載だったのですが、ブログ引っ越しに巻き込まれてそちらは記事にできませんでした。

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この自動車はプライベートで山やスキーに出かけるために買ったとおっしゃっているだけあって、下回りのサビがどいひー
マフラーハンガーの一部が無くなっていたりします

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まずはカバーを外して、抜く前のATのフルード量を見ます。

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あらー、最近メルデスやらなくなったから、久しぶりに見るATチェック用の蓋。ピンのプラスチックを注文するのを忘れていました

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そしてながーいレベルゲージを挿します。これ自体に目盛りはなく

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一度奥でぶつかるまで入れて、わずかに戻します。

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この線まで来るのが正常な位置ですが、そのほんの少し戻す感じで目盛りの一番上の位置に来たら

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旗を付けて目印にします。旗がゲージ入れの脇にぶつかるように貼ります。

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これが終われば抜きますよ。

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意外にきれいなATFが出てきてしまいました。うーん、記録簿に書いていないだけで、前回の車検時にやったかな?でもオイルパンにシールが貼ってあったでものはなんだったのだろ?
こればかりは書いていなければわからないですから、メンテナンスと言うのはできるだけ同じガレージでやると良いですね。

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はい、このようになってまーす。毎度おなじみ風景ですね。

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オイルパンパッキンもしっかりしたものです。イタリア車でよく見る紙のパッキンとはずいぶん違う感じ
ま、イタリア車と言っても同じZFのトランスミッションなのですが

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中のマグネットはかなり汚れていました。キレイに見えるだけでそうでもなかったのかな?

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オイルパンを磨いて新しいフィルターを取り付けます。

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これもまた実にしっくり、ぴったり

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オイルパンを取り付けてラブ注入。

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抜けたのは3.5Lです。

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いっぺんに入れると入りすぎてしまうかもしれないので、少量ずつ最初は3Lくらいから
入れるのは簡単だけど、抜くのは難しいですからね

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ロボコンにデータをインプット。本家ロボコンはアナログでしたが、こちらはデジタルです

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何回か足して、エンジンをかけてATにフルードを吸わせて、また入れて

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ぴったりの位置に来るまで4.2Lを入れました

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続いて、SBCのバックアップ用バッテリー。なんだかすごいことになっています。

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小さなバッテリーですがこれでもAGMバッテリーです。バイクのとは違いますよ。

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こんな感じで進んでいきました


2019年04月20日

さすがのW210

すっげえ久しぶりに触るW210、しかもワゴン
極まれに、メルセデスに乗って間もない方などが、「メルセデスって直せますか?」とか「メルセデス直したことありますか?」なんて面白い事を言う方がいますが、メルセデスなんて言う方はまだマシな方で、ベンツ ベンツと言う方は、年寄か輸入車経験の薄い、ガイシャと表現するタイプの方ではないかと思います。
で、輸入車整備に従事する方の多くがメルセデスやBMWに育ててもらったのは紛れもない事実でありまして、僕が見習い当時、現行車種は124、126、201しかなく、123や107は決して珍しくありませんでした。

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今回のメルセデスは
小平にある写真屋さん「なかのスタジオ」のクルマなのです。
http://www.nakanostudio.com/

ウチの子供たちが生まれて間もない時からのお付き合い。一見さんでふらりと訪ねた写真屋さんでしたが、実に素晴らしい写真を撮る方で(なんて言ったら失礼ですね)その技術は今も健在どころか円熟味を増した感、なんて言ったら 知った風なクチをなんて怒られてしまう 上質な仕事のオーソリティです。
ちなみにその子供も21歳になり、人生のワンシーンを写してきた写真も結構な数になりました。
そんな人間の成り立ちに立ち会う写真屋さんと言う商売も素敵な商売だと思います。

そんな仕事をなさっている方なので、クルマもこだわりがあります。
後期210ワゴン。これでないとダメなそうです

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しかし、久しぶりに乗るEクラスは、このところイタ車とフランス車ばかり乗っていた身にとっては 乗用車のお手本のようでした。
新車から16年? 9万km? そんなのものともしない基本の良さです。
210でこのように思うのですから、124であればどうだったでしょう?

とはいえ、210もまだまだ100か0かの精神が残っていた頃のモデルですから あちこち傷みは否めません
どこかで決着をつけねばいけませんね

で、今回はリアバンパーの補修です。
インパクトカバーセンターがこれほど曲がっていても、この程度で済んでいるのはメルセデスの品質ならではのものでしょう

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リアバンパーの脱着から

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他のワゴン同様両サイドに3本のボルトがあり、2本は車内側から、1本はホイールハウス内から。
またリーンフォースからは左右に1本の13mm(8mm)のナットと名軸センターにも1本があります。
最低限の部品の脱着でバンパーが取れるのはメルセデスらしい所と言えます。124なら横はスライド、後ろは倍の数で止まっています。
もう長い間、作業していないので定かではありませんが

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リアバンパーを分解します。
124に比べてかなり部品点数が減って 比較的分解しやすいですが、それでもかなりの部品点数で時間がかかります

もう分解した後なので苦労の程は伝わりませんが、結構時間かかります。

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エネルギー、アブソーバー、インパクトストリップ左右、センター
インパクトストリップはさらにメッキモールを外します。

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センターカバーは交換して、スケルトンになったバンパーフェイスは修理します。

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ところで、ここで問題です。

じゃかじゃん[E:#x266A]
このエンジンは何のエンジン?

正解の方がいらっしゃいましたら、何か素敵な物を探し出して差し上げます。

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posted by admin at 01:44| Comment(2) | メルセデスベンツEクラス