2022年01月16日

フェラーリ360のオイル交換

モダンフェラーリの旗手、最も売れたフェラーリの360
従来の考え方からすると、かなりユーザー寄りというか、マトモな考え方になっています。
それでも普通のクルマに比べるととてつもないクルマだけど

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そうそう、車体番号は助手席のシートの後ろ、一番前にしないと見えませんの

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とても21年以上経過しているとは思えないほどきれいなエンジン下側
それもそのはずで、下回りは完全にアンダーカバーで密閉されています。
そのアンダーカバーにはちょっとした秘密があるのですが、そこはまた今度

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オルタネーターは日本電装いやDENSO製品です。

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オイルを抜きましょう。画像はありませんが2か所から抜きます。

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この日はみんな忙しくて、オイルを抜きながらそのまま出かけました。
戻ってきてからオイルフィルターを交換します
昼に抜いたオイルは、夜に作業を再開します

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ライトが照らしているあたりにオイルフィルターがあるのですが、エンジン中央付近でフレームの下なので、一瞬どうやって交換するのかと戸惑います

これを本当に外すの?的な感じ。ちなみにオイル交換やオイルフィルターの交換にアンダーカバーは外す必要はありません。
すべてこれといった部品を外さずにできるのです。

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ただ、このかっこ...
体には負担がかかります

交換動作をダイジェストで

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まかり間違えてもエンジンが熱い時には作業できません

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右から入れて、左手で締める
どこかで聞いたことがあるような...

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オイルはトップテックの4100を使います

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はちみつ色のオイルです。やっとオイルらしいオイル
いつも廃油色のオイル入れてますからね〜

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オイルの量は独特の方法でチェックします。
普通に見るとレベルゲージに全くつきません。エンジンを完全に暖気させてから見ると
ちゃーんと正しいレベルが確認できます

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ええ、10L入ります。
環境?燃費?なんですかそれ
posted by admin at 23:34| フェラーリ

2021年12月31日

今年もお世話になりました

そのミラーを塗装した360ですが、もう一つ仕事が残っています。

全塗装です。

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1/12で、タミヤの物ですが

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何しろ車体に塗った塗装と同じ塗料ですから全く同じ色

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1000番で足付けしてあります。
現車はクリアーボディです。
クリアーボディっていうくらいですからクリアーが塗られているのと同じです
クリアーが存在していますからクリアーの上にカラーベースを塗装するだけです

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ところが以外に塗装が難しい。
何しろうら返しで自動車を塗装するのですから(笑)

出来上がりは上々

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さて年内最後の記事となりました。

今年も多くの方がブログを見てきていただいたり、お問合せを受けたりしました。
根本にあるのはみんなクルマ好きで、やはりクルマ好きの方々と話す時間は楽しいものです。

また、様々なご職業、ご趣味をお持ちの方々といろいろな事を教えていただくことは、何より好奇心を満たすサイコーな心のご褒美です。
新しい年も、新しい出会いがあるといいなあと思います。

1年間お世話になりました。よい年をお迎えください。
またらいねーん
posted by admin at 18:47| フェラーリ

2021年12月30日

フェラーリ360のドアミラー修理

早いもので昨日、年内最後のお客さんのクルマを納車して年内のすべての仕事が終了しました。
最後の数日間はまさに綱渡りのスケジュールでしたが、どうにか予定数を終了できました

さて、最近の仕事で、フェラーリの修理がありました。

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ミラーにキズのようなものがあって、それを取っているうちに下地が出てしまい余計な仕事を作ってしまいました
サフェーサーの図

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このまま塗装はできないので、外さねばなりません。

ドアのボルトは殆どが見えているので、比較的簡単です
尤も、目にする分だけドライバーをかけた跡に気を付けないといけませんが

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しかし、ちょっとしたところに隠しボルトがあります。

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まず銀色っぽい部分を先に外します。
2階建ての構造になっているのは、この頃のフェラーリの特徴なのでしょうか?

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続いてインサイドハンドルのエスカッションを外します。インサイドハンドルを引きながらプラスのビスを外します。
その奥に少し大きなプラスのボルトが見えます

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ドアハンドル後ろのアームレストを引き抜きます。
ツメの向いている方がフロントなので、後側から外して行きますよ

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最後に一番下側にある何とも中途半端な方向に向かって入っているプラスビスを外したら


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もうボルトはありません。


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上側に持ち上げるのですが、内側の水切りモールも一緒に外れますので、ドア後端のクリップも外して一緒に持ち上げます。

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後はウレタンフォームに埋もれたボルトを外したら、ミラーが外せます。

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そして塗装を終えたら

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分解した部分を戻して

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出来上がり

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posted by admin at 20:51| フェラーリ

