2022年01月13日

アルファロメオ156 V6リネアロッサの整備 其の参

今回はドライブシャフトブーツです。
完全攻略編です。

ブレーキパッドの交換作業とのコンビネーションで参ります

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ウイッシュボーン一体型のナックルやスタビリンクを外して
ドライブシャフトをハブから抜きます。

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奥に太いヘックスで止まっています。それをインパクトレンチで回して外して
ドライブシャフトを抜きます。スプラインのあるアウトプットシャフトはをデフに残るのでミッションオイルはこぼれてきません。

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同じく反対側も外します。

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ご丁寧に両方とも破れています。
車庫から出す時などハンドルの据え切りが多用されている事を容易に想像できます。
156もハンドル切れませんからねえ

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破れているブーツはカッターで切り取ってCVジョイントを露出させます。

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古い油をなるべくふき取って


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Cクリップがあるのが見えます。

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これを専用のプライヤーで広げながらジョイントを抜きます。

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抜けたシャフトに新しいブーツを仕込み

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再び元に戻します。

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この溝がCクリップの収まる溝なのでこれを飲み込むまで圧入します。

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おおよそ見えないくらいなりました。この位置でクリップを入れていきます

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グリスを載せていきます。

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べっちょり、全部載せです。
全部載せいっちょ〜!

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新しいブーツをかぶせます。
国によってはベロアなんて言いますね

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少しハミ出ましたが出来上がり
一応僕も塗装屋の端くれですから、この作業にはいささかの嫌悪感があります(笑)

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左右同じように作ります。

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バンドをかしめます。

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シャフトをアウトプットシャフトのフランジに取り付けます。

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ここからは昨日の画像に準じます

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最後にブレーキパッドなど取り付けて、ハブナットをパチンとやったら出来上がり。

posted by admin at 23:59| アルファロメオ156

2022年01月11日

アルファロメオ156 V6リネアロッサの整備 其の弐

156 V6 リネアロッソの第2弾はブレーキです。
もうね、そろそろブレーキが...と言われながら、秋を超えて冬になってしまいました

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まー、そりゃ、パッドも無くなるのですよ
で、交換。

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輸入車のパッドの新品は分厚くていいなあ。
古いブレーキパッド?

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おおー! ここまで使ったら...
こりゃあぶねえわ!!

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すげえ良いタイミングで交換したので、ローターへの攻撃はありませんでした。
スライドピンもよりスムーズに動くようにして

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ハブナットも交換

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続いてリア。

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リアはサイドブレーキ一体型のキャリパーなので、専用工具で押し戻してやらないと入って行きません。
リアブレーキもフロントのように対抗ピストンのタイプだとインドラムになるのですけどね、クワトロポルテみたいに

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posted by admin at 23:00| アルファロメオ156

2022年01月09日

アルファロメオ156 V6リネアロッサの整備 その壱

お盆の頃に整備入庫の打診をされていたのにう〜んと入庫が遅くなってしまった156リネアロッサ

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赤い内装も良いですね

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さーて、今回のメニューは?
1.ポジションランプの球切れ
2.ブレーキパッドの交換
3.ドライブシャフトブーツの破れ

の修理ですが

1.は車上で外しきれず、バンパーを外してライトレンズを外しての作業となります。
2.ブレーキパッドはキレイにすべてが減っており、4つのポジションすべてを交換することに
3.シャフトブーツは左右とも破れていて、左右のシャフトを外して交換します。

その演目の1つ目、ポジションランプの交換からまいります。

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前期後期に限らず、いや車種を超えてアルファロメオのポジション球は異様なまでに交換しにくいです
球は間違いなく切れています。

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んで、トリセツにはかように書いてありますが

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このタブを引っ張ればよいのですが

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脆くも簡単にタブが取れてしまいました。
バンパー外しが決定した瞬間でした

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片側だったので、バンパーは完全に外さなくてもできます。

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アルファロメオはみんなだいたい交換方法が似通っていて
フェンダーの中の片側3個(147は2個)のボルトを外しまして
グリルを外しまして2個のボルト、下回りのアンダーカバーと共締めのボルト数本を取れば外せます。

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ライトが外れてしまえば交換はさほど難しくありません。

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いつものハロゲン球。H6って言うんだっけかな?
炭化は結構高いのでご注意あれ

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なんか結構なレンズの傷み具合ですね
MPIではレンズを塗装して回復を試みます。費用は掛かりますが、かなりきれいになってその状態が磨いただけのレンズよりはるかに長持ちします。

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出来たら元に戻して出来上がりです。

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手のかかるクルマばかりですね






posted by admin at 16:02| アルファロメオ156

2021年12月08日

アルファロメオ156SWの車検

今年も車検整備をいただきました、156SW

夕日に染まり雰囲気いいですね

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ちょうどもう2年前になるのかな?サスペンションオーバーホールしたの
その記事をご覧になったお客さんから同じような内容のオファーを頂いております
部品についてはもう少しお待ちください。

日ごろから翌整備されているので、特に問題はない感じ
でも、マフラーハンガーに傷みがあります

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それも均等に悪い感じ

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この際、全部交換します

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純正品です。

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一目見ただけ、いや2度見、3度見でも解らないけど、部品番号は2種類です。

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エキゾーストパイプの2つが違う品番です。

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先にオイルを抜いている間に

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みんなキレイになりました

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オイルが抜けきったらオイルフィルターを新しい物にしてできあがり

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アンダーカバーは結構汚れていますね
これはおそらく、クランクのリアシールですねえ。

この記事にもありますが、クランクのリアシールはエンジンとトランスミッションを泣き別れさせないと作業できないのです
このオイル漏れが大きくなると、大きなメンテナンスポイントが近い事を匂わせます
まあ、油だからにじんで大きく見えるのですが....

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ブレーキフルードは2年毎に絶対に交換すべきものです。
水分との相性が良く、空気中の湿気とも反応してベーパーロック現象の原因を作りますので、大変に危険です。

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エンジンオイルはMos2の10W-40です。

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ファンベルトを外しました。どしたのでしょう?

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明日のコーヒーを奢る人を決めるあみだくじでした
んなわけなくて

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ベルトの交換でしたとさ

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毎度ありがとうございました
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2021年12月05日

ナゾの故障に侵されたアルファロメオ156GTA その6 狙撃兵

全ての戦いが終わり、勝利の美酒に酔いながら、工場を後にしたした僕ですが
この話には続きがありまして
翌日、さらに組み付けを急ぎ、昼までにはすべてを元に戻し、エラーコードを消していました

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エアバッグを外した状態で何度もキーをON/OFFしていますから当然、警告灯もつきっぱなしになります。

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当然消去しまして終わり

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その時に、完成検査をします。
ライトSWをONにして他にタマ切れなどないか確認しようとすると

ライトSWを入れると、点かない?
いやうっすらポジションが点灯しました。
数秒で左のポジション、右のポジション、間もなくしてヘッドライトがしばしば瞬きをしながら点灯しました。
ここまで約10秒

あれ? なにこれ?
勝利の勝ち鬨から一転、狙撃兵に狙い撃ちされているような状況です

その後は普通に点灯するのですが、しばらーく時間を置いてスイッチをONにすると
同じように片方ずつ点灯し始めるのです。
大混乱に陥る僕の頭の中

ヘッドライトのコンデンサーが悪い?

そんなものん、ライトに付いているワケがありません。

落ち着いて先の配線図をもう一度見ます。

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バッテリー及びB99のマキシヒューズから来た12VはジャンクションボックスにA2のぶっとい配線で入って、B1コネクターからいくつかのでぃばいすに分配されているのが分かります。

今回A2とB1を直結したので、今までのライト類、パワーウインドウ、ドアロックデバイスへは電流面での不安要素は皆無です。
ではどこが悪いのでしょう?

このA2の上流はもはや、バッテリーとマキシヒューズしかありません。
と言うことは?
B99ヒューズボックス

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こいつだー!
少しですが一部が焦げています

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端子も焦げているのが分かります。

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ヒューズを手持ちの166のものと交換して、端子は軽く磨いて、接点復活剤を軽く塗ってテストすると
全く症状が出なくなりました。

ここで、思い返してみると
今回接続したB1のツリーの下にはパワーウインドウやドアロックモーターと、それなりに電流負荷の大きいデバイスがぶら下がっていました
おそらく、A2かB1のコネクターの当たり具合が最初からそれほど良くなかったのだと思います。
特にB1。そこに流れようと小さな接触点に大きい電流が流れようとした。しかしその電流値が大きくなりすぎてヒューズに極端な負荷がかかり、焦げてしまった。
そこがさらに抵抗を作ってしまい、条件が合う時だけ電気が通るようになったと
しかし、どんどん、流れようとする電流い負荷がかかり、ついには殆ど流れなくなってしまったと。

ユーザーも症状がだんだん悪くなったと言っていたのと合致します。

こうして、MPIで10日ほどお泊りした156GTAはユーザーの元に帰っていくのでした

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しかしみなさん
電装修理と言うのは配線図なしではなかなか難しいです。
神様じゃないのでパッと見てわかるケースは稀です。

1本の配線をずっと追いかけていくとか地道な作業をしますが、コネクターの場所、カタチ、線の色などが判らなかったらさすがに追いかけきれません。
今回のように比較的見慣れた配線図がある場合は、かなり修理作業の時間短縮が可能になります。
逆を言えば、何もなければあれこれ交換して行かないと解らないなんてなることもあります。

修理は時間がかかる物です。時間がかかるという事は費用も伴いますので、悪しからずご了承ください。



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2021年12月02日

ナゾの故障に侵されたアルファロメオ156GTA その5

原因が分かったので修理作業を進めます

見方を変えてもう一度おさらい

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+12VはA1のバッテリーからB99マキシヒューズを経て、B1ジャンクションボックスに向かいます。
B1のBCMではAコネクターの2番に入り

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イラストで言うところのすぐ隣のBコネクターの1から出て、いろいろなデバイスに電源を供給しているのが分かります
実際にはすぐ隣ではなく、裏側なのですが。
そのB-1の電源はJ45のライトリレーに行っているのが分かります

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このAコネクターとBコネクターを叩きます。

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Aコネクターは再び使いますのでスリーブを噛めるくらい残して切断します。

Bコネクターは2の方、赤い線の方を切断して、それぞれにバイパス線を引きます。

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もちろん、この配線は8スケアなので、先のブログにも書きましたが、たまたま来ていた東京電力の人に配線を少しだけわけてもらい、バイパスさせます

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一口に8スケアなんて、太すぎて滅多に配線作業には使いません。圧着工具もないのでとりあえず、エビの圧着ペンチを買ってきました



かようにがっちりカシメられました

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大きな電流が流れるので絶縁もしっかり
2枚でどうだー♪

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反対側は本家のコネクターとバイパスさせる配線と2本を噛むので、スリーブも少し大きい物で
バッテリー端子をかしめる工具でやっつけますが

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確実に、そして徹底的潰したいので、禁じ手のインパクトで潰します

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がっちりカーフブランディングされたスリーブ


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配線が終わったら部品を戻します

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さて結果はいかがでしょうか?
緊張の面持ちでバッテリー端子を取り付けます

キーオンでヘッドライトを点けた時はうれしくて画像を撮り損ねました
まぶしいくらいにライトが煌々と点灯していました。
ドアロックやパワーウインドウもさっきまでの怠惰な機能が、まるで嘘のように正常に動きます。

後から見た写真のブレ方からも嬉しさが伝わってきます

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LEDも鮮やかに点灯しております

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ラスボスを倒して気分も高揚していた時は、まさかこの向こうに狙撃兵が潜んでいたなんて疑う余地もありませんでした....
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2021年11月30日

ナゾの故障に侵されたアルファロメオ156GTA その4 原因究明編その2

首がズガガ〜ンとなりながら12Vを入れたB1、果たしてその結果は?
見事に点灯しました!

そらそうだ、BCMに問題が無く、J45リレーが正常なら点灯は間違いない
となるとですよ、元の12Vが正しく供給されてないとなるのでは?

もう一度ライトの配線図を見ると

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B1に電源を供給している大元は画像右端のA2です。

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A2はバッテリー直の8スケアー配線でとてつもなくぶっとい
当然のように12Vあって、とてもじゃないけど8Vに減圧なんて考えられないです。

もう一度全部配線して電圧を測ります

A2にテスターをあててライトSWをONにすると12Vのまま
しかし裏側のB1にテスターを当てると

なんと8V....

BCMは交換したのになぜか8Vになる
パワーウインドウもドアロックも当然のように動かない

ここで、ユーザーに電話をして、故障の状況を確認します。
すると、ライトがつかないときはパワーウインドウもドアロックも利きません
逆にライトが点いた時が、偶然一度あったのですがそのときは全部動いたんですよ〜

とのこと

と言う事はライトのトラブルは全てのトラブルの現況です。
ライト、P/W、ドアロックの配線の共通点はこのジャンクションボックスしかありません

と言う事はB1とA2を直結したら全て直る可能性が高い
6とか8スケアーの配線を使っていると言う事は電流値が高い事は簡単に想像できます。
もし、無いとは思いますがショートがあったり、強い電流値を要求する装置があると1.25スケアの配線では
簡単に燃えて、お客さんのクルマの内装を焦がす事になりかねません


でもこういったぶっとい配線は車両を重くする原因ですし、コスト高になる元でもあります。そのために2つの配線をパラレルで繋ぐには8スケアーの配線が必要です
そもそもそんな太い配線はMPIにはありません。

ところが面白いもので、偶然にも以前に動力に主開閉器をつけたときの契約で、東電の人が来ていて、8スケアの電線持ってないかと聞いたら、うまい具合に開閉器に使うものを3本持っているではありませんか

太い配線の入るコネクターの後ろに小さなマイナスドライバーを挿して貰った電線をくっつけると

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その通りでした!
パワーウインドウも元気に上下します

このA2かB1のコネクターが悪いのです
もはや修理はこの2つのぶっとい配線を直結させることです


急げ修理〜!
次回に続きます

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2021年11月29日

ナゾの故障に侵されたアルファロメオ156GTA その3 原因究明編その1

怪しい部品を高官して、あちこち点検してもライトスイッチONで8Vになる原因が解らない156GTA
家に帰っていろいろ考えました

ヒューズやリレー、アースに問題なく
スイッチやBCMに問題なく
ヒューズから先、ライトユニットにも問題がないのにライトはおろか、ロックもパワーウインドウが満足に動かないとは?
トラブルの尻尾すらつかむ事ができません

アースはみんなそれぞれに違う場所で取っている。
これはライトはライトでトラブルを起こし、その他は別の故障ではないかとふとんの中で考えました

今一度、点検するも特に問題が見つかる事はありませんでした

もう一度配線図を見て考えます

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細かい説明は省きますが、ライトSWを作動させてJ45リレーが働いたときにFコネクターの2に12Vが流れ

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ジャンクションボックスを通過するとCコネクターの5,4から出力し左右のライトが点灯する

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であればF2に強制的に12Vを流せば点灯するはず
Fコネクターは
ちょうどJボックスの裏側です

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ここに12V入れたらヘッドライトが明るく点灯しました!
ヘッドライトだけ

でもこれで、BCMすなわちジャンクションボックスは完全にシロだということが判明しました

となると?
J45に12V供給している87番
すなわちジャンクションボックスのB1に12Vを強制的に流せばライトは店頭するはずです

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B1はメイン電源の1つで6スケアもある太い配線です

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こいつに12Vをじかに流すのです

これ割りと簡単に書いていますが、実際の作業はずっとカールゴッチみたいなかっこで作業しています

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首がズガガ〜ンとなってしまうので続きは次回にしようかな
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2021年11月27日

ナゾの故障に侵されたアルファロメオ156GTA その2手始めに点検編

全くもってナゾの症状を抱える156GTA。

1.ヘッドライトが点かない
2.集中ドアロックが全く利かない
3.リアのパワーウインドウが開かない
書き忘れましたが、わずかに点灯するテールランプ類などもブレーキを踏むとすべて消えてしまう。

そこで、ライトのヒューズに直に12Vを入れるとちゃんとライトは点灯します。
基本の部分には問題がない事がわかりました。

前回、一番怪しかったジャンクションボックス、BCMを外しました。

ヤフーオークションで一番安いものを買って、取り付けて何か変わりがないか点検してみましたが

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なんと全く症状は変わらず。
少しは変わればまた追っていく事もできますが、まーったく変化なし
手当たり次第に交換するわけにもいかないので、サービスマニュアルのCDを引っ張り出してきていろいろ見ていると
ロービームにJ45なるリレーを使っている事がわかり、さっそく点検しますが、位置を割り出すのに時間が少しかかりました

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ジャンクションボックスの脇に2つある上側のリレーがJ45です

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そのリレーの85-86間の電圧を測ると、なんと8Vしかありません。
ナンバー灯や車内灯は後付けでLEDに換装されていて、ハロゲンなら電圧降下しても暗いながらに点灯しますが、LEDは作動電圧に満たない為に点灯しないのでしょう

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ははあ、スイッチで短絡が起きてライトのスイッチをONにすると電圧降下が起きるんだな?
と考えてスイッチを確認することにしました

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エアバッグを外し

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ステアリングからコラムカバーのロアを外し
アッパーカバーの中に仕込まれているビス2本を外します

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裏側に5mmのヘックスで1ほん、バンド状に止まっているので、これを緩めて反対側のかえしを避けるとコラムスイッチASSYが外れます

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さっそく各コネクターに電気を流して真偽を確認します。
ヘッドライトのF3ヒューズにテスト用の電源取り出しヒューズを入れて、コラムスイッチから12Vを直接流して、点灯すればライトスイッチは正常で、点灯しなければスイッチに問題ありとなるのです。