2021年12月14日

フェラーリ360のライト整備

販売したフェラーリの整備第一弾

ヘッドライトの不点灯があったので見てみます

この手のカタチのクルマはヘッドライトの外し方が車種によって大きく違います。
例えば、ポルシェの993以降、あのメーカーは実に合理的な考え方なので、基本的にボルトで止まっていません。
マセラティクーペは車内からフェンダー内から複数のビスでとまっていて、脱着には難儀しました

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360はどうでしょう

基本的にフェンダーライナーは外さずに
360もフェンダー内からでした。

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取り付けそのものは3個のボルトのようですが、クアトロポルテもクーペも部分的な光軸調整はできますが、今回の360もそうですが、基本的にちゃんと光軸を調整する場合、フェンダーライナーを外したり、一部を外して光軸を調整する必要があります

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こんな巨大なタイヤを予備検査屋さんで外せるわけもなく、雨の降らない日に外して持っていくか、現地で苦労すること請け合いです

今回はどういうわけだか、このロックコネクターが外れていただけでした。
前に作業した人が、ロックが甘かったのかな??


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しかしすごいアップライトです。
レースカーのよう

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いかんせん、フェラーリは部品が非常に高価なので、作業には気を付けたいところです。

なんて思っていたら思わぬ落とし穴が...
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2021年10月20日

成約御礼 フェラーリ360モデナ

本当に久しぶりの大型契約なのです。

フェラーリ360です!

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6速F1マチックの走行17000kmの極上車です。

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3.6LのV8エンジン。12発と違ってものすごい回ります。
音がすげえです。ノーマルなのに社外のマフラーよりうるさそう
地を這うマシンでバリバリ〜

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フードもガソリン入れるスイッチもかくしてあって、今までのイメージからは逆のキーオンでしか開きません

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信じられないくらいエアコンフィルターの交換がしやすいです

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ボディカラーはブルーツールドフランス
なんとまあ、ファンタジーあふれる名前でしょ
一見、ソリッドのブルーに見えますが少しだけメタリックが入っています。

願えば叶うを地で行くクルマなんです。
本当にお買い上げありがとうございました。

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2021年09月08日

The Darkest hours are back.

昨年の初めにヘッドライトを修理したフェラーリ456ですが、何ともうライトが開かないという訴えで入庫しました

その時にどうなったかは以下のリンクを参照ください

この過去の記事にもある通り、実はもう一つライトモーターが手元に未開封のままあったので、それを取り付ける事にしました

まずはライトを上げるとウインク状態

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あっ、懐メロつながり.... いらない? いやいい歌ですよって外国の歌じゃねーか!


早速分解するのですが、ライトを開けたままにするには開けた状態でバッテリーを切らないといけません。
通電していると、いつ噛まれてしまうかわかりません。

で、カッと見開いたまま電気を抜かれてしまった状態で分解します。

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取り外しはいたって簡単です。

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続いてモーターも外します。

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そしてこれが自動車に置きざりにされたモーター
見るからに古そうなのが来ました。

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もう付ける前から嫌な予感。

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先にモーターだけつなげて通電させるもうんともすんとも言いません。
入っていた袋のタグを見るとリトアニアのようです。
そんなところに456なんてあるの??
と思ったら、どうやら同じ部品を使っていたボルボ480の部品のようです

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うーん、僕が直したモーターを再度修理することになるかもしれません

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しかしまずはこの古いモーターがなぜ動かないかを検証してユーザーに知らせないといけません。
ベルトサンダーを用意して

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カシメを削ります

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中から出てきたのは・・・・?

なんとガビガビに錆びた中身じゃあーりませんか!

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電極部分もこの通り壮絶な詰まり具合

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急遽、直したモーターのべっちょり塗ったシーラーを剥がしました。
しかし何で動かなくなってしまったのでしょう?

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フタを開けてみると
バサバサの中敷きが出てきます。

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この中敷きのスポンジだか紙だかがボロボロになって

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給電棒に粉と言うかカスが溜まり、絶縁してしまようです。

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簡単に原因はわかりましたが、もん代はこの紙みたいな部品を無き者にして戻して大丈夫なのかです。

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しかし、あってもこのザマです。

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いっそ無き者にしてシーリングをしっかりやればいいんじゃね?
となり、円盤や電極をクリーニングしました

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そして再び貝を閉じてシーラーをさらにべっちょり、ケーキ職人になっていきます。

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ここから先はとてもじゃありませんが写真など撮っていられません。
何もかもシーラーだらけになってしまいます。

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べっちょり塗ったくってやりました

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前回よりパワーアップ...させているつもりです

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あとは戻して出来上がり

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無事に動いて、ユーザーの元に帰って行ったのでした。









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2021年05月09日

フェラーリが大変でこまっちゃう 其の弐

テス太郎さんの修理の続きです

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新しい、といっても中古ですが、修理したサクションファンを取り付けます
先に用意したガスケットの数々

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うう、ここに至るまで五か月も要してしまいました。

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こういった仕事ばかりをこなす専門工場って偉大だなあ。
部品の入手ルートも結構いろいろないとできないだろうし
テンパーチャーセンダーもしっかり締め付けて

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茶こしもよく洗浄して

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取り付けです
ここからは駆け足。

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例のとんでもない値段の巨大なオイルフィルター

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どーんと取り付け

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タイヤもノーマルに交換します。

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エンジンフードですが、これは完全にテスタロッサのオリジナル部品

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しかし、見た目の美しさとは裏腹に意外に粗い仕上がり

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別に事故を経験したとかではないんですよ。
この頃のフェラーリって、手作りなせいか見えないところは結構粗かったりします。

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エンジンオイルを注入中。14L入ります。
軽自動車5台分(笑)

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今回オイルはMos2 10W-40
部分合成油でちょうどいい感じ。
15W-40になると化学合成油なのです。

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実に見やすいレベルゲージです

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これ自体がオイルフィラーキャップなのです。

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そして無事に車検を好成績でパスして、ユーザーの元に帰って行ったのでしたー

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2021年05月04日

フェラーリが大変でこまっちゃう その壱

オイル漏れ修理と車検のテス太郎くん
やっと部品の目途が付いて作業開始です。

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正直なハナシ、プレート外したら作業終了みたく簡単なんじゃね?
なんて僕もEくんも軽く思っていましたが、ぜーんぜんそんなことないのです

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クルマの下がまったいらで、プレートだらけ。
どこに何が入っているかわからないパネルクイズアタック25状態。

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そのパネルを外していくと縦横無尽に走るフレームの中に目的の壺があります。
これを外すのが実に大変でございます。

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クルマから黒い川を作っていたサンプ用タンク

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これがその壺の底部分です。
今回はこれを交換するのです

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分かりにくいですがこれが壺本体。

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エンジンオイルを排出します。

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1か所からではありませーん
しかも大量に出てきます。

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燃料タンクもこんにちは。
昔ーしからこのメーカーの燃料タンクって宇宙船みたいな感じなんですね。

そしてこれが巷でウワサのオイルフィルター

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その壺からエンジン方面に行くぶっといホースを外したところ。

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そしてこれがそのぶっといフレキシブルホース

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壺の底が取れたところ。
しかし、このような状態になるのにどれだけの時間を要したことか
もう少し考えて作ってほしいですねー

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壺の底にも茶漉しの網が付いていました。
パーツリストに載っていたかなー?

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と言う事で今回はここまで
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2021年04月21日

テスタの壺の蓋


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悲しい事にクラックが入っていましたが、修理をジュンオートメカニックで有名な田中工業株式会社にお願いいたしました
関係する部品、つまり温度センサー、ドレンボルトです。

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今回画像右下の「壷」の底の蓋を交換するのですが、シール類は全て交換します。
画像85番のドレンボルトも81番の温度センサーも例外ではありません

預けて数日後、早速電話が。
それは思っても見ない話でした。
ドレンは1.5mmピッチですが、センサーはPTネジだと!

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確かに渡す時に2つのどちらの穴にもドレンはクルクル入っていくのですが、センサーは途中で止まってしまうのでした。
PTネジというのは簡単に言えば、ネジがテーパーになっていて、それ自体がシールの役割も果たしています
自動車の世界では滅多に使わないのですが、フェラーリには出てくるのですね。
だから、センサーにはシールワッシャーがないのか!

すると、この部品のクラックにも合点がいきます。
アメリカはペンシルバニアから旅をしてきたこのふたは、もとは言えば、このPTネジを締めすぎて割ってしまったと考えると辻褄が合います
アメリカの人は、ふつうのネジと勘違いして、一番奥までがっちり渾身の力を込めて締めてしまったのでしょう

それこそ、今回修理に出さなかったら、僕もそこまでは考えなかったかもしれません。
PTネジにタップはあり得ませんから、作戦変更して、一度埋め戻して、新たにネジ穴を作る形にしました

そして帰ってきたのがこれです。

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完璧に修理されています。漏れてくるかのテストを専用の液剤を使って確認してあるそうです

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裏側もしっかり溶接してあります。
裏側にもクラックは広がっていたのですね。

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どこに修理を出そうか思案中にアイディアをくれたのはMSの小河さんでした。ナイスですね〜
1月から修理と車検にあずかっていたテス太郎さんもついに動き出すかな?
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2020年10月19日

フェラーリV12の発電

先日出かけた時に一時的にバッテリーの警告灯が出たようだとの訴えがありまして、点検の為にお預かり

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エンジンルーム内にバッテリーがあります

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エンジンをかけて電流量を測ります。
マイナス表示なのは出て行っている つまり消費している電流量。

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一方、もう一つの太い配線の電流を測ると、こちらはオルタネーターから来た充電電流。
少し放電量より低いのは写真を撮る際のピークの