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点かないハズと思っていたスイッチから12V作戦は、ライトが点灯しコラムスイッチに罪がない事が分かりました。

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ライトのスイッチに問題なし
BCMと言うかジャンクションボックスに問題なし
ライトのヒューズから先に問題なし
ライトを無理に点灯させてもP/Wもドアロックも依然不動
ライトスイッチを入れるとそれまで12Vあった部分の多くで8Vに減圧されてしまう。

頭をひねる事態になってきましたよー


To be continued


posted by admin at 21:57| Comment(2) | TrackBack(0) | アルファロメオ156

2021年11月19日

ナゾの故障に侵されたアルファロメオ156GTA

さてみなさん、今宵の皆既月食はご覧になりましたか?
見る見る月が陰っていく不思議な天体ショーでした
雲が多かったのが残念でしたが

自動車にもなかなか不思議な事象があるんです
今回運び込まれたのは156GTA。

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今回の修理とは関係ありませんがグリーンの156は無いのは皆さんご存じだとは思います
これはフィルムです。つまりラッピングってやつですね
余談ですが、このクルマ、以前、元の車体色の時にMPIで修理しているのですよ
機会があったら探してみてください

さて、この156、ユーザーの訴える症状は
1.ヘッドライトが点かない
2.集中ドアロックが全く利かない
3.リアのパワーウインドウが開かない

さすがにヘッドライトが点かないと夜間の走行は危険です。
昼間だけ乗るというのも考えにくいですし

1.のヘッドライト。ライトのスイッチを付けるとどうなるのか?
 1.リアのスモールは少し暗いが点灯する
 2.ナンバー灯は点かない
 3.ロービームは全く点灯しないがハイビームだけは点灯する
 4.車内灯が点かなくなる
 5.ウインカーは正常に点滅する
 6.ブレーキランプは点灯する
 7.走行には全く影響がない エアコンも作動する


他にも多少の症状はありましたが忘れました
ドアロックがらみだし、最初はETACSユニットかと思って、交換したら直るよくらいに思って話をしたら、ユーザーが自分で取り換えましたが、症状が変わらず、さすがに診断機なりで見ないと分からなくなって入庫しました

僕は症状からしてボディコントロールモジュール一択だと思っていました。
CAN-BUSのクルマではないので、ジャンクションボックス=ボディコントロールモジュールです

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たくさんのコネクターが交錯します。ユニットの表と裏にそれぞれささっています。

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ボルトを外して取り外しました。

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中古品を取り寄せたのでリレーを移植します。
その前にリレーを点検します。

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リレーの点検方法は以前にも説明しましたが、85-86間に12Vおw流して30-87間の抵抗値が0になれば正常です。

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リレーは全て正常に働きました。
ではBCMを取り付けます。その結果は....
また後日にTo be continued
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2021年09月13日

The Last saints

長くつらかった階段も最後の階です。今回は作業の最後の2日間です

オイル類を入れます。
リキモリのモリゲン10W-40です。
Mos2の入荷が遅れていた時期の対策に入れていたものです。
これもこれでかなり良いですよ〜
こちらは部分合成油ではなく100%合成油です

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いつもの抹茶色

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画像はありませんが、クラッチのエア抜きをしてバッテリーまで取り付け
これはこれで足がだるい。でもこれも信じられないくらいクラッチペダルが軽くなります。

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パワーステアリングフルードを入れてこちらもエア抜き

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取り付け部分が全て欠損して、なんとか修理をして取り付けたヘッドライトユニット

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遂にエンジン始動です。
全ての苦労が報われる瞬間でした
素晴らしいエキゾースト音に癒されます。

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距離もこういった大きいメンテナンスポイントの時期でした。
1つのクルマに乗り続ける、1つのクルマを愛し続ける。
誰にでもできる事ではありませんが、持っている人しか味わえないビフォア/アフターがあります。自動車趣味の究極だと思います

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さらに作業が続きます。ヘッドライトの固定グロメットも交換。これは国内で普通に手に入ります

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エアコンの真空引きをして
ガスを規定量入れればよく冷えます

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圧力の上がりも吸い込みも良いです。そりゃフィルターまで換えてますからねえ

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では残りの外装を
まずはボンネットフード

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バンパーをつけてもう完成間近

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ライト類の点検。

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ついに完成です。

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夏休みを充てた甲斐あって、素晴らしい出来です

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タイヤを取り付けます。

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8/9から11日を経て地面に再び帰ってきました
今回は二人の技術者がほとんどかかりっきりでした
やっぱりV6だと直4よりかなり作業量が増えます。
V6でこれならV8やV12なんてもっと....

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でもこれで終わりではなく
ここからがまた始まりです。

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あとは車検を受けてユーザーの下に帰って行くのでした
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2021年09月12日

Saint 6 part3

夏休みを賭して行われた156のエンジン修理もぼちぼち終盤
8月の16日、まだまだ世間では夏休みの気分が抜けない暑い日の午後です

エキゾーストが付きました。

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2本頼んでいたO2センサーが来ていなかったり、カムシールが来ていなかったりトラブルもありましたが、どうにか乗り越えて
かなり進んできました

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新しいレリーズシリンダーも付きました

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ドライブシャフトもキレイでしょ?

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そのドライブシャフト、ちょっと面白い部品が入っています。
オレカのドライブシャフトアダプターで、車高が下がった時でもシャフトブーツの負担が軽くなるアイディア商品です。

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エアコンのコンプレッサーも新しい物が付きました。

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残りの部分も急ピッチで進みます。

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それでもボルトの入れ忘れ、締め忘れがないが必ず二人でチェックしながら仕事が進みます

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エンジンサスペンションのアッパーブッシュを交換します

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これも知恵の勝負でうまく、いろいろ道具を重ねて外します
完全に抜けました。

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続いて新しい部品を圧入します

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キレイにできました。

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もうずいぶん出来てきました。

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この段階で次はオイル類、フルード類を入れていく事です。

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でもこの日はこれで終わり。

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また続きは明日頑張りましょう

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2021年09月06日

Saint 6 Part 2

エンジンを載せる時が迫ってまいりました。
でもその前に、まだやる事があります

エンジンマウントのリア側の交換です。
純正部品がまだありました

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取り外してみると驚愕の状態です

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完全に2つになってしまっています。
これは新品を取り寄せておいてよかった....

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もう車体への帰りを待つ状態

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しかし、大事な事を忘れるところでした。
ミッションオイルです。これは普通に75W-90

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デフからドライブシャフトを抜いてしますとATFが出てしまうので先に抜いておいたものです。
入れるところは常識外れに狭く、入れづらい場所にありますので必ず、載せる前に入れないといけないのです。
なのに過去に忘れてばかり...

今回はそうはいきません。
きっちり入れました。

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さていよいよエンジンを釣り上げる準備です
が、連戦の疲労を感じさせるEくんの表情。僕も同じですが

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あれこれ釣り上げる方法を検討したり、あれしたりこれしたり
している間に外は真っ暗。

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上から徐々にエンジンを下げて行って

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下回りのボルトを止めて行ってエンジンを固定します。

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166と違ってエンジンが乗ったメンバーを取り付けするのではなく、エンジン単体を下から止めていくのです。

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先の交換した後側の他、トランスミッションと左サイドメンバーがつながるマウント1つと、右のサイドメンバーと腕のような形のエンジンブラケットに挟まれるようにするエンジンマウント1つ
この3点と上側のブッシュだけです

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ボルトの締め忘れがないかよく点検します。
二人でチェックしあいますから確実に締め忘れは無くなります。

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エンジンが車上に戻りました。
こうして8月13日の夜が終わっていくのでした。

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僕は14日、15日と休みを取って、次の週から再び156です。

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2021年09月01日

Saint 6 Part 1

すいません、操作ミスから不完全な記事を掲載してしまいました。
改めてもう一度

この日はも午前から組み付け。

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エンジンを載せるべくどんどん組み付けます。

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組めるところまで組んでほとんど車上での作業を省きます

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エキマニ周りは特に重要で、車上での作業は困難を極めます

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このO2センサーの交換など最たるものでこういったときに作業するのが必須です

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これだけでもずいぶんエンジンのレスポンスが変わります

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もうほとんど組みあがりました

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デフのサイドシール、反対側は早い段階で交換しました。アウトプットシャフトを外します

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サイドシールのキャリアが丸出し

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取り外すとサイドベアリングが見えます。

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サイドシールを打ち変えて元に戻したあとは

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再度、アウトプットシャフトを叩き込んで完成です

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ここで入浴タイム。電装系や水が入ると困るところは隠して、腰下の洗浄をします

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長きにわたるアカを落としていただきましょう


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バリバリ汚れを落とせます。

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トランスミッションもきれいになりました

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いよいよ次回、車両に帰っていただきましょう

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2021年08月31日

嗚呼タイミングベルト後編

さてすっかり長編になっているタイミングベルト交換ですが、今回は取り付け編です。

タイベル交換時には必須のアイドラーベアリングやテンショナーを取り付けます。

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タイベル短命説は、僕はベルト単体については短期間(3-5年)それほど傷む印象はありませんが、テンショナーやベアリング、ウオーターポンプが音を上げるイメージの方が強いです。
まずはベルトをかけて

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完全なる1番シリンダーのトップを出します。
カムのスプロケットはボルトが締まっていないのでクランクを完全に合わさるまで何度も調整します。

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ぴったりトップが出たら、テンショナーを張ってベルトを完全に張ります
テンショナーにはここで締めろと指図があります。

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テンショナーが所定の位置に来てベルトの張力が正しい事が確認できればカムスプロケットのボルトを締めます。
後に見切れているマイクロゲージの針の位置に注目

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全てのボルトを締めても全く狂いなくピストンが上死点にある事が分かります

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そしてカムロックホルダーとシリンダーヘッドに全く隙間が無い事が分かります。

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メーカーが推奨するベルト交換はこれにて終了
カムロックホルダーを外して、カムヤップを付けていきます。

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手前のバンクも同じく外して行きます

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ホルダーを外したカムにはオイルをかけていきます。

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デビルマンの血液風、モリゲン5W-40

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そして数回転エンジンを回して

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回して....

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再度テンショナーの位置を確認します
ぴったり所定の位置だったので次に進みます。

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タペットカバーです。かなり汚れているので、少しきれいにしてあげます。

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だいぶきれいになりました。

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新しいタペットカバーパッキンを取り付けていきます。

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ちょっぴりベンガラ色をのっけて

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フタをします。

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反対側も....

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フタをします。
しかしこのエンジン、16万キロオーバーとは思えない中身のきれいさですね。オイルメンテが行き届いていたのでしょう

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続いてスパークプラグ

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イグニッションコイル

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大量のボルト

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ずーーーっとカリカリとラチェットハンドルの音だけが工場にこだまします。
だいぶ疲れて口数も減ってきましたでしょうか

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大量のボルトを回し続けたタイベル交換大会も大詰めですね

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オルタネーターもスターターもクラッチもプラグもコイルもタイベルもウオポンもみんなみんな新品です。

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とはいえまだまだ続きます。
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2021年08月29日

嗚呼ウオーターポンプ、もといタイミングベルト 中編

今回はウオーターポンプやシール類の交換です。
画像を取り忘れちゃいましたが、ウオーターポンプは2分割になっていて、上側はフタのようになっていて、パイプがささり
そのパイプは一路エンジン反対側のサーモスタッドハウジングに向かう構造です。
余談ですが、この上のフタの形状が違うだけで、155も166も147もウオーターポンプそのものは同じです

各種シール類を先に交換します。

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カムシールを交換します。他にもくたびれたテンショナーなども同時交換。二人で作業していますので4本の腕が交錯します

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4つとも外しました。

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ウオーターポンプも外れて

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カムシールも新品になりました。

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逆も。貴重な純正品を使いました。
部品販売店の手違いで部品が届かなかったのです。こういう時に夏休みとかの長期休暇は困りますね。
たまたまセットで純正品を持っていたので、助かりました。

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お次はクランクフロントシール。
既に外れています。

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こちらも新しくなりました。
先にミッション側のリアシールを交換してありますので、これで当分オイル漏れの心配はなくなります。
FF車になり、エンジンは横置きでもこちら側はフロントシールとはこれ如何に

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くたびれて煤けたシリンダヘッドをきれいにしてアルミのきれいさを取り戻しました

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先に紹介したサーモを繋ぐパイプを取り付けます。そこにはOリングがそれぞれの端に2本ずつ入ります。
156はこのパイプの前すなわち、ウオーターポンプの間に太いサイドメンバーが来るために抜くことができず、W/P側は交換できてもサーモ側は交換できません。もし車上でこのOリングを交換する際にはサーモハウジングを取り外さねばなりません。
今回はエンジンが単体で作業できるので千載一遇の交換のチャンスです。

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こちらがW/Pの上側のフタの部分。先ほどのOリングのついたパイプが入る部分

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ウオーターポンプにガスケットを付けます。

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どちらもガスケットを軽く接着したら取り付けます。

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新品のウオーターポンプがまぶしいですね

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ウオーターポンプ周りが完成しました。
なんかプラモデル作っている番組のナレーションみたい。

続きは次回。おたのしみに!

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2021年08月27日

嗚呼タイミングベルト前編

今回は降ろしたV6エンジンのタイミングベルトの交換を追います

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毎度同じような画ですね
でも今回は様子が少しだけ違います。

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今の時点で1番のトップは殆ど出ています。

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しかし... ジグが合わないのです

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微妙ではなく

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前後のバンクそれぞれに結構ずれています

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特に奥のバンクのインテーク側はボルトが入りません。
今時珍しい盛大なずれ方ですが...
何か事情があったのかなあ?

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仕方ないのでなるべくボルトを入れて固定するだけ固定して、カムスプロケットのボルトを緩めてジグの示す正しい位置に調整します。

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テンショナーを緩めてベルトを外します

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それぞれが正しい位置に収まりました
僅かな狂いでも走りにはそれなりの影響があるでしょう

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V6はタイミングベルト神話があって、5年とかさまざまなうわさが飛び交いますが、まずは基本的なカムの位置や調整をしてもらえるよう考えないといけません

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ではベルトを外して、こちらも長年使った部品に別れを告げて新しい明日を迎えられよう整備してまいります

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4つのカムシャフトスプロケットを外しました

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そしてここまでストリップダウン

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黒いバックプレートを外しました。
これを外さないとウオーターポンプ上側のボルトが外れないのです。

つまり、ウオーターポンプを交換する際はここまで分解しないと交換できないのです
話は堂々巡りになりますが、この状態まで分解するにはカムをロックさせる工具が必要になります。
カムのロックには1番の上死点をしっかり見極める必要があります。
どれをないがしろにしてもいけないのです。

と言う事で続きはまた次回

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2021年08月25日

他の所もキレイにね

エンジン修理の合間に関連部品の整備を進めていきます
まずは曇りがひどかったヘッドライト
レンズ内部まで曇るとさすがにきれいにはなりませんがベストは尽くします

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サンドペーパー400番で水研ぎ

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その後600-800-1000番と番手を上げて
最後は1500-2000-3000番とペーパー目を消して

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塗装工程に進みます

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ディグリーサーは脱脂です。

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さらにアドヘッションプライマーで完全な密着を保証させます

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画像ではわかりにくいのですが、かなり白く濁ります

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そしてクリアー層に参ります


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2液型なので、缶の底のピンを完全に押し込んで主剤の中に硬化剤を入れます。
さらに長く振って各藩させてしゅーっとやります。
この2液混合の缶スプレー、スタンドックスでは古くからそのような商品を見たことがあります。
最大の難点は、硬化剤と反応させるために1回ミックスすると2度は使用できないので、使い切れない場合少々もったいないことですね

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塗装を強制乾燥させている間に、カエルを捕まえたので、しばしカエルと戯れて焼き上がり時間を待ちます

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焼きあがったレンズ。それなりにきれいになりました

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もう曇りは心配しなくて大丈夫でしょう

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さらにエアコンのフィルターも交換します。
エアコンフィルターと言っても車内のキャビンフィルターではなく、コンデンサー側のフィルターです。

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キャップを外しますと
サービス用のボルト穴が出てきますので、Cクリップを外して

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中身を引き抜きます。
このマテガイみたいのがフィルターです。

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かなり汚れています。おそらく、まず今日まで交換されなかったであろう部品です。
地球を3周するほどの距離の走行を支えてきた部品ですから、コンプレッサーが刷新されと共に新しいものに交換します

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新旧交代の時期。

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再びライトに戻って
ハイビームとロービームの色が違うと車検に受からないので、白いバルブに交換します

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もはや少数派になった感さえあるハロゲンバルブのH7

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折れていた取り付けの為のタブなどを修理して出来上がったヘッドライト。
さて無事に検査に受かると良いのですが

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2021年08月23日

Clutch dismantle from a fugitive engine 2

今年のルマン24時間レース
フェラーリAFコルセ強いですね。
まだよく見てないけど夜に入る前は2台で仲良く走っていました、GTE-Proクラスの。

そのDay2の後半戦

シール類を交換しないといけません
この回ではクランクリアシール

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前回に大写しになった古いリアシール。クルマが古くなるとどうしてもここからのオイル漏れが激しくなります。

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これが外したところ。エンジンオイルは抜いてありますので出てきませんが、入っていたら結構なことになってしまうでしょう

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シールを手で当てて

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ハンマーでたたき込みますが、これが意外に難しいです。
多少なりともテーパーになっていたりしまうから、真正面から入れると言うよりあえて斜と言うか飲み込ませる要領で打ち込みます。

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慣れている人はすんなり。
しっかり合わせるために、さらに打ち込みます。

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完成。

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早速フライホイールを取り付けます。

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デフのサイドシールは前回の通り

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ミッションを準備します。

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順風満帆に見えますがここからが大変でした。
メインシャフトはクラッチのスプラインにきっちり合って入ります。逆を言えばほんの少しでもずれていれば絶対入りません。

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何か日の傾き具合が大変さを物語るというか
ちゃんとしたクラッチのセンター出し工具買おうね
二人ともすっかり腰が痛くなってしまいました

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しかし、ミッションがくっついて、レリーズ(スラスト)ベアリングをプレッシャープレートに挿し込んだ時の爽快さは何とも形容しがたいものがあります。苦労すればことさらですね。
こうしてDay2の日の夜は更けていくのでした。

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2021年08月22日

Clutch dismantle from a fugitive engine

エンジンを外しての整備いろいろの156GTA
不滅のブッソV6ですが、お疲れをいやしてあげましょう

エンジンの取り外しの疲れも癒えぬ翌日からクラッチ交換です

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車両奥側のエキマニを外すのはその向こうのスターターモーターを外す為です

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外す理由はこのスターターモーターボルトがトランスミッションも止めているからです。
逆を言えばこのスターターモーターの車上での取り外しは絶望的に難しいのです
オルタネーターも何度も書いていますが、こんな時でないと交換することが大変だからです。

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この後ボルト各種とレリーズシリンダーを外してトランスミッションを取り外します。
レリーズシリンダーも消耗品で、フルード漏れの温床なのでこの際に交換してしまいます

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ここまでは、さも簡単に物事が進んでいるように見えますが、目もくらむような気温の中で作業をしています。
エンジンの汚れ方やクラッチのレリーズベアリングの汚れが時間の経過を物語っています。

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早速プレッシャープレートを外していきましょう

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外れたクラッチ

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クラッチ板はかなり摩耗しています。

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フライホイール。166はダンパー付きですが、156は漢のベタ付けです

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フライホイールを外すとクランクのリアシールです。

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下の方にオイルがにじんでいるのが見えます

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ね?暑そうでしょ

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続いてクラッチのレリーズ周り。トランスミッションのオイルシールを交換します。
長きにわたり愛されるクルマはできるだけオイル類の漏れが無いようにしたい一心です

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通称、天狗の鼻などと言われるミッションのシール
滅多に換えることはありません

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しかし新品が出ました。一時期入手できなかったと聞いた純正品でしたが...

しっかり取り付けて


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グリース類はワコーズを使っています。

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レリーズフォークとスラストベアリングそれぞれに違うグリスを塗ります

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この間までは汚れがあまりにスゴイのでキレイにしました
せっかくきれいにしたのになんでかクラッチ板を刺した状態の画像しかないのが悔やまれます。
一番見せたいところが隠れとるやん

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ミッションと合体する前にデフサイドシールの片方を交換します。

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なんか汚く見えますがこれ新品

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Day2の前編、後編に続く

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2021年08月21日

Is this love

今年の夏はエンジン降ろし祭りで、文字通りHotな夏になりました。
147に続いて156GTAを降ろします。

こちらも愛のあふれるユーザーさんの許でメンテナンスを受ける156GTA
今回は16万キロを過ぎて悪い所の総ざらい

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アンダーカバーも巨大な金属製
尤も入庫歴の多いクルマで過去にこのブログでご覧の読者さんもいるかもしれません

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バンパーを外してライト類を外して、どんどん分解が進みます。

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もう少し分解したところでお昼ご飯に出かけます。
この日、オリンピックの閉会式で本来平日だった日ですが、祭日になった日です

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再開します。ボルトオンのコアサポートを外してクラッチオペレーティングなどの側を担当します

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LLCを抜くEくん

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GTAはV6でしかも6速なので、サイドメンバーフレームの間だけでは収まらず

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ミッションのリアケースがはみ出ています。僕らのエンジン降ろしのトレンドで、サイドメンバーと足回りはそのままでエンジンを降ろすというのがあるのですが、今回はこのミッションのでっぱりに泣かされます。
真っ直ぐ下におろすとエンジンクロスメンバーに直撃してしまうので、一度エンジンミッションを前にずらしながら降ろすことになります。作業する前から激しい作業が予想されます。

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ラジエターやコンデンサーも外して

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改めて見るエンジン正面。タペットカバーからのオイル漏れが堆積してかなり激しい汚れとなって張り付いています

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またクランクのリアシールや上からのオイル漏れがこちらも汚します

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エキゾーストやパワステのパイプを外して行きます。

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オイルは走行風によって各所に運ばれますからあちこち汚れます。

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かなり見通しが良くなってきました

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基本的エンジンを外すのは、ラジエターやヒーターホースなどの水関係、配線配管関係、ガソリン配管、エアコン、パワステ、トランスミッションコントロール、クラッチオペレーションと順序だてて取り外せば最後にはマウントを外して降ろすことができます。

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メインイベントも近くなってきました

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一度持ち上げて外し忘れが無いか確認して見ます。

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よくよく確認します。ア−ス配線1本でも残れば降ろす際に危険をはらみます

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各所点検します。

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問題なければチェーンを張ってエンジンミッションを車体から外します。

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車体から外しながら、エンジンクレーンを車体前方向に動かします

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すごい画です。エンジンの位置に注目

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車体を上げたりして完全に分離させます。
この後、エンジンを台車に載せていきます

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完全に分離しました。

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ここは地獄1丁目、これから夏休みを賭して暑い気温の中で行うアツい仕事
この日からつきっきりで作業を行います。

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朝から作業してやっぱり8時近くまでの作業でした
このようにダイジェストにすると簡単そうですが、さすがにV6は思い通りに行かないですね
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2021年05月23日

アルファロメオ156GTAの修理

そして部品にはいつも泣かされる時代の156GTA
オーバーヒートでレッカー入庫です

水周りに泣かされるクルマです。

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本当に美しいV6 3.2L
オーバーヒートの原因はラジエターロアホースにあるようで、順番に分解して交換します。

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ダクトを外しバッテリーを外します。

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バッテリーにはHKSのアルファロメオ用のアーシングが付いています。
なかなかよくできた部品でさすが、HKSと唸ってしまいます。

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バッテリーを外してトレイを取りはしますと

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小さな四角い小窓があるのが分かります

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クラッチのエア抜き用のブリーダーがあります。
クラッチマスターシリンダーなどクラッチの油圧ラインを何か修理した場合にここからエア抜きをするのです

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おおよそそっくり外れました
でもまだまだ分解は続きます。

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エアクリーナーボックス。これも単体で外すのが意外にホネでして
返しをうまく抜くのが最大のヤマです

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全て外れてロアホースが露出しました。
当然サーモ側はバンドですが、ラジエター側はクイックカップリングです。
そこのOリングが抜けない抜けない。ラジエターが壊れませんようにと、おまじないを唱えてぶっこ抜きます
のーまくさんまんだあ

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抜けたホースです

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ご覧ください。とんでもないことになっています。

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亀裂は先の方まで行っています。なんでだろうー?

そしてこの聖なるロアホースを交換します。純正の新品です

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ちなみに156のV6には2種類のロアホースがありまして、60685102と60689794なのですが
全車は2.5、後者は3.2で、3.2の方はまだ純正品が手に入るようですが、2.5は手に入らなくなっています
リプロダクトされたものがありますが、さすがに社外品だけあって、大変クオリティが低いです
あるだけマシ的な感じ。
昨日の話ではありませんが、3.2は純正品が手に入るのでありがたいですねえ

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どんどん組み付けて行きます。

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大事にされているのがひしひしと感じます。

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サブタンクも取り外してきれいに洗って冷却水を入れます。
エアが大変抜けにくいので、試乗と様子見はすごく大事です。

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完成後も数日間は水位を注意深く見てから納車しましょう

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2021年04月01日

アルファロメオ156のクロスオーバー

4月に入りました。暖かい日が連続して、春を実感する日が続いていますね。
心も新たに新年度も頑張っていきましょう。

先日、輸入する部品をe-perで選んでいる最中にCrosswagonと言う表記の部品が出てきました。
そんなの聞いたことが無いので、調べてみるとありました!

Alfa_Romeo-156_Crosswagon-2004-1600-02.jpg

いやあ、知りませんでしたわあ。後期のみの設定
ヨーロッパはこの手のクルマ好きなんですねえ
スチールアンダーカバー付きバンパーが泣かせます

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横から見た絵は色も相まってボルボのXC70みたい

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調べてみると、このクロスワゴン、150馬力1.9Lのディーゼルエンジン一択で、モノグレードみたいです。
トルセンセンターデフ付きの4駆でかなり楽しい走りができるようです


おーっ! 日本の156からは想像もつかないトルクフルな印象
他にもジムニーのように使う動画いっぱい出てきました。


日本でみるとそうは思わないのに、ヨーロッパで走っている画像見るとかっこよく思えてしまうのはなぜ?

おそらくはライバルであろう方々

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スバルのアウトバック
日本にはなかなかあんな走りさせるところないもんなあ

大本命のボルボXC70

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僕はこれも乗りたいとは思わないなあ...

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もうなんでもクロスオーバーにしちゃう感のあるポロクロスオーバー

いや、実際の所、乗ったことが無いので乗ったらスゴイ良いのかもしれませんが。
しかし、156。レースカーからオフロード四駆までなんと幅広いラインナップ。
機会あらば1度本物見たいですね

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2021年02月26日

アルファロメオ156 V6 リネアロッサQシステム

アルファロメオ伝統のV6、最後のEURO3をクリアした最終のユニット
それなのに簡単にすっ飛ばせるアイシンのフツーのトルコンATと合体した、Qシステム

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オートマと侮ることなかれ。伝統のV6+ハイギアードの4速ATで時速80kmまではかなり暴力的な走りをします

いやあ、この音、この軽さ、この速さ、そしてこの大きさ。やっぱり156って名車だと思います

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今日はオイル交換と思ったら
もうパッドが交換時期

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みんなパッドが薄くなっています

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あれあれ? グリスが出ちゃってます。
ブーツはどうやったってダメになってしまうのですよ

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オイルはMos2、またまた楽しく走れちゃうもんなー

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2021年01月03日

アルファロメオV6の冷却水漏れ修理

アルファロメオのV6で多い冷却水漏れ
サーモスタッドケース周りのトラブルが多いです。
昨年の暮れに修理した156フェーズ1

昨年末になんだか冷却水が減るという事でオイル交換の際に加圧テストから、ラジエターロアホースに問題が発覚
ストップリークを入れたらとりあえず止まったとの事で後日入庫となったのでした

なにしろ156のロアホース、あまり良いのが国内にないので海外から取り寄せました

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ところが入庫の際にユーザーからサーモケース付近からも漏れがあるようだと。
確認すると確かにパイプ付近に乾いたLLCの跡がありました。
じゃあ、それも含めて作業します

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インテークチューブを外します。

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なんちゅースロットルボディだ!!
外して清掃したのかな??

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各種水温センサーやノックセンサーのコネクターを外しまして

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これがサーモケース。アルファロメオはサーモスタッドはこのやかんのようなケースアッパーごとの支給です
ちなみにこれも交換します。どうも走行中に水温が下がるとの事で
確か、タイミングベルト交換時に交換したような...

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このサーモケース、ちょっとやそっとじゃ外れません。
ツープラトンでウンウン言いながら外します。

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ケースが外れました。このように書くと一瞬ですが結構大変

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おそらくは新車として世に出て初めての状態

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もはやOリングは完全に役目を終えてゴムとはとても思えない状態です。
外すというというより、パリパリしたのをはがしている感覚

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ここのOリングは特注で作りました。もちろん日本製。

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20年以上の時を超えて交代するOリング

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もう平らになったまま戻りません。ちなみにラジエターストップリークはこういったカッチカチになったOリングをふやかして、再び右のOリングのようになってもらうお薬です

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とはいえ、ここまで劣化が進むと逆に漏れがなくなって圧力が上がった際に損壊してしまうことが度々あります。
漏れ止めには、あくまで応急処置で早めに整備工場で修理してください。なんて文言が踊ります。

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取り付け部分はキレに清掃します

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サーモケースもサンドペーパーで整えます

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新しいOリングを装着。黒いパイプはウオーターポンプからきているパイプです。
反対側はタイミングベルト交換時にOリングも交換しています。
166はウオーターポンプを外すとこのパイプも外れるので、その際に交換しますが156は太いサイドメンバーに阻まれて簡単には交換できないのです。

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長くパイプがくっついてたところには段差のような水垢があったので、それもキレイに削ってOリングの当たり面を整えます

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作業はさらに続きます。今度はラジエターロアホースを交換します

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リレーやらバッテリートレイなど

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クラッチのレリーズシリンダー丸見え

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左が純正、右が輸入した社外

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これがかなり心配。手はいるものがほとんどないのでやむなしか。
純正もこの接合部分から漏れました

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ラジエター側は例のワンタッチカプラーになっています。
ぱちっと入ったのでラジエターは純正か!?

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まずは水漏れ修理でした

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2020年08月27日

誰がためにホーンは鳴る

先々月に引き渡した最終の156リネアロッサ
納車早々からホーンが鳴らなくなりまして。
さすがにそのままでと言う訳にもいかず、作業します。

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まず、大前提としてヒューズが切れていないか確認して
次に12Vが来ているか測ります。この156、20Aと意外にデカイ電流値のヒューズを使ってます。
次にリレーを確認。86-85間に12Vを入れて30-87間の導通を確認して問題が無ければ次のステップへ
エンジンアンダーカバーを外してグリルを外して、バンパーを外して、ホーンに12Vが来ているか確認します。
すると、ここには12Vは来ておらず。

そもそもホーンボタンを押してもリレーもカチカチ言わないのでどうしたもんかな〜?と思っていたら
1度だけプッと、わずかにホーンが鳴りました。
まるでクルマが「しまった」と言わんばかりに本当にわずかにです。

この瞬間にスパイラルケーブルかその周辺のものと断定しました。
取り急ぎエアバッグから外していきます。

ハンドルスイッチのジャンクションを外して

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ナットを外してステアリングホイールを外します。

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ステアリングコラムロアカバーを外してスパイラルケーブルASSYを外します。

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これがホーンボタンから車体とホーンとの間の配線になるので、ここから先には問題が無いという事になります。

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点検方法は簡単。本体側コネクターの接続ピンと

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ハンドル側コネクターのピン、1本1本導通を確認して通電しないピンがあれば、スパイラルケーブルASSYを交換します。
これは結構骨の折れる単純作業ですが、こういった地道な作業が結果を生むのです。
しかし残念ながらすべてのピンで導通がありました。
これでスパイラルケーブルに問題はないなと

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この電極部分を使うとやりやすいです。
しかし、今回のトラブルの大本命が違ったという事は他に?
何かあったかな?と思ったら、さっきのステアリングスイッチのジャンクションユニットがありました

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今度はこちらのコネクター1つ1つの導通を確認します。
こちらは簡単です。ホーンボタンからの線、赤黒の線を中心にして、コネクタ側のピンを1本1本見ればいいのです。
すると、ビンゴでした。1本導通がありません。赤い線です。

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基板を裸にして、赤いリード線の良く先を見ながらどこまで導通があるか追いかけます。

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もちろん、目が悪いので拡大鏡を見ながら作業します。

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するとわかりました。この000が原因です。
この先と前とでは導通がありません。地道な作業が実を結んだ結果です。

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早速修理します。

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画像だと判り辛いのですが、この基板の実装部品はかなり小さいのです。

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見えますかね?3mmあるかないかです。

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全部ハンダで埋めてしまえと思いましたが、きれいにハンダが乗らず急遽代役を立てます。
ホッチキスの針です。これを1本切ってハンダ付けします

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こんな感じになりました。少し汚いのはご愛敬。

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導通も戻りました。


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組み込んで、ホーンが鳴るのを確認したら組み付けて試乗します。
ハンドルセンターを合わせたら、診断機でエアバッグの警告灯を消して、本締めして各種部品を戻して出来上がり。

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やっと終わったぜ ベイビー!

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2020年08月16日

なかなかうまく行かない156の風量アップ作戦

7/26のブログで書いたアルファロメオ156のエアコンでどうして効きが今一つなのかを書きました。

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で、自分的に「これなんじゃね?」と言うアイディアがあったので早速試案を試すことに。
よくよく高さを調べて、塗装のテストピースで作りました

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ちゃっちいですが、効果が認められればプラ板か塩ビ板でしっかりした物を作ろうと意気込んで作業して取り付けると....

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ぶっちゃけ、もらったんじゃね? と思っていたのですが。えー、効果は全くなく、希望や自信は脆くも崩れ去りました。
全く風量が変わらなかったことには残念とかの思いなど通り越して笑ってしまいました。
♪ぼーく、ぼーく笑っちゃいます、こらえきれずに〜♪

では何か違うスキームはないかと頑張ります。

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まー、考えることは同じですよ。やっぱりアレを試してみたいのです。

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ルーバーとデフューザーを切り離します。

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隙間を埋めるスポンジテープを外しますが、これはもうポロポロと砂のように崩れるだけで貼りなおして良かったとなるでしょう。10ポイント!

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さらにばらすとこのように網だけになります。ここで何をやりたいか、大体察しは付きますね。
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ここからも冷気を出せるようにしたいのです。

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よーし、待ってろよ〜。3mmくらいのドリルで穴をいくつか開けて、やすりで横長にすればOKだろ

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でもこれに穴をあけて、やすりで擦るには表の見える部分がギタギタになるのでは?

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でも後ろ側は簡単だなあ。適当にくりぬいてしまえばOKだろうと。

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工場の中で作業をしようと改めて見ると、吹き出し口のちっさい事。あり得ないくらい小さい。
しかもこんなに上手にルーバーを削れっこない事は誰の目にも明らかです。
これに手を出してはいけない。そう思って諦めました。

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続いて着目したのは、これまた意味不明な仕切りです。
真正面がダメなら上から出る風の多さに期待します。プラス10ポイント

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まずはエアソーで粗切りして

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ベルトサンダーで均します。

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結局、くたびれ儲けだった部分は元に戻してシールテープを貼りました。

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では合体して効果のほどを確認。
ここからは世界の果てまでイッテQのお祭り男の実況アナウンサー 蛯原哲風に
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本日期待の大一番がやってまいりました!

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早くも取り付けてその時を待ちます。
さあ期待の吹き出し口(改)の様子はどうだあ?
スイッチオンで行ったー!!

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あー! なんと!!それほど変わりません。

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前も上も加工前と大して変わらないように感じます。
早くもMPI敗れ去りました!

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せっかくいろいろ作業したのに惨敗を喫しました。
残念ながら基本設計の厚い、厚い壁が立ちはだかりました。
これには作業者がっくりです。

それではみなさんごきげんよう、さようなら。

とまあ、なかなか上手く行かないものですねえ。
顔を洗って出直しです。
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2020年08月06日

アルファロメオ156 2.5 V6 24Vのタイミングベルト交換の組み付け

やはりエンジン内は実にキレイだった156
分解した逆でどんどん組み付けます

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エアコンの効きが極端に悪かったのはコンプレッサーの高圧側の圧縮不良が原因だったので交換します。

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SD7V16 1120 欧州車に定番のコンプレッサーです。ただ、仕入れるたびに高くなるような気が。
先に言っておきますが、ヤフオクなんかで売っている物は基本的に信用していないので使いません。なにしろヤフオクなんかで販売している金額より仕入れ価格が高いです。
でもね、ヤフオクで販売するのも結構ですが、商品に自信があるなら有店舗で、対面販売でエンドユーザーではなく業販すべきでは?なんて昭和な事を思うのですよ、僕はね。

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ウオーターポンプも当然交換。これを交換しないと意味が無いです

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どんどん組み付けて、ウオーターポンプを汲んでバックプレートもくっつけて

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新しいタイベルとテンショナー、そして取るのに難儀するアイドラーベアリング

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イグニッションコイルとプラグも交換します。

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誰かの合いマーク。僕らには関係ありません

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アイドラーベアリングが強く押します。ここのボルトが硬いのですよ

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そして一番奥のスプロケット。これは166の方が狭いかなー?

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このように組み付けられていくのです。

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続いてオイルフィルター交換。

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これも恐ろしいまでに大変な作業。誰が考えたのでしょうか?こんなレイアウト
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オイルはモリゲン。モリゲンと言うと日本語みたいだからか、最近モリジェンって書いてあります。
これ、強力に長持ちするんですよ。交換したときの印象はMos2の方が好きなのですが、このオイルは実に長持ちします。
なかなかダレてこない。値段も少し下がってMOS2と変わらないです。

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エアコンのシステムを真空引きします。

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もう出来上がりはすぐそこです。

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タイミングベルトはそれほど極端に短いスパンで交換する必要はないと思います。
しかし、気持ちよく回して、アルファロメオらしく走りたいときに、タイベルを心配するのもいかがかと思います。
そこで1度、リセットしておけば少なくとも5-6年は心配なく回せます。

この156は平成10年なので22年前のクルマです。
もちろん、今のクルマのようには到底行きません。故障もしますし、部品にも苦労します。
22年の時間は等しく流れているので優しく扱ってあげないといけません。

でも間違いなくクルマを運転している一体感は今のクルマよりはるかにあります。
車庫に佇む姿を見て。反射鏡に映る自車を見て、軽いワインディングを楽しく流す
生活の一部には必要ないかもしれませんが、生活を豊かにするエッセンスはあると思います。

自動車趣味って、そんな実用性から離れたちょっとした非日常を楽しませてくれる事なのではないかと思います。
そんな自動車趣味の一助になれればなー、なーんて思ったりもします。
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2020年08月04日

アルファロメオ156 2.5 V6 24Vのタイミングベルトのセッティング

ばりばり作業中の156。低年式の極初期の物でありながら、短い走行距離、抜群の程度のレア物の中身はどうなっているのでしょう。タイミングベルトの交換の作業で見てみます。

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もう僕らも果たして何台のV6をばらした事か。
それでも毎度、新たな発見が見れて愉快なクルマです。

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全てはサージタンクの脱着から始まるのです。

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156はフレームとの隙間が狭くなかなかいい道具が見つかりません

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近いうちにまた違う極短のソケットを仕入れしますので、もう少し楽になるかなあ?

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悪魔の鉄パイプでお仕置きだべー の巻だコロン

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で、1番の上死点を確認。

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この時点でほとんどトップを確定させておきます。

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位置さえ決まれば、ベルトを外して各パーツを外して行き舞うs。

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スプロケットにバックプレート。バックプレートまで外すのは?



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ウオーターポンプの上側の蓋みたいな、サーモに続くパイプに水流を変換する部品のボルトたった2本を外す為だけに外します。

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156はとかく何をするのも難しいです

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下回りも北の方にあったとは思えないくらいキレイ。サビもありません

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赤い棒ライトの脇のエンジンマウントが極端に手に入りにくいマウントです。

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ボルトを入れてカムロックを締めこんだら、スパークプラグを抜き。

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完全なトップを確定してベルトを張ります。

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マイクロメーターの針の動きを見ながら、正にテッペンを目指して作業するのです。
2-3回でうまく行きます。もちろん、大きく動かしますとピストンはバルブと衝突しますから、先に決めたように予め、おおよそトップを出しておくのです。

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 次回組み付け編です。
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2020年07月26日

エアコンのナゾに迫る

結局世間で言う4連休は木曜だけ休んだ以外は全部仕事をしてしまった。
まー、こんだけ雨が続くとおうちの中でやることなど知れていますからねえ

以前からエアコンの効きが良くないと言われるアルファロメオ156。
どこに問題があるのか気になっていたので、今回シルバーの156でちょっと検証してみます。

いくら20年前のクルマでも新車の時からエアコンの効きが悪ければ問題になると思います。
尤も156をはじめ、アルファロメオは効きが甘いだけであって、決して効かないわけではないのです。特に1人で乗っている分にはそれほどでもなくフル定員だと余りよくないと・・・
基本的に故障ではないのですが、本当はもっと寒くなってもいいのでは??と

感覚としては効かないというより、冷たい風の量が少ないといった感じなのです。
当然、冷たい風が少なければ車室内の温度を下げることができず、効きが悪いとなるわけです

まず、ブロアファン周り。特にファンやレジスタに問題は無くブロアファンは全開で回る事ができてここに問題はありません

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続いて配管やエアコンユニットのケースに漏れはないのかと調べていくと
本来3連メーターがつく後ろあたりに冷たい空気が漏れている場所を発見しました。
でもこれだけで効かなくなるかなあ?的な感じ。

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吹き出し口を外して確認しますと、噴出し口には問題はないのですが

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外した状態でエアコンのスイッチを入れると大量のエアフローが確認できます。
おお、これだよこれだよ〜。少しそのまま様子を見ると窓ガラスの外側がすぐに結露し始めます。
冷たい空気を作ることは間違いなく完結しているのです。

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中を覗き込むと風向を変えるフラップが見えます。そして画像手前の何か引っかかるかのうような窪みから冷たい風が漏れているのが解りました。これだけ大きな空間があるにも関わらず、どうして出てくる風が少ない?

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秘密は吹き出し口にありました。
冷たい風が出てくる穴はこのルーバー全体と同じ位の大きさなのに

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ひっくり返すと外に向かって出る部分の大きさは半分にも満たないのですよ
じゃ、どうして半分しかないかと言うと
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よく見ると、この穴の中は左右に穴が開いていて、左右のルーバーに冷たい風を逃がす仕組みになっているのです。
結構な行き当たりばったりな造りですよ!上から出る空気は、できらなければ横からも出るだろ?的な考えです。
これでは日本の夏は厳しいのでは??

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実際には大量のエアーフローは上側の吹き出し口にぶつかり、小さすぎる吹き出し口に殺到して逆戻りをするような状況になっているようです。不思議な事に横にはそれほど風が行かないのです。説明が難しいですが、せっかく作った冷気は行き場が無くなりエアコンケースを冷やし続けるのだと思います。

だからいつかは効いてくるのです。
ちょうど別の作業をしている147を覗いてみると

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大きなルーバーですね。156と違いデザインは平凡ですが147はしっかり冷えます

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外して見ると実はそれほど吹き出し口につながる部分はそれほど大きくないのですが

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しかし! よく見てください。エバポレーターから来た配管と、吹き出し口から来る接合部は実にしっかり嵌るように出来ているのです
だからエアの漏れはないので、完全なる冷気は確実に吹き出し口から出せる仕組みなのですね

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ちなみに、中期以降の吹き出し口の真ん中に液晶のあるモデルでは吹き出し口の接合部の大きさがかなり改善さえれましたが
やはり冷えるにはもうひとつパンチが足らず、147方式のようなエバから直接、冷気を送り込むというのが良いようですね
おそらく156はデザインに懲りすぎてしまったのかもしれません
構造的に多少問題があるのかもしれません。147のをヒントに何かできないか考えたいところですね
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2020年07月25日

アルファロメオ156がざっくざく

現在作業を進めている156と同時期に、全く同じ型の156をお預かりしていました。
E-から始まる型式の2.5のV6の物ですが、わずかな時間の差で、左のシルバーのはキーレスの無いタイプのカギで
右の黒いのはキーレスリモコンの付いたタイプのカギです。

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とはいえ両車に違いはなく同じような時期に造られたクルマです。
この黒い方の156はエアコンのブロアファンが時々動かなくなって困っているとのことで預かりました。
このブログの読者の諸兄はこれを読んで、ははあ、レジスターに違い無いと踏んだでしょ?
どうもそうではないのですよ。
聞くところによると、動かなくなった時にはレジスターに12Vが来ていないとユーザーの方が自分で検電したそうです。
レジスターは大きな抵抗で、風量調節によって通す電圧(もしくは電流)を変えて室内のファンスピードを調整している物です。
よく過電流により焼き切れてしまう部品で、ドイツ車では一時期よく交換しました。
ところが、レジスターがやられれば手元までは12Vなりが確認できるはずですが、そこに電気が来ていないとなると
ヒューズかリレーと考えるのが普通です。
配線図を追いかけてみると、リレーが一つあります。
しかしその前に、実際に動かないときに検電して電気の流れを見る必要があります。

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しかし... 預かった翌日から毎日、キーを挿してエンジンをかけると、その瞬間からためらうことなくビューンとファンが回転します。1週間が矢のように過ぎて、10日も過ぎてあっという間に2週間が過ぎても、ファンは回り続けました。
症状が出ないのに当たりをつけて交換する事もできないので、結局、お返しすることになりました。

こういうトラブルは極寒、酷暑の時期に出てそれ以外には発生しないケースが多いです。
しかし、酷暑でエアコンが回らなければ地獄の沙汰です。
勘所を教えて出庫しましたがその後どうなったかな?

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この週は156の来店が多く、いつものお客さんもオイル交換に来ていただきました。

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しかし、何より驚いたのは、黒い156のお客さんのケータイの電話番号が、むかーし付き合いのあったお客さんの電話番号と同じだったことです。
つまり、そのお客さんがその電話番号を手放した後、この156のお客さんが契約したんだと思います。


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2020年07月24日

カバーと言えども

先日成約いただいた156の作業がいろいろ行われております。
同じボディカラーの166と1枚パチリ

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助手席側のエアバッグの蓋が浮いてしまって、パカパカしていまして
それじゃよろしくないので修理します。この症状は156でよく見るトラブルです。

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これはカバーを止めているクリップの破損によるもので、このクリップの交換で直ります。
別にエアバッグが発射してしまったわけではなく、どうやら熱歪によってクリップが割れてしまうようです。
熱のチカラもさることながら、クリップを引きちぎってまで歪もうとするカバーもスゴイ。

クリップが残っていますが実はカバーの取り付け部分に残骸が残っているのです

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見ての通り、クリップはすごくガッチリ ダッシュボードに嵌っているのですが
衝突の際に簡単に蓋が取れる仕組みなっています。つまりクリップの首の部分が細くなって断裂しやすいようになっているのです。確かにここが硬かったら、エアバッグが飛び出る際に真っ先に顔にカバーがびたーんと飛んできて、すぐにそのあとエアバッグも飛び出してくるツープラトン攻撃に遭ってしまいます。

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クリップを入れ替えてしっかりはめ込みますが、クリップを割るほどのひずみですからあまり座りがよくないです

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こればかりは直しようがありません。

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こういった強度不足などはアルファに限らず、自動車あるあるなのです。
とりあえず発売してから、途中で仕様変更したり、次年度以降に対策された部品を使ったりします。
特にイタリア車は前期後期で極端に違いがあったりします。
166は途中から別の車としても良いのではないかと思う程。
マセラティも先代、先々代と結構な違い。
フィアットもプント、ムルティプラと枚挙に暇がありません。

そういうもんだと言われればそれまでですが。

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2020年07月03日

成約御礼 アルファロメオ156 2.5 V6 24V

以前、もう156や147、166などの時代のマトモな物は手に入りにくいと書いたことがありましたが、今回とてつもなく珍しい物を引き当てたお客さんがいます。

156 2.5 V6 24Vです。
しかも最初期のリモコンのロックもないモデルです。
しかもしかも、平成10年登録のワンオーナー車。ありえねー
願えば叶うとはこのことかもしれません。

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しかもしかもしかも、ボディをはじめあちこち信じられないほどに極上。
こんなのあるぅ??

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驚異の33ナンバー。若い子ならへたすりゃ知らないんじゃない??
2月頃、探している旨のご相談をお客さんから寄せられて、3か月強、やっと見つかりました。
しかもぴったり予算内。

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ドアのトリムは革の部分こそ弛んでいますが、プラスティック素地の部分がほら

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シボがすげえ生きています。

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ハンドルもこの通り。とても22年前の自動車とは思えません。

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それもそのはず、6万キロ弱。22年で6万キロ=年間2727.27...km

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すなわち月に227km走行。新車の時からずーっと、ずーっと記録があります。
MPIの設立が1996年の11月、本格稼働は1997年1月からですから
このクルマを買われた初代オーナーさんは、僕が羨望の眼でTipoを見ていた時に新車で買ったという事だったのですね。
逆を言えば、新車としてミラノの工場をラインオフしたときから、この156は今回のお客さんが乗る運命になったと言っても過言ではありません。

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ただ、今のオーナーが買うまでが長かった。前オーナーがおぎゃあと生まれた赤ちゃんが社会人になるまでを見てきたようで、今度はここから新しい歴史を新たなオーナー元で紡いで行くと言う、なんとも素晴らしいハナシ。
あと少しで1/4世紀になっちゃう。

しかし、クルマも時間には勝てず、なんだか多少の問題もあります。
156のお約束ですが、エアバッグの蓋が熱歪で持ち上がり、クリップが悪くなって飛びでてしまうのです。
新品のクリップに入れ替えて押し込んでも、もう一つ良い感じにはならないんですよねー。

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軽く様子を見てみます

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グローブボックスは先にフタを外してから、ストレージ本体を外します。

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順番に外していけば到達するでしょう

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続いてオーディオ。さすがにこの懐かしいCDデッキではねえ。

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オーディオを外すのは真正面からできるので良いのですが、新しいオーディオにはBluetooth用のマイクを取り付けるので
センターパネルを外します。

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灰皿の後ろに2個。灰皿の下に2個

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ブーツを外して ビスが3ケ。

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ステレオを外して、小さいビスが2ケ、ケースの下側に2ケあります。

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そしてすべて外れるのです。
あ、外す前にエアコンのコントロールスイッチのノブだけ3ケ外しておきます。
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こうなった時にはエアコンの内気温度センサーを軽く掃除しておくとトラブルが無くて良いですよ。

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作業は続きます。
お買い上げありがとうございました。
お渡しまで未だしばらくお待ちください。
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2020年06月06日

156のヘッドランプをLEDで

表題にもある通り、ハロゲンのH7は暗くて嫌、と言うリクエストで、HIDに....
と思ったのですが今回はLEDにしてみようという事でさっそく作業開始。

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基本的にアルファロメオは手がかかるようにできているというか、何でも大作業になるイメージがあります。
147なんてスモールランプを交換するのにバンパー外しのヘッドライト外しとか

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頑張れば車上で交換ができるかもしれませんが、バルブを割ってしまうリスクをしょってまで無精しようと思いません。
尤も他にも用事があったのですが

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取れました、マルチリフレクターの後期用ライト。

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ベロフのLEDです。どこの国で作られたか書いていませんが、国産であることを願います。
このメーカーのHIDも素晴らしく、抜群の明るさでしたがLEDはいかがでしょう
値段も非常に安く、HIDの終焉を感じさせます。とはいえ、H1やH7はいまいち普及していない感じはありますが

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ちゃっちいケースです。大丈夫かなあ?

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装着は恐ろしく簡単です。

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LEDはHIDのようにバラストなど付いておらず、本体をH7バルブのようにホイと付ければ出来上がり。
バンパー脱着95%、バルブの交換5%と言った配分。

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昼間に見てもよくわからないなあ

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いや、やっぱり明るいんじゃん?

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最近のLEDは極性もなく、ライトウオーニングも刺激せず本当に優秀。
少なくとも中国で作られたインチキLEDやゴミ同然の値段で売られているHIDなどは手を出さない方がいいですねえ。
中身を見ればわかりますが、この基板でよく使えているなあ?的なシロモノです。

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バンパーを戻して暗くなるのを待ちます。最近は陽が伸びて7時を回ってもなかなか暗くなりませんね
なんだか子供の頃、花火を買ってもらって夜になるのが待ち遠しかった思い出がよみがえります。

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さて、結果はご覧の通り。スゴイ明るいです。

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まだ実走行での見え方を体験していないのでさらに楽しみですね。

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2020年06月03日

V6タイミングベルト交換

ばらしがあれば組がある。これは自然の摂理です。だから僕らは仕事がなかなか終わらないのです(笑)
だって疲れちゃうんだもーん
ウオーターポンプの組み付けから

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メタルペラなどと言われる物です。でも半永久的に持つかと言われるとそんなことなくて
ヒビは入らないけど漏らないとは限りませんから

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はい、キレイですねー

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もちろんテンショナーも新品です

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タイミングベルトとアイドラープーリー。

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ベルトを付けて

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テンショナーを張ります。

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位置的に直接テンショナーの正規の位置を見ることができないので手鏡で確認するのです。
張る強さはメカニックの経験と切り欠きの位置です(笑)

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しかし圧倒的に狭い。上から下から攻撃してどうにかなるのです。
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カムはロックされているので動かす必要はなく、クランクの位置はマイクロメーターで位置を決めてボルトをロックさせます。
その後、カムスプロケットを8kgくらいで締め付けて出来上がり

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続いてドライブシャフトブーツ

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このシャフトを止めている8mmのHEXボルトが超硬く締まっています。いつも苦労させられるところです。

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CVジョイントのカバーはジョイント部を水や砂利などから保護するために大変に大事な部品ですが、一方で常に外気さらされてハンドルを切るたびに伸ばされたり縮められたりするので、どうしても破けてしまいます。
ここが破れると絶対車検には通りませんので車検時には必ず確認します

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組み付けたら出来上がり。何でもかんでも大変なアルファロメオ。大変なぶんだけ維持費もかかるのですよ。

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2020年06月01日

予期せぬ出来事

アルファロメオ156 2.5V6 24Vのタイミングベルト交換を作業中の話。
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同じエンジンのシリーズでも車体はその都度違うので行う作業方法も違うのですが、全体的に見れば似ています。
もうMPIでは結構な数のBUSSO V6エンジンを整備してきました。
このV6はEURO3の対応車、すなわちボッシュのME7.3.1システムです。
仕組みは違ってもだいたいやることは同じです

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それゆえ、分解する手はずはかなり判っている方ですが、それでも一筋縄では行かないのが整備のお仕事。
未だ4万キロにも満たないこのクルマは至るところが実にキレイ。

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この自動車、いやエンジンのアイデンティティでもあるサージタンクとメッキのパイプを外して
タペットカバーを外します。

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タイミングベルトロアカバーを外してクランクを見たところ。
既にウオーターポンプの下側にLLCが漏れた跡があります。
ちょうど交換時期だったのですね。

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平成17年にラインオフして今日まで1度も交換されなかったであろうタイミングベルト
15年分の垢を落としましょう。

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少し雪のある地方から来たのか若干のサビが見受けられます。

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特に影響を及ぼすようなことはありませんから心配いりません。
ちなみにエンジンの真後ろに鎮座するサスペンションクロスメンバー
ちょうど真ん中にエキゾーストパイプが通る下にエンジンマウントがあります。
そしてその後ろに遮熱版の付いたパネルが見えますが、156がエンジンを降ろす場合、これらまで取り外す必要があります。
遮熱版の下にクロスメンバーの取り付けボルトが2本存在するのです。アホな造りです。

ただ、この遮熱版の付いたパネルを外すと、車内のセンターコンソールまで外すことになるので、後ろの2本のボルトを残して全部外せばブラブラになるので、遮熱版を避けながらエンジンを降ろすという難易度の高い作業が要求されます。

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サイレンサーの上にあるのが遮熱版を抱くパネルですが、車内側にはチェンジレバーとパーキングブレーキが据え付けてあります。なんでもかんで1つのユニット化して部品を持ち寄って自動車を作る思想と言うか方法論が、当時流行ったのでしょう。
整備性の良さはゼロどころかマイナスです。

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機を取り直してタイミングベルトを外します。

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走行距離が若いのでエンジン内部も大変キレイです

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そして何より優秀なのがカムのロックを置いただけで寸分の狂いなく取り付けができることです。

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部品もそれぞれ美しい。

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1番シリンダーにはあらかじめ、棒状の物を入れておおよその上死点を出してカムロックのボルトを締めます。
カムのスプロケットを緩めて外す手はずを整えます。すべてはカムスプロケットの後ろのタイベルカバーを取り外すためです。
しかし156は狭い。隙間が実に狭いのです。

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まずテンショナーを緩めます。6mmのヘックス2本、とんでもないトルクで締まっています
下側を緩めたらクルマを下げて

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上からボルトを緩めます。上から下から交互に攻撃します。

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テンショナーが外れたら、スプロケットのボルトを外してスプロケットごと外します

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狭い、とにかく狭い。かといってエンジンを降ろすとなると、それはそれで強烈に大変。
造りの悪さと言うか、場当たり的な設計と言うか、もう少し整備することを考えて作ればいいのになあ

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交換するアイドラーベアリングも外していきます。
ところがここで問題発生。
〇の中のアイドラーのボルトが全く回りません。ガチガチに締まっているのを通り越しています。
いろいろな工具が投入されます。
ボルトは8mmのヘックスです。ボルトとフレームの間は60mmありません。

タガネではたいたり、様々なレンチを使いましたが
最終的に8mmのHEXソケットに8-10のストレートメガネをかけて、Sメガネに例の倍力工具をかけて
EくんはHEXソケットのお尻をボルトから抜けないように長いバールで押す役目。

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バキッ!と凄い音と共に緩みました....

と思ったら8mmのレンチが割れました。もはや普通に緩ます夢は儚く消えて、残された道は破壊して取り外すという一本道になってしまいました。

ここから延々とベアリングとボルトを削る旅です。

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ここまで3時間にわたる時間を浪費してアイドラー1個を外しました。
予定ではタイミングベルトを張るところまで行く予定でしたが脆くも崩れ去りました。

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この苦労のすべては、このウオーターポンプの上側の4本中、エンジンよりの2本を外すためだけに苦労しているのです。

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反対のバンクのカムシャフトの先端が見えます。キーの入る溝はあるのですが、キーはなくツルツルのカムシャフトに任意の位置でスプロケットを取り付けできます。逆を言えば、何の準備もなくいきなり外してしまうと取り消しの付かない結果が待っています。

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外したウオーターポンプ。まだキレイですが、このポンプは例外なく、スクリューにヒビが入り、水を循環できなくなりオーバーヒートします。例外なく壊れます。

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ブロック側もキレイですねー

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今回はここまで。全く予定通り進みません。誰だクルマの整備なんてボルト回してりゃそのうち終わるとか言ったやつは!
ああしんど。

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2020年04月25日

成約御礼 アルファロメオ156 V6リネアロッサ

この時期ではありますが、アルファロメオの成約頂きました。
本当に、本当にありがたい事です。

でも実はこのクルマ、強烈に状態が良いのです
最終のリアネロッサになるのかな? 05年、38000km
2.5Lイタリアの至宝V6。当たり前のようですが2つのカムシャフトをそれぞれのシリンダーヘッドに持つ強心臓
まだまだ経年劣化を感じさせない足回りから小さく軽いボディに相まって素晴らしい加速をします

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専用ホイールや専用内装で限定車好みの方は垂涎ものです

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実は159の3.2からの乗り換えです。159で慣れた人にはかなり高刺激だったようです。
あのJTSのV6からでは無理もないですね。しかも100kg以上軽いし小さいし、お客さん大喜びでした

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専用シフトノブ、内装も使用感が少なくやはり走行距離が少ない中古車がいいですね

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しっかしハデな車内です。いいな赤内装

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BOSEサウンドシステム付き

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お買い上げありがとうございました。がんばって整備します。
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2020年04月17日

156GTAのエアコンフィルター交換

自動車の整備は意外に大変なものです。
専用工具を必要としますし、技術や経験も必要です。
そして何より強靭な体と不屈の精神力も必要です。
今回はなかなか強烈なエアコンフィルター交換をご紹介
エアコンのユニットはその構造上、あるいはデザインや配置の関係上、結構無理な場所についていることがあります。

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156は助手席の足元の奥の上側にあります。この画像はどのようにして撮影しているかと言うと

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衝撃画像のようです。
いやカールゴッチのジャーマンスープレックスのようです。昔のタイガーマスクのフルネルソンみたいに
このまま起き上がれるとかっこいいのですが、52歳にもなるともうぜったいできません。

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あ、もうこれはヤバイ画像ですね(笑)
たぶん上側のビスを外しています。
決して死んでいるわけではありません。
助手席のフロアに頭を置いて右手でラチェットを持ってビスを回しているのです。
どうか助手席に座った方が、犬のウンコを踏んでいませんようにとお祈りしながら....

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あ、向きが変わりました。これはフィルターを外している画像

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ビスが3本抜けて、エバポレーターに行く空気をきれいにするポーレンフィルターのカバーです。
ちなみにビスの頭は5.5mm イタ車らしいサイズ

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フタを外してフィルターを一つ外した状態です。156や147のフィルターは2つに分かれていて、この中に入っているのですが、上の画像の通り、上を向くようにして作業していて、その状態でフィルターを外してしまうと、顔の上に大量の花粉やらゴミやらが降ってきます。

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このようになっていまーす
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フィルターは定期的に交換するとエアコンがよく効きます

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サンデーメカニックにはちょうどいい作業ですよ。コロナ禍でおうちで過ごしてヒマを持て余している人
ぜひトライしてみてください。
オーナーの方なら助手席に乗る人が犬のウンコを踏んだかどうか知っているでしょうし。
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アルファロメオ156GTAのエアコン修理 番外編

地球の大気には驚くほど水分が混じっている事を実感する時があります
ヘッドライトの結露とエアコンの配管内の水分です。
少量ならドライヤーフィルターで捕まりますが、やがてエアコンのガスに溶け込み、氷となってエキパンをふさいだり、システム内のサビや腐食の原因になります。
だからエアコンのドライヤーフィルターは定期的な交換が必要なのです

いや、そもそも、エアコンの配管内に大気が入るのはガスが抜けて大気圧と同じになってしまう、壊れた状態になるからです。
よく古いクルマでガス抜けして、ガスを入れれば効くからそのままでいいやと言う人もいますが、ガスを入れれば良いのではなく、中に入っている水分を除去しないと、どうにもならなくなってしまいます。
今回のアルファロメオはガスは抜けずに、コンプレッサーが圧縮できないのが原因でした

そこで、コンプレッサーを交換して、コンデンサーのドライヤーも交換して、真空引きしてその晩帰って、翌日の朝
マニホールドゲージの針が戻っていない事を確認したらガス入れです。

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指定は650gとありますので、ガス3本と少々と言った感じ。
高圧からガスを200g1本を安全に入れ終わると、高圧側のバルブを閉めてエンジンをかけて、設定温度を一番低くして、風量も最大にしたまま低圧側から2本目を入れます。コンプレッサーが吸い込み始めると、2本目は一気に空になります、3本目も同じようにして、コンプレッサーが吸い込んだらガス缶が辛煮なるのを確認してバルブを閉めます。
残りの50gは残念ながら目見当です。1/4を入れるわけですからバルブを開いたら間も無く閉めるようです

低圧の配管は冷たくなり、車内に冷たい風が回り始めて冷媒の循環が始まっているのがよくわかります。
エンジンを止めて高圧のガス圧が下がるのを待ってマニホールドゲージを抜きます。

それからしばらくして、別の用事の為に、156を工場から出して脇のスペースに置くと、そこはかとなく冷たさをあまり感じません。外気温のそれほど高い時期ではないからなあ、と思いつつも温度をLoにしてもそれほど冷たい風が出ません。
これはおかしいと思い、外に出ると、なんと!

クルマがウンウン言っているではありませんか!!

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高圧が高くなりすぎて圧力スイッチが感知してコンプレッサーのクラッチが切れたり入ったりしています。
つ、ついに聖なるエキパンが詰まってしまった・・・
怒れるコンプレッサーは聖なるエキパンのしもべと化してしまったのか

と、めまいに襲われながら、国内のエキパンの在庫を当たってもらいます。
エキパンの交換は基本的にダッシュボードを外して作業するために、大掛かりな作業になります。
他の予定を打ち合わせながらマニホールドゲージを外そうとすると・・・

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すごい勢いで高圧のサービスバルブからガスが噴出してきます。
あれ?? なんで?? 一度ゲージのカプラーを戻してサービスバルブの虫ゴムが引っかかったのかと思いましたが
何回入れたり外したりしてもガスの噴出は止まりません。

ここはかなりな荒療治ですがアレをやってしまうよりほかにありません
アレをやってしまうことは地球環境的によくないのですが、もはや工場から出してしまったので、アレしかできません。
しかも何より、エキパンの詰まり物が取れるかもしれません。

意を決してドライバーを差し込み、あれをアレします。ものすごいDischarge現象と共に、辺りは油だらけになります。
それはさながら、タワーリングインフェルノのような千と千尋の神隠しのような....

問題のあれです。一か所だけ違うのが解りますか?

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おしりのOリングが無いのです。

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ガス圧でもってバルブが押されてOリングのシートにくっついてガスが漏れない仕組みなのですが
そのOリングがありません。
こちら新品

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こちら付いていたものゴムのOリングがありません。これじゃあ、ガスが勝手に出てきてしまいます。

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ではOリングは?? 何かしらの理由で外れたか切れたのでしょう。断言はできませんが、ゴムの残骸がエキパンの吸い込み口に詰まり、コンプレッサーが冷媒を押し込めず、圧力が上がり圧力スイッチが作動する騒ぎになったのでしょう。
その証拠に新しくバルブを入れて作業した後は実に調子いいいです。

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圧縮も良いし、配管もキンキンに冷たくなり車内は極寒になります。
今日1日試乗したり様子を見ましたが全く悪くなりません。

この人騒がせなバルブはどこから買ったものだったかな?
インチキ中国製品だったのかなあ?

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明日1日様子を見て問題無ければ完治としましょう

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2020年04月14日

アルファロメオ156GTAエアコンコンプレッサー交換

さて第二期工事中の156GTA
今回、燃料ポンプ、タイヤ、オーディオと修理して最後に控えるのはエアコンです。
エアコンの内容は↓

リビルドのコンプレッサーを用意して作業に挑みます。
まずは先に入れたガスを回収します。

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タイヤを外してフェンダーライナーを外してこっちから作業ができるかと思いきや
全くこちらからは作業できません。166とは違って156は車体が小さい分タイトです。
コンプレッサーはボルト/ナットで止まっているので、ナットを抑える必要があるのですが、触るどころか見る事すら難しいレベルです。
ちなみに画像中央のエンジンマウントが全く手に入らない、以前にリビルド品を輸入したマウントです

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156はアンダーカバーを外して下側から攻撃します。
17mmのボルトですが、硬いです。チョー硬いです。
僕のターンは1/2のでかいラチェット

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同じエンジンなのでスタートはこのテンショナーの15mmから。これも作業スペースが確保されていればそれほどでもありませんが、ジャッキを使って作業するとなると、このスプリングすら強烈です

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うんうん言いながら外しました、外すまでのプロセスの画像が無いのは大変な証拠です。
エンジンマウントから延びる極太のアームの下を走るパワーステアリングやエンジンオイルのオイルクーラーに伸びるパイプが印象的ですが、このパイプは実にくせ者で、エンジンの脱着の時にもジャマになりますし、エンジンオイルフィルターの交換を阻むのもこのパイプです。

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サンデンSD7V16
リビルド品は本当に信頼のできるものを使わないといけません。
ネットだとか中古品はやめた方が良いと思います。

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何をするにも狭いんだよなあ。ああ、あの時にやっておけばこんなの3分もかからず作業できたのに涙ぽろり

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あー、腕が痛い

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コンプレッサーの交換が終わったら、もうひと手間かけてエアコンの効きを良くします
コンデンサーのドライヤーフィルターを交換します

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まずプラスチックのフタを開けて

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エレメントを露出させます。

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Cリングを外します。

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エレメントのボルト穴にいらないボルトをさしてバールなどでこじって引き抜きます。

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ネギのように途中からグラデーションに汚れています。

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活性炭の入ったフィルターです。通常は非分解ですが、ヨーロッパ車は交換ができることが多いです。
新品と比べると、アスパラガスとネギです。
余談ですが、埼玉県には深谷というネギの名産地があります。そこのネギは実にうまい。鍋よし、炒め物良し、煮物良しでサイコーです。ああ、深谷のネギ食いたい

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新しいフィルターにコンプレッサーオイルをしっかり塗って元に戻しますが、これが恐ろしいまでに硬いです。
車上にコンデンサーがあるから最後まで入れられましたが、コンデンサー単体だと入ったかな〜?

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今日はポンプで真空引きを30分して、様子を見て帰ります。明日の朝に問題がなければ2時間ばかり真空引きしてガスを入れましょう。
エキパンは? 祈りましょう
祈りましょう
信じるエキパンは救われます。
posted by admin at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | アルファロメオ156

2020年04月08日

アルファロメオ156GTA ガソリン臭いの巻

再び入庫の156GTA
今回はタイヤ、ガソリン臭、エアコン、オーディオの修理

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まず今回は燃料ポンプ。Eくん風に言えば燃ポン。一生懸命うんうん言いながらリアシートを持ち上げていたらこのクルマボルトで付いていました。

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6mmのヘックスですが、ガチガチに締まっているので1/2のハンドルで回します。
こういうイレギュラーなのはアルファロメオのお家芸なのか、ホイールが特殊です。
156、147は98の5穴、166は108の5穴、159は100の5穴、ミトは98の4穴、ジュリアは110の5穴
と、全く統一性がありません。

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さすがにシートバックはどんなクルマもボルトで止めていますね

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これも6mmのヘックス

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このヘッドレストは外さないとシートバックは外れません

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普段、滅多に外さない場所なので、かなり強く張り付いています。
根性で持ち上げて外しましょう

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トランク側から奥側のトリムボードというかトランクスルードアを外します
これで黒いフュエルポンプカバーがフリーになります

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こちらトランク内から見た画

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さてボルトも全て外したので蓋を開けてみましょう

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びっしょりです

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おなじみの光景です。これもチェコ製のボッシュ製品です。チェコ製は例外なく漏ります。
フュエルポンプはモデルによっていっぱい種類があるのですが、チェコ製が特にダメなようです。
ボッシュのポンプはみんな似たような姿カタチしているので漏るもの漏らない物、見分けが難しいですけどね
いい加減リコールになんないのかなあ?

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先日、アルファロメオの客相に電話して、自分の素性を明かした上で、ひょっとしてガソリン漏れのポンプ5個くらい持っていったら新品に交換してくれたりとかあったりします? って至極真面目に聞いたら
「リコールや無償整備情報はホームページから確認できますよ」と何とも的外れなアドバイスをいただいてしまいました

もうアルファロメオも156や166当たりの頃の車種は無き物にしたいんだろうな 部品の無くなり方ややる気のなさに何となくそう思うのです
posted by admin at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | アルファロメオ156

2020年02月26日

156GTA修理のスピンオフ

さてさて、走りもサイコーになったGTA、ここで正にラストスパート。エアコンガスを入れて納車準備

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何度も脱着したので、ガス漏れも心配でしたが、どうも引き取る前からエアコンが効かなかった情報が入電
ガス漏れかと思いましたが、もはやエアコンガスなどとうの昔に抜いてしまったので今やガスを入れて様子をみるしかありません

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せっかくなのでエアコンのむしバルブも交換しておきましょう。これがガス漏れの原因になる事が多いですからね。

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さらに蛍光剤も流し込んでガス漏れ対策も万全

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新品のむしバルブ。これなんて言う部品だっけ?

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そして徹底的に真空引き

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1時間半真空引きして1時間半放置しました。経過は最高に良いです。全く針が動きません
ガス漏れは全くないと判断して

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ガスを入れます。高圧側から約200g。
エンジンをかけてエアコンのスイッチを入れて、クラッチが入るのを確認して低圧ガスをに入れます。
2本目、合計400g。当然コンプレッサーは圧縮をはじめエアコンガスのリサークリングが始まります。

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3本目のガスを入れる前にゲージを覗くと、低圧が吸い込み始めているのに高圧側を見てください。上の写真と見比べてください。全くと言っていいほど高圧の針が上がりません。コントロールバルブの故障です。
圧縮できないのです。圧縮しようとしても低圧に逃げてしまうのです。

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残念ながら納車の日取りを決めていたので、とりあえず一度お返しすることにしました。
今は工場で他のクルマも多く待っている事から、返せる順番から返していくことを優先しているのです

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すごい音がするマフラー
聞けばなんと最終期の頃のキダスペシャル、いわゆるキダスペでした。
なるほど強烈なエキゾーストサウンドなわけで。
大変に貴重な物を拝まさせていただきました

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しかし半年近く預かってしまった156GTA。な、なんと近いうちに帰ってきてしまいます
それもエアコンやエンジン、ミッションとは関係ない事で

なんでそうなるの?

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posted by admin at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | アルファロメオ156

2020年02月24日

War is over

三度目の禊を済ませて今度こそ完成に向けて全力ダッシュのGTA
もはや組付けも進んで一気に完成まで進める2/12

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これも懸案だったラジエター。147GTAからの中古品です。ここまでくるまでに

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左が初代、つまり最初についていたラジエター。右は僕が昔、166にファンをつけようかと思って買った156GTA用
全然ダメですな中古品。ちなみにラジエターはバンパー脱着、コアサポート脱着、、インテークチューブ+エアクリーナーケース脱着、そしてエアコンコンデンサーと縁切りしてからのラジエター交換になります。
中古品など所詮、信頼性に乏しいものです。特殊な事情が無い限り新品を付けた方が節約になりますぜ

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これは2つ目。ラジエターのサイドタンクから漏れエアクリーナーブラケットに冷却水のしずくが見えます

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こちら初代、やはりサイドタンクからの冷却水漏れ。まあ、ラジエターのほとんどはここから漏るのですが

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ラジエターやエアコンパイプを取り付けます

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Eくんが撮る仕事中の僕

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何を作業しているか忘れました(笑) なにか作業してます

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もうかなりできてきました

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フェンダーライナーも付けて、ボンネットを付ける前にクラッチオペレーティングのエアを抜きます。

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ついに完成えす。流行る心を押さえて、エンジンをかけます
響く巨大なエキゾーストサウンド

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自力でちゃんと工場から出て、試乗に出れました。
全てが正常に機能して晴れて完成です。

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乗れば素晴らしい3.2GTA。らしさは全く変わりません。
さて、あと少しの準備で納車です。
長かったなあ、このクルマ。
1月の初旬から始めて3度のエンジン脱着をしてこの場所にあるのです。
思い込みや甘い見通しが招く災厄は、当たり前ですが人災です。
そんなことなどならぬように、しっかり下調べをして裏を取って注文しないといけません
でないと情報あふれるこの時代、痛い目に遭いますぜ 僕のように
posted by admin at 14:44| Comment(0) | TrackBack(0) | アルファロメオ156

2020年02月23日

Never trust the unknown info.

先日トランスミッション交換の為に2度目のエンジン降ろしを慣行した156GTA
翌日、Eくんから電話が来て「大変なことが起きましたぜ、156が同じような状態です」と
聞けば再びわずかに進むのですが、殆ど自力では走れない前回と同じような症状
リバースには簡単に入るのだけは間違いなく改善されてるようですが...

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絶望を超えて笑っちゃいます。

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ここまでの話を整理すると
1.昨年、5速6速が入らず4速はすごい音がするという訴えで入庫しました
2.中古のトランスミッションを用意して交換しました
3.リバースに極端に入りづらいのと自力で走る事は僅かだけ
4.再度違うミッションを用意して交換し、リバースにもスムーズに入るようになり、リフト上では変速もうまく行きました
ここまでがざっとした作業の流れです。

そして今回もほとんど同じ状態です。

考えました。

少しだけ走るということは半クラッチの状態?
クラッチカバーはしっかり押しながら付けましたので、カバーの圧着部分は生きていた。
しかしこれ以外に問題になる部分はありません。
僕が以前、見たサイトではこのヴァレオの品番も156GTA対応になってました
これは交換作業をする最初から確認していましたので間違いないと

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昨年11月にマーチンさんから輸入する際に全く同時期に166の3.2のエンジンオーバーホール部品も頼んだのです
その時クラッチも同じ車体番号で頼んでしまったのです。
その後、ネットで部品番号を検索した際に使えそうだったのでそのままにしたのです

その時の部品

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貴重な純正のオーバーホールキット

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確かにもう一つ検索上に載ってくる部品番号もあって、マーチンさんにメールすると驚きの返信が返ってきました

You have bought cluch set for Alfa 166 ..... not for 156
In 156 there is no flywheel, that's why the cluch plate has spings in it

なんと僕が間違えていたのです。そして彼は知っていたのですね、フライホイールが違いクラッチが空転して使えないことを。
ネットでの部品のクロスリファレンスなどいかに危険な行為か自分で説いているにも関わらず、間抜けな事に自分で同じことをしてしまったのです。

この段階で3度目のエンジン降ろしが確定しました。
大急ぎで新しいクラッチセットを手配して作業は2/11から開始されました。

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3度目ともなると手順は完全に理解していますから早い早い。

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特にEくんは異様なまでに慣れて、考え得る限り最速の手際で作業が進みます

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しかし、手順の理解や慣れと、作業の大変さは同義語ではなく肉体的には強烈に厳しい作業が続きます

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自分の手でとんでもない事になってしまいました。2度目で交換できるチャンスはあったのに僕はネットの情報を信じたままでした。なんと愚かな

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取り付けより取り外しの方が作業的には楽ですが、それでも毎回あれこれ工夫が必要です。

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とにかく降ろしにくい構造です。

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するする降りていますが、歯を食いしばって作業するようなところは大変過ぎて画像にできないだけなんです

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毎回チェーンをかける場所やフックが変わっています。ベストな位置がなかなか見つかりません

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最も分解する部品を少なくなるよう考えてドライブシャフトやスターターモーターを外さずできるか?
でっきるーかな
でっきるーかな
はてさて うっうー

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いや物理的にフライホイールがあるから絶対むりやん

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なんとも不精なエキマニの外し方

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先に言っておきますがトランスミッションって重いんですよ
大人二人でよいしょよいしょと言う感じ50-60kgくらいかな?

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基本的に他は一切触らないので、このまま作業します

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問題のクラッチが外れました

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そして新たに手に入れた違う品番で、間違いないであろうクラッチセット

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クラッチプレートの形状は全く違います。元についていたものと同じ形状です

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どちらのウラッチもついてしまうのも悪ですね。

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新しいクラッチを取り付けました。センター出しをして

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トランスミッションに新しいベアリングを取り付けて合体させます。
この後どれほどミッションを入れるのに苦労したことか。
逆に今までのクラッチがいかに簡単に入ったことか
簡単に入るという事はカバーの圧着板が完全にクラッチ板を押し付けられていないという事と考えるべきかもしれません。
ほんの少しでもセンターがずれていればメインシャフトとベアリングが入らずトランスミッションは入りません。

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何度も言いますが辛いところは撮ることができないのですんなり行ったようになってしまいます

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エンジンを載せる時はさすがに2人だけでは辛いので、大先輩のサナップの新井さんに手伝ってもらいます
大先輩にも関わらず気持ちよく協力を申し出てくれるのは本当にありがたいです。
特にこのメンバーの取り付けは毎回地獄の沙汰です

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毎回問題になるのはパワーステアリングのホース、パイプ類の取り回しです。

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午前中から始めて夕方暗くなるころにここまで来ました。

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残りは翌日です。

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こうして2月11日の夜は更けていきました
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2020年02月11日

非情の156GTA

先日、エンジンを載せた156GTA
お客さんには修理完了のメールをして、納車の予定を打ち合わせておりました。

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ただこの時に既に1-6速にはストレスなくギアが入るのにリバースだけはとても入りづらく
それでもミッションオイルが温まればどうにかなるかとあまり深く考えませんでした

ところが翌日、Eくんから電話が来て、工場から出そうと思ったらバックには入らないし、なにより本当に少ししか動きませんぜと
茫然自失で電話をつないだまま絶句してしまいました。

午後からEくんの元に行くと、156GTAはエンジンをかけると僅かながら走るのです。
わずかに走るという事はクラッチは繋がり、トランスミッションのメインシャフトはクラッチディスクのスプラインにしっかり入っているという事です。
調べる限りクラッチセットの品番も合っていますし、どこにも問題はありません
何よりリバースにものすごく入りにくい、しかしギア鳴きはしないところから、中古ミッションが悪いとしか思えないと踏んで、再びエンジンを降ろして作業することにしました。

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ここまで一生懸命作業したのに.... 
Eくんの「楽しんで作業しましょう」にどれだけ助けられたことか

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バンパーやライトを外して

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ちなみに作業に踏み切るのに約1週間かかりました。

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アルファロメオは、特にV6は本国ではハイエンドに位置する為か 本当に整備のしにくいクルマです。
カロッツエリアなど分業によって自動車を効率よく製造する自動車製造文化のせいか、先日の166のリアサスもそうでしたが、大きなコンポーネントごとを完成させた状態で自動車を造るためか 異様なまでに整備性が悪いです。
リアのショックアブソーバーを交換するために、リアサスメンバーを外すなんて馬鹿げた構造はあまり他のメーカーでは見ません

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ラジエーターを外す為には抱き合わせで取り付けてあるクーラーコンデンサーを外します。クーラーコンデンサーのビスを外すにはバンパーを外さないといけません

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当然外す部品は多岐に及び、当然作業量が多くなるのでどうしても費用が掛かりがちになります

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上側の外すものはほとんどなくなりました

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下回りはクロスメンバーを外しますが、ここでも製造時にASSYで組み立てた弊害が起こります
画像の左が車両後方、見えているのは遮熱板で、その遮熱板の上のパネルはサイドブレーキやギアシフトが止めてある車内側のプレートです。その下側にクロスメンバーが入り込んでいるので、全部外ボルトをハズさないとクロスメンバーを外すことができません

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こうすればわかりやすいかな? 左側のプレートの下に1本ボルトが入っているのです

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そして使用するソケットも手前のボルトは15mm、メインでメンバーを止めているボルトは18mm、画像奥のステアリングラックを止めているボルトは21mmと様々なサイズのボルトやナットがランダムに出てきます。

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そしてこのおまぬけな位置にあるブレーキキャリパーの固定ボルト
せっかくボルトを回すための切り欠きがあるのに、はす向かいをブレーキパイプが横切るためにソケットが入りません。

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こういったボルトはスパナでちょっとちょっと回すので作業者から集中力や体力を奪うのです

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エンジンマウントを外すのも上側の24mmのボルトも狭くて駆動工具が入りません。

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一通り外したらメンバーを外します。
この上なく重いのでここから画像は少し飛びます

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クロスメンバーを外すと一気にエンジンの位置が不安定になりますから、一気に作業を進めます

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再びエンジンが地上に降りました。前回と違い今回はトランスミションを入れ替えるだけなので、この場で取り換えて元に戻す突貫工事です

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画像の手前側、エンジン後ろ側に見えるのがエキゾーストマニホールド一体型のキャタライザーです。
これはユーロ3の対応車でV6は全てこの型です、これによりエキゾーストサウンドが悪くなったという人がいるくらいのものです
問題はこのエキマニの下にトランスミッションとエンジンブロックをつなぐボルトそのものはありませんが、スターターモーターがあります

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エキマニを外しただけでは足らずに、外した下にはスターターモーターが鎮座します。
今回モーターを交換している背景はこのような場所はまず外す事ができないので、エンジンが地上にある時に全て交換してしまうのがセオリーなわけです。なにしろエキマニのすぐ下ですからすさまじい高温にいつもさらされているのですから、何時壊れても不思議ではないのです

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しかしこのモーターの取付ボルトはこのようにエンジンが単体なときでも外すのが大変です。
車上で作業することは絶対不可能だと思います

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外れました。リングギアが丸見えになります

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トランスミッションの新旧を見ます。

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特段、悪いところは見えません。しかしここは新しい中古を付けて元に戻します
今回、付き合いのある中古部品販売店だから、事後の不良による返品がききますが、ヤフオクなどで粗悪な部品を売られたら こうはいきません。中古部品の恐ろしいところはもし壊れていた場合の責任の所在です。

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再びクラッチを組付けます

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ここからはDay2です。再びチェーンブロックで釣り上げて車上に戻します

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再び、全く余談の許さない状況が続くので画像が無くなります

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ちょうど配達に来た日産部品のM澤さんにも手伝ってもらい、取り付けが少し楽にできました

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なにしろパワーステアリングフルードやミッションオイルのクーラーなどが邪魔をして載せるのが難しいのです

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さらにDay3になるとEくんがほとんど組みあげてくれていたので作業もスムーズです

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もう今度は大丈夫でしょうと軽い動作テストを経て組付けました。リバースも軽々入ります。
アクセルを踏んでシャフトが回転するのも見届けます

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やっと出来上がった156GTA。本当にお疲れ様でした。
短期間に2度もエンジンを降ろすハメになるなんて本当につらい日々でした

でも心はすがすがしいまでの達成感で満ちていました。
まー、2度あることは3度ある?
そんなことありませんよ(笑)




と、笑っていたのもつかの間でした...
次回に続く


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2020年02月08日

アルファロメオ156GTAのエンジン載せるまで

この156はなぜか長くあまりいい整備をされなかったのに、不思議と車検を通ってきたミステリアスなクルマで、ここでその垢を落とさざるを得なくなってしまったので、踏み込んだ整備を行います
両方ともインナー側のブーツが破れてしまったドライブシャフト。

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アルファロメオはアウター側は純正でのシャフトブーツ設定があって良い部品も沢山出回っていますが、インナー側はなぜか設定がなく、シャフトそのものか、社外のブーツでかなりキツいやつをむりやりハメる以外の方法がありません

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それでもこのようにうまく収まります。仕組み的にシャフトブーツはアウター側はCVジョイントの為にブーツが伸び縮みするので、どうしても破れやすく、また中身にグリスを結構入れるのでシャフト側もハブ側もしっかりバンドで止めないといけませんが、トランスミッション側は絶対に伸び縮みしないので、シャフト側のバンドはそれほど重要ではありません。
だからこれでOKとします。

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2つともできました。

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これで下準備が出来たので、抜け殻を呼び戻して来て魂を注入します。既に魂が抜けてしまった147GTAも隣に眠っています

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エンジンを降ろした後、ずっとリフトに上げておくわけにもいかず、一度足回りを戻していますので、それも外さないといけません

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足回りを脱着するにはサスエンションクロスメンバーも脱着しないといけないので、かなり大変です

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エンジンも釣る準備して156の下に移動します。再婚の時がやってまいりました

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ここから足回りを外します

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転がせるようになるには。サスペンションクロスメンバーにロアアームがあり、それにストラットのフォークが入ります。ここにナックルをつけてタイロッドをさしておくのですから、結構分解する場所も多いのです

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クロスメンバーが外れてステアリングラックが宙ぶらりんこれで準備ができたのでエンジンを戻します

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まるで魔法で戻したように簡単に戻っていますが、大変すぎて、危険すぎて途中の画像は撮影できませんのです

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マウントやクロスメンバー、サイドサポートフレームなどをどんどん止めて行きます。

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このアフォな造りをなんとかしてくれ

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かなり出来上がりました。今夜はここで作業はおしまい。
また翌日に続きを行います

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翌日、Eくんが頑張ってほとんどを組付けてくれてありました。彼は本当に仕事が早いし確実です

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おいいわゆるタレ関係を全部入れてその時を待ちます

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今一度下回りを点検して

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オレカの社外マフラーの轟音と共にアルファのV6が目を覚まします。
どこも悪いところもなく(エアバッグを除く)アイドリングも安定してエキゾーストを奏でます

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いやーよかったねえ、と言わんばかりのEくんの笑顔

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さあ、夜も更けてきたしもう引き渡しの予定を打ち合わせて、今日は帰ろう!

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この時はまだ、僕らがとてつもなく恐ろしい地獄絵図にこの後引き込まれる事をだれも予想だに出来なかったのです
つづく.....
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2020年02月03日

アルファロメオ156GTAのタイミングベルト交換

今度はタイミングベルトの交換。
既にカムホルダーが付いた画像からですが
本当はここまでにいくまで、スターターやウオポンなど数多くのステップがあるのですがEくんが熱中して作業したので画像はなナッシングでした。
1番の上死点近くまで出しといて、ウオーターポンプを交換しました。
その後指定された位置にカムホルダーを取り付けて完全な上死点を目指します

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クランクシャフトを回して完全な一番上を探って

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カムスプロケットのボルトを止めます。

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新しいポンプが見えます。画像はありませんが例の金属ペラのポンプです。

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ちょっとずれていますが、誰かがつけた合わせマークもだいたい揃いましたね

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カムはがっちり止まっていますから、あとはクランク、すなわちピストンの位置です。
何度もマイクロメーターを見て、完全な一番上に来た時の針の動きを見ます

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決まったのでしっかり締めます。

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カムの位置が決まったら次はテンショナーの位置を決めます

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テンショナーには目安の位置があります。これでかなりしっかり張れます

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全部締めたらカムホルダーを外して本物のカムホルダーを取り付けます。

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プラグホールガスケットを取り付けておいて、タペットカバーを待ちます

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タペットカバーパッキンも交換しておきます

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オイル漏れがしないようおまじないをちょっと塗っておきます。これは大事なおまじないです。
いやまじないどころじゃないな、呪文?違うな、合言葉? う〜ん、生命線?(笑)

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どんどん組み上げていきます。なにしろこの日にエンジンを載せてから帰る予定でしたから

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反対側のバンクも取り付けます

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後ろ側はサージタンクの足が入るブッシュを置いておきます。

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だいぶエンジンらしくなってきました

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後ろのバンクは分解するのも大変なので、こういった作業の際にスパークプラグとイグニッションコイルも交換します。
フロント側はいつでも簡単に作業できるので、リアだけでも作業しておきます
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サージタンクが付くと一気にそれっぽくなってきます

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オルタネーターの太い端子やO2センサーの配線などをまとめて見えなくなる部分を組んでいきます

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カバーもしてファンベルトも張りました。メッキのパイプもそろいました
完成間近ですが、やはり後ろ側でやりにくくなる場所を攻撃しておきます

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ミッションオイルです。75W-90は硬くてなかなか入って行きません。
この日はこの冬一番の寒さ、というか雪の日でしたから

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このデフケース、車上だととんでもなく作業しにくいです。

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おまけにシャレにならないほど小さいミッションオイルのレベルゲージ

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油量はぴったりです。

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よ〜し、次はエンジン実装編
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2020年02月02日

アルファロメオ156GTAのトランスミッション交換

軽自動車のクラッチ交換が何時間でできたなんて自慢している男がいるんですよ〜

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な〜にぃ〜!?

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やっちまったなぁ〜!!

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男はだまって、エンジンおろし! 男はだまって、エンジンおろし

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お笑いを地で行くアルファロメオ156GTA。トランスミッションの交換の為にエンジンを降ろして作業しなければなりません

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どう考えても無謀なレイアウトのエンジン。なんておバカな造りかと

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中古のトランスミッション。6速のものはGTA人気につられて結構な金額です

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メインシャフトとレリーズフォーク
ここにクラッチベアリングが入ります

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上のレバーみたいなところにレリーズシリンダーが付いて、レバーをグッと押すとフォークがトランスミッション側に引き寄せる仕組みなんです

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これがクラッチベアリング。出っ張っているところがフォークのツメにに嵌って動くのです

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クラッチが重く感じる理由の一つにこのベアリングの動きのスムーズさがあります
よくグリスを塗っていつまでもスムーズに動くようお祈りするのです
ベアリングのツバが1段大きくなっていて、かえしになっていて、クラッチカバーに入ると抜けなくなる構造です

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合体の図。新しいクラッチも組んで取り付けます

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クラッチカバーの真ん中に穴があります。その向こう側にクラッチディスクがフライホイールに挟まれています。
クラッチディスクは常にフライホイールに圧着されたままクラッチカバーごとエンジン回転数の通りに回ります。
この真ん中の穴に先ほどのクラッチベアリングががちゃっと嵌って取れなくなるのです。

クラッチペダルを踏むとレリーズフォークが動きベアリングを引っ張るわけです
するとクラッチカバーのダイフラムスプリングが引っ張られてクラッチディスクはフライホイールから外れて
エンジンからの動力を失い、ギアチェンジができるようになるわけです

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さて、トランスミッションをがちゃっと嵌めたら反対向きにしてエンジンの生命線、タイミングベルトです

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いっぱいカラフルな合わせマークがマーキングしてあります。
おそらく、ベルトの架け替えだけしてきたのでしょう。
正式なステップを踏むとこのマーキングは必要ありません。
でも、この方法がいけないとは言いません。国産車などではこのような方法で交換することは一般的ですから
ただ、1つ違うのは各スプロケットにはコッターの入る溝があり、どのように分解しても決まり位置にできるのです

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一般的にタイミングベルト車はタイベルでウオーターポンプを駆動します。表にはウオーターポンプは出てきませんから、こういったタイミングベルトの交換時に同時交換するのが一般的です。
でもアルファのV6はこの奥のウオーターポンプの1本のボルトが外れない為に、タイミングベルトのバックプレートを外すのです。

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バックプレートを外す為にはスプロケットを全部外さないとバックプレートは外せないです。
そのカムスプロケットを外すと、恐怖のつるつるのスプロケットが出てくるのですよ。
国産車しか経験のない人が、不用意にこのボルトを外してスプロケットを外すとき恐怖の大王が降ってくるのですよ

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まあ、どのクルマもだいたい圧縮上死点に合わせてタイミングベルトを交換するのはセオリーですけどね
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2019年12月19日

車検にまつわるエトセトラ アルファロメオ156SW

今度はアルファロメオ156SWの車検
つい先日大修理を行って、もうなーにも作業するとこなんかありませんぜ
と思ったあなた。なかなか許してくれないのがこのクルマのすごいところ

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まずはオイル交換

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フィルターだって交換しちゃう。当たり前か

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今回は絶賛一押しのモリゲン。ランチアカッパに入れてあまりによかったので、こちらの156にも入れてもらいました。
あ、また思い出してしまった...

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とてもオイルとは思えないこの色。しかしあーた! まず、タペット音が圧倒的に静かになります。
確かに他の高性能オイルでも入れてしばらくは音も静かなのですが、このモリゲンだとかなり長い間静かです。
あの、新油を入れた時の感覚がずっと続くと言ったらオーバーですが少なくともアルファのV6にはかなり合います

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決してLLCを入れるわけではありませんぜ

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このアルファ、ライトをつけるとたまにパチッと瞬きしたり、点灯しなくなったりします。

バルブがダメじゃんと思っていたら、社外のHIDでした〜。チックショー


芸に迷いがあるなあ。

さっそくフロントバンパー外し。

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ハロゲンからHIDに換えると車検に受からないクルマが結構ありまして
なぜ受からないかと言うと、ライトテスターは一番明るいところを検出して
光量や光軸を見るのですが、その一番明るい焦点がいくつも出来たり、ライト全体が明るくなりすぎて焦点を機械が取りようがなくなって結果、測定ができなくなるのです

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とはいえもうハロゲンに戻せなく加工してしまったクルマはどうしも出来ないので、なんとかします

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いままではFCLのライトが入っていました。

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僕のところではPIAAかBELLOFを強く推奨しています。
しかしどちらも強烈なお値段なので、マイルドなのをご所望の御仁にはクルーズの商品をお勧めしています
PIAAなど国産有名メーカーには及びませんがコストパフォーマンスはかなり優れています。

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前任の方がかなりいろいろ加工しています。

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僕も一生懸命作業しているズ

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さて最近、再び白髪を染めないのでおじいちゃんになってきました。
またトランスパランスに行ってカットしてもらうついでにカラーもやりたいなあ、と思っていますが
突然髪の毛が黒々するとと別人のようになってしまいます。
だからその時初めて会った人が別人だとなってしまうので注意が必要です。

髪の毛染めたらブログで告知しますね。(笑)

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2019年12月08日

アルファロメオ156GTAのトランスミッション交換その2 エンジン降ろし編

以前に途中まで書いた156のT/M交換の話の続き
とてもじゃないけどトランスミッションだけでは外せませんぜ的な流れで、急遽エンジンを外しての作業となったのですが
1日では終わらず、日曜日を使って残りの作業します

すでにかなり外れて見通しのいい状態

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フューエルのセンド/リターン、O2センサーの配線や、パワステの配管、エアコンのコンプレッサーに入る高圧/低圧配管を外します

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パワステラックは車上に残すので、残るものと残らないものを選別しながら作業します

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ど真ん中のエンジンマウントを外します。メンバーはサイドブレーキやギアシフトの載るフロアトンネルの下にはみ出しているので、遮熱板やトンネルカバーをかなり外して

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両サイドの補助をするメンバーを外して

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エンジンマウントのボルトはまっすぐは出てきません。設計した人はバカなの?
いやいやこのエンジン、当初のモデルはこんな所に触媒は無いのですよ

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メンバーは少し前にずらしながら

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取り外します。166はサブメンバーが井桁型なのでエンジンごと外しますが、これは別々に行きます。

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もう下側にはなにもありません。

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右上、右下、トランスミッションに付くマウントをゆるめて、チェーンブロックで釣っておきます

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マセラティの箱が見えるのはチェーンが直接当たってキズをつけるのを防ぐためです。
日差しが差し込んで神々しい

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車体と分離します。

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ついに泣き別れました。
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こうなれば白昼のカラス、どんなに取り外すのが難しい部品も直接攻撃ができますね

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さて、問題の部分。エンジンを後ろから見ています。
茶色いく錆びているのがエキゾーストマニホールド、通称エキマニ。
銀色のは遮熱板です。遮熱板をくりぬいて出ているのはO2センサーです

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トランスミッション側から見た絵ですが、このエキマニの下にスターターモーターがあるのです。そしてモーターに隠れるようにトランスミッションとエンジンを止めているボルトがあるのです。しかも何故かそこだけボルト、ナットで止まっています。

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しかもO2センサーの配線に抱き合わさってガッチリ止まるスターターモーターの配線。

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これが全部このスキマからでるわけないってーの!

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どこまでも手間と時間がかかるクルマですね
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2019年12月02日

アルファロメオ156GTAのトランスミッション交換

あくまで一般論ですよ、一般論。
マニュアル車で普通、クラッチ交換するときってトランスミッションを外してクラッチ交換を行うのですが
今回はそのトランスミッションを外す顛末のハナシ

突然4速に入らず、5、6速はシフトポジションにギアは入っても全くギアが繋がらない状態
どうやらトランスミッションが壊れてしまった模様

実は入庫したのは盆前なのですが、こんなに時間がかかってしまいました。
しかもトランスミッションは結構前に手に入ったのですが、クラッチセットは未だ日本に来ていないという

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ウソかホントか知りませんがV6のクラッチの有名なサプライヤーが亡くなって、安く仕入れができなくなったと部品屋さんから聞いて、どこで買っても同じだと

で、ほんとに仕入れが倍になってしまったので、海外から取り寄せてます
それももうすぐ来ると思うので車体も準備します

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ビルシュタインもまぶしい足回り

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まずはバッテリー周りを分解してオペレーティングを分解します

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なんだかお疲れ気味のレリーズシリンダー、スレイブシリンダーなんて海外では言われたりしますね

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さらにセレクターのロッド周りも分解

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ざっとこんな感じ

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続いて足回りに取り掛かります。

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とか言っといてマフラーも

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左の足回り。車検から間もないのにブーツが...

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フォークもナックルも外してドライブシャフトを外します。

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外した面々

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反対側も同じように外します。

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反対側はインターミディエイトシャフトも外します。どういうわけか右のドライブシャフトも破れています。

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この時点で実は合議がなされました。
本当に車上でTMだけ外すことができるかです。
スターターモーターの陰にトランスミッションとエンジンを付けているボルトがまだあるのです。
当然、スターター自体も外さないといけません

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触媒とエキマニの間に身をひそめるようにあるスターターモーター。
この段階で、トランスミッションだけ取り外すのは無理と判断してエンジンごと外すことを決断しました。
なんとクラッチ交換でもエンジン降ろしが必要となるわけです。恐るべしGTA

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ユーロ2規制の頃はエキマニだけで、触媒はシャシ下側に下がってからあったので、どうにか交換できるのですが、ユーロ3対応の触媒エキマニ直後+4xO2センサーのGTAは車上では無理なようです。

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かつて欧米の仲の良い友人数人に、母国の自動車整備について聞いたことがありますが、日本の特殊なマーケット性を皆訴えます。背景には車検が無いので、いや厳密には車検はあるのですが、日本のような仕組みではなく、ユーザー本人がクルマをそういった施設に持ち込んで税金などを払って登録を更新する仕組みです。

では修理工場は何をするところでしょう? 
エンジンオイル交換など日常的なメンテナンスはユーザー本人が作業し、男手のないご家庭や若い女性などが修理工場を利用することはあっても、基本的な仕事はエンジンやトランスミッションのオーバーホールや載せ替えエアコンや排気ガス装置の調整や修理などが主な業務です。

またMPIのように同じ工場内に鈑金と塗装の部門が同居するの事もあり得ないそうです。
鈑金は鈑金屋、塗装は塗装屋と役割が決まっているのです。

まして、ガソリンスタンドで修理や塗装を請け負うなんてことはもってのほかで、ガソリンスタンドはガソリンを売るところだそうです

脱線しましたが、エンジンの脱着に話が切り替わり作業を続行します。
このアルファロメオと言うクルマ、エンジン降ろしが前提であるならば、降ろしやすいか?と言われれば全くそうでなくて
エンジンの下のメンバーはマフラーの遮熱版の下に入っていて、マフラーの遮熱版はTMのシフトやアイドブレーキレバーが乗っかるプレートと共締めです。なんとばかげた造りかと思いますが、アッセンブリーごとの組付けラインの弊害だと思います

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そして両横にも補強を意識したぶっといブレースが前後方向に走りますのでそれも外します

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前回りのコアサポートを外してラジエター、コンデンサーを分解します

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いろいろな物が無くなってまいりました

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この段階でミッションオイルなども排出させておきましょう

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メンバーやマウンオなどのボルトを先に緩めておきます。
強烈なトルクで締まっています

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さて、この日はここでサドンデス。
翌朝から続きがスタートします。

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もう残りはわずかです。しかし僅かですがそれがまた大変
posted by admin at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) | アルファロメオ156

2019年10月28日

アルファロメオ156SWのサスペンション交換その2

一生懸命作業します。
フォークを挿して、ウイッシュボーンをアッパーアームボールジョイントにさして

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アップライトの完成...のような感じ

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リアストラットも出来上がり...の感じ。

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注目はハブのセンター位置です。バンパーの下辺とサイドステップの下辺と同一線にあります。
ロアのトラックロッドもかなり下に「へ」の字になっていますねえ。

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スタビライザーリンクも交換します。真ん中がプラスチックででき底いるのですねえ。ふむふむ

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フロントはオーセンティックなリンク

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リアのブレーキパッドも交換。

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よーし出来てきましたよ

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アッパーアームもまぶしい

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もちろん、リアもばっちり

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ほとんど作業ができてきました

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う、うーん、うーん ごいすーな感じになっています。
心配です...

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まー、リフトで持ち上げているわけですからね

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では答え合わせをしてみましょう

 

 

 

 

じゃーん、怒られずに済みそうですよ!!

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これは交換直後の映像。

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リフトから出しただけの状態ですから、もう少し走れば落ち着くでしょう

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指4本くらい。まあ、こんなもんでしょう。

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実は...マーチンさんにはクレームになりそうな旨、メールしちゃっていました。
こんなにうまい具合になるとは思えなかったから。悪いことしちゃった

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近所のRACラリーみたいな道を試乗します。

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コリンマクレーのような走りですが、本当に足が良い。良いなんてもんじゃない。
段差やアクセルのOn/Offに気持ちよく反応し、ロールもピッチングも実にうまくいなして

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地面に吸い付いているかのようです。

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強いブレーキングにアンダーは出ず、実に巧妙に頭を振っていきます。
軽いオーバーステアですが、実によく回るのです
こんなに良い足回りだったなんて、知りませんでした。

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さて、気持ちよく試乗した後の感じ。

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4つの車輪すべてがボディとのすきまが均一で、大変良い出来なりました。

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これはまさにSatisfaction guaranteed.

ご利用いただきありがとうございました。

posted by admin at 18:48| Comment(0) | アルファロメオ156

2019年10月27日

アルファロメオ156SWのサスペンション交換その1

結構な大作業になる予感は的中ですべての部品が実に硬く止まっていて分解も一苦労

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どれ一つとして楽しく作業させてくれません。

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特にリア側は苦労の連続でボルトすらまともに抜けません

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ナックルが外れてもストラットが抜けません

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フロントのロアアームに止まるおなじみのフォークも硬く、例の専用工具で締め付け部分を拡げて取り外し
166はそれほど苦労したことはありませんが、このクルマでは大変なのはサビが原因でしょうか?
それほど錆びている印象はないけどな

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こいつね。

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左はロアアームのボールジョイントが外れないからリングから出して場外乱闘でパイプ椅子攻撃

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問題はリアショックまずは車体に止めているお皿とナイロンナットを外して

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ナックル側を外せば車体からさようなら...
と思ったらなぜか外れない。最終的にはストラットとアッパーマウントを繋ぐナットを取ればスプリングの反発でストラットはミサイルのゆに発射するのですが、なんと、普通に外れてしまいます

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ストラットは外れましたがマウントが固着してどうしても外れません
ハンマーで叩こうが、抉ろうがびくともしない。とんでもなく硬い

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上側を切ろうが。下からひっぱろうが

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長い時間をかけて上下からツープラトンで攻撃でやっと外れました

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さて問題なのはリアショック。何がすごいかって

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ストラットが手で組めちゃう。サスペンションの体をなしていないです。
スプリングがここまでヘタっているのって見たことがありません
完全なるシャコタンのサスです。

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そらもー、全然違うワケでしえ。同じクルマの部品とは思えません

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僕らを本当に心配させたのはこれを見てからです
ショックも長い上にスタビリンクの取り付け位置も違う。
こりゃ、相当車高が上がるなあと。

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ジープどころか水陸両用車みたくなったら、どえらい事になってしまう。

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しかし四の五の言ってられませんから、作業を進めて行きます。
古いものは手組でしたが、新しいものはそうはいきません。
スプリングコンプレッサーで取り付けします

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マウントも新品

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一通り作って、反対側も同じく組み上げます

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リアが終われば次はフロント。
当然フロントも同じ時間を過ごしているのですから
リアと等しく傷んでいるはずです

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フロントはかなり縮めないと抜けません

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こちらもやはり短くなっています

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これにはノーマルとスポーツショック仕様と言う差がありますから
一概には言えないのですが

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ショックもまあ違います。

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新しい部品を組付けます。

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しかしこの時点で僕らはすごく不安だったのですよ
だってずいぶん長いじゃないですか

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こんな風だったり

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こんな風になってしまったらどうしようかと....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

posted by admin at 15:43| Comment(0) | アルファロメオ156

Go against gravity 156

リアサスペンションがどんどん悪くなった156SW。

遂に決別の時がきました

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比較的登場回数の多いクルマではありますが、右ハンドル、乗せ換えのMT5速です
2個口で来た足回りの部品。

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当初からレベライザー付きのリアサスだと言われておりましたが、特にポンプなど構成部品がなく、これはレベライザー付きじゃありませんよ
と思っていました。ただ部品の選定は自信がないのでマーチン氏に丸投げ(笑)

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で、届いた部品はかようになりました

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これは今年の春前の写真ですが、この時よりさらに下がりもはや看過できない状態になりました。

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しかし、恵まれたユーザーの元に行ったクルマはかわいがられます。
次回、実作業編。嵐の予感ですぜ、アルファロメオは国産車のようにはいきませんから

posted by admin at 09:39| Comment(0) | アルファロメオ156

2019年07月13日

小さいけど存在感のある部品

イタリーから流れ着いたお荷物ひとつ

これ、どうしても手に入らなくてebayで無理言って買ったのです

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ビニールの中からまーたビニールが

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中身たったこれだけ。でもこの部品どうしても欲しくて、無理を言って送ってもらったのです

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バンパーのトーイングフックカバー。これだけ。
156のお客さんのカバーは金属のスプリング部分が取れて、ブチルゴムで無理やり止まっていて、僕らもそのようにしていたのですが、暑くなるとブチルゴムが柔らかくなって、だらしなくなってしまうので、もう部品交換しかありません、となったのです。

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ところが、日本に在庫などなく、中古のバンパーも買ったらそこそこの金額はかかる。
そこでいろいろ探していて見つけたのがこれでした。

もちろん、それほど高いものではなく、これ自体は15ユーロです。
しかし... 送料がわからないのです。

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ebayもセラーにいろいろ聞けるのですが、送料を計算しようとして住所を送ろうものなら立ちどころに削除されてしまいます。
じゃあ、買うから送料はそれから教えて と買ったのです。
そしたら、送料はなんと50ユーロ! しかもDHLで。
そりゃ、あっという間に来ましたよ。両方で65ユーロだもん。
塗装も必要なので、塗装しましたが本来はなんとなくストラクチャーのある塗装表面みたいで、つるつるにするにはサフェーサーから研いで、カラーを入れないとダメです。

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小さいなりにも手がかかります。

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さて本日、晴れて取り付け。バンパー右下に穴が開いているのが見えますね。

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パチン!

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少々なじみが悪いような気がせんでもないのですが、もうこれを逃したら、いったい何時手に入るかわからないようなシロモノですからね。

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ついでと言っては何ですが、エンジンオイルも交換しました。

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いつもご利用いただきありがとうございます。

posted by admin at 00:11| Comment(0) | アルファロメオ156

2019年05月14日

アルファロメオ156SW再び

休み前にオーナーの元に戻したアルファロメオ156SW
なぜか戻ってきてしまいました。

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なぜならクレーム修理です。なんと交換したはずのタペットカバーパッキンからまだ油が漏れると

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再度パッキンを取り寄せて交換しますが、全く手順が同じで結果が違うということは?

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はい、こちらde無問題

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追加での作業はミラーのガタ修理。フレームはしっかりしているのにカバーがガタガタ振動します。
ミラーガラスを外して見てみます。

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ツメを戻してガラスを外します。熱線のコネクターを外します。

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あ、既に何かやってある!

 

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ドライブユニットを外して、状態を確認します。ボンドで一部がくっつけてありますが、すでに割れて剥離しています。

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もっと大胆にべっちょり塗りたくって がっちり接着して作業完了

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続いてリアゲート。ゲートショックがヌケて危ないので交換

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美しいSW。

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次はこの下がったリアを着手するようかなー

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posted by admin at 00:03| Comment(0) | アルファロメオ156

2019年05月04日

アルファロメオ156TS オイル漏れ修理

以前作業した156TSのタペットカバーパッキンの交換の模様。
エンジンオイルがエキマニ全般に落ちてよろしくないので交換と相成りました

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V6と大きく違ってタペットカバーP/Kの交換は手間がかからないのです 
ちなみにタペットカバーP/Kってカムカバーシールっていうべきなの?

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きれいな化粧カバーを外すと、ツインスパークユニットが現れます

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このクルマは例のリブCVボルトだらけです。これに後々苦労させられるわけですが…
コイルを止めているボルトはトルクスです。トルクスよりもさらに強いトルクがかけられるので、よくも悪くも注意が必要です

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洗濯物みたくとれるイグニッションコイルたち

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タペットカバーは9個のボルトで止まっています

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トルクスでも外せないことはないのですが 結構なトルクだったので、専用の工具以外ではなめていたでしょう。

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外れました。すごくきれいなシリンダヘッド内。

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エンジンオイルは早くかつ定期的な交換で、ブローバイの発生をかなり抑える事ができるのをV6のエンジンで見たことがあります。
インテークチューブ内にだらーりとオイルがたまっているクルマも、定期的に良いオイルを交換しまくると、全くそのブローバイ経由のオイルを見なくなったことがあるのです。僕も動脈を悪くしてから1年半、食生活を改善して血圧やコレステロール値も理想的な数値をいつでも叩き出せるようになりましたから、動脈硬化がよくなるといいのになあ

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新しいパッキンを装着して基に戻そうしたとき。

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事故が起きたのですねえ。ボキボキボルトが折れるのです。すごいトルクをかけたとかじゃなくて、締めて行って締まりきると同時に、増し締めするまでもなく簡単に折れるのです。おそらく1/4のレンチでも折れていたでしょう。
緩める時のトルクは相当なものでしたから、ボルトとしての役目を終えたのかもしれません。
ちなみにちなみに、スリーブが点いた状態のこのボルト、すでに生産終了で国内在庫もありません。

ついでに言うならこのリブCVボルト、どうやら使っているのはフィアットアルファロメオ専用で、規格の覇権争いに敗れて廃れたようです。
僕んちのは安物の台湾製工具。もうずいぶん前、フォルクスワーゲンなどドイツ車はペンタローブっていう5角形のトルクスが来ますよ!ってウルトの北村君に脅かされてセットを購入しましたが、工具箱の肥やしにしかなりませんでした。
今までにに出た規格はこのように

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工業規格ってその国独自のものだからしょうがないんのですが、作業者には負担になりますね。

で、結局リスクを考えて、同じボルトを使う6本はすべて同じ6mmのボルトに置き換えました。 

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うーん、オリジナルから遠ざかってしまいましたが、これも安全性を優先した結果です。

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V6と違ってしっかりパッキンが入りますので扱いは楽ですね。

posted by admin at 00:02| Comment(0) | アルファロメオ156

2019年04月07日

アルファロメオ156GTAが寒くなったそうです

エアコンの不調の相談で入庫した156GTA。
エアコンガスを足したらすごく冷たい風が出たと記事にしました。

http://messiah208.cocolog-nifty.com/2/2019/04/post-c994.html

しかし、その晩、いろいろ考えてしまいました。あれだけ圧力が上がっているのにガス不足とはあり得ないと…

ユーザーの訴えでは最初のうちはガスを足せば効いていたが、最近はガスを足しても1か月と持たずに聞かなくなると
でも、ゲージの上では普通にコンプレッサーが圧縮をはじめ、低圧が下がり高圧が上がる。やがて電動ファンのスイッチが入り
高圧が下がる。
にも拘わらず、パイプはそれほど冷たくならないまま。

ガスが少なくなれば、圧力スイッチが感知してコンプレッサーのクラッチの接続を止めさせるはず

どう考えてもコンプレッサーが怪しい。

そこで、一度ガスを全部抜きます。

寒の戻りで結構寒い日、ガスは不活性。

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低圧高圧共に3Mpa弱

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ガス回収機で全部抜いてしまいます。

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返す刀で真空引き。ずんずん吸ってもらいます

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このままの状態で、この日は病院で定期点検に行きます。

低圧も

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高圧も

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病院行って, MRIなる電磁の壺風呂に入って、宇宙戦争のようなサウンド聞かされて、帰ってお弁当食べて、休んで約4時間。

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全くゲージに異常が見られないことがわかります。素晴らしい結果です。1か月を待たずして抜けてしまうなら、おそらく、真空引きしてもゲージの針が戻ってしまうはずですが、全く戻らないところを見ると、やはり僕の見立て通りコンプレッサーが原因のようです。

ではなぜ、エアコンのスイッチを入れるとゲージが動いたか?
おそらく、気温が低いからだと思います。一定の条件を満たせば、ある程度の圧縮はできるのかもしれません。でも完全な壊れかけで、
自分の力で圧縮はできず、ガスを足して圧力が高くなって、勝手に冷媒が回るようになって、冷えている感じになったのでしょう。 

きょうのように暖かな日であればおそらく冷たくすることはできなかったと思います。

ここは思い切ってコンプレッサーの交換に踏み切ります。156は166と違い、エンジンマウントがぶら下がりやりにくい印象です。
例のエンジンマウントです。

http://messiah208.cocolog-nifty.com/blog/

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しかし、このクルマ、どこのボルトも信じられないくらいボルトが硬く締まっています、おそらくは北国にあった時期があるのでしょう
テンショナーを取り外したかったのですが、この15mmのボルトが折れそうだったのでやめました。その分やりにくい事この上ない

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コンプレッサーの下にはパワステやエアコンの配管が縦横無尽に走ります。

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でもコンプレッサーは取り出しやすいように作ってあります。
ちなみにコンプレッサーの上にあるパワステポンプは、よく見なかったけど ひょっとしたら、このコンプレッサーを外して脱着するのかなあ

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外れたコンプレッサー。毎度おなじみサンデンSD7V16

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そして新人は? リビルドじゃない新品です 当然Oリングも新品。オイルも封入済み

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ちょっと遊んでみたり

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真空引き大会。引いて引いて様子を見ます

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全く同じなハズですが、ほんの少し違いがあります。かぷらーのブラケットの穴位置が違って
コネクターに通すことができず、タイラップに変更

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さてこの状態のまま帰ります。ただいまの時刻、夜の9時半。さてさて明日はどうなっている事やら

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明けて翌日のお昼前。12時間以上置いても全く戻りなし。
あ、ここから、ゲージがロビンエアのものに変わりました
ちゃんとしたマニホールドゲージ欲しいなあ。日本の市場には安い台湾や中国製と、国産のデンゲンのものしか見当たりません。
もう中華製造はいらないんだけどな

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一気にガスまで入れていきますよ。元気よくコンプレッサーは圧縮を繰り返し、電動ファンも心なしか軽やかに(笑)

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冷気は強烈です。氷点下です。

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センターの吹き出し口でも0と-1℃を行ったり来たり

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これで、ご家族が乗っても安心ですね。良い夏が過ごせますように

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しかし、コンプレッサーで多い充填不良の多くがワンウエイのコントロールバルブの不良により
圧縮しても高圧側に送れず、低高圧ともにガスが動かないケースです

コンプレッサーの仕組みは↓を参照してください

http://messiah208.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-8b57.html

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これがコントロールバルブ

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今回は圧縮そのものがよくないのかもしれません。

 

 

 

posted by admin at 12:31| Comment(0) | アルファロメオ156

2019年04月02日

アルファロメオ156GTAが暑いようです

先週の土曜日にお預かりした156GTAセレ

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美しいブルーを纏う素晴らしいコンディション。今回はエアコンの修理です。
訴えによりますと〜

以前からエアコンの調子が悪いそうで、ガスを足して凌いでいたそうですが、もはや1か月でエアコンが機能しなくなったそうで
暑くなる時期を前に入庫となった様子です。

真っ先にゲージを取り付けて様子を見ます。

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直前にいつものゲージが壊れてしまったので、いにしえのゲージが登場です。
単位もMpaとPsiなので、長ーく(19年)使ったとはいえ、久しぶり(3年)に見るとずっこけそうです。

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エンジンをかけるとクラッチが繋がり、圧縮し始めます。充填が進み高圧が上がってくると電動ファンが回って冷却しシステムが稼働します。
しかし、車内はちっとも涼しくなくないのです。
一見エアコンのサイクルは正常に稼働している為に、ヒーターフラップが壊れて、温度調整ができていない方を疑いましたが

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ごく基本的な低圧パイプを触るのを確認し忘れました。
なんと、低圧パイプが冷たくありません。冷媒がしっかり噴霧化されていないか、冷媒量不足かでしょうか?
試しに1本ガスを入れると、強烈に冷たい風が出てくるじゃあーりませんか。

そもそも、この気温(15℃くらい)でありながらそんなに高圧に(ガス入れ)しないと冷たい空気が作れないとなると、日本の暑い夏に正常に圧縮できるとは思えないような・・・ しかし、こればかりは気温が上がって、エンジンルームが熱くなってくれないとわかりません。
でもたぶんコンプレッサーはダメだろうなあ、ワンウエイバルブではなく圧縮能力の低下かもしれません。ここは宿題。

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とはいえ、圧縮とガス漏れは違いますから、まずはガス漏れを探します。

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なにしろ長患いしているようですから、目視で漏れているところがわかるでしょう
コンデンサー

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配管

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コンプレッサー

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しかしどこにも漏れている形跡を見つけることはできません。

カウルトップを外して内視鏡でエバポレーター周りを見ようとしましたが、

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網が貼ってあって無理でした。

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かくなるは消去法で考えれば、エアコンケース内での漏れしか残っていません。

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このトリムの向こうがエアコンのケースです。

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ケースの中にエキパン、エバポレーター、ヒーターコアと核になるものが全てと、それをコントロールするアクチュエーターやバルブが入っています。つまり、このケースがあれば理論的にはどんなクルマでもエアコンを取り付けできます。
逆を言えば、マセラティなんかもそうですが、イタ車はいろいろなコンポーネントで組まれて完成するイメージが強いのです

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その為、エアコンケ−スがデカイ。
1番がエアコンケースASSYです

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1番がエバポレーターで2番がエキスパンションバルブです。

 

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1番がヒーターコアで、これらの発生させる高温、低音をうまく混ぜて温度調整をするのです。

 

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ああ、これはダッシュボード外しですね。まあ、暑くなる前でよかったかな?

現在部品が揃うか問い合わせ中。

 

posted by admin at 01:01| Comment(0) | アルファロメオ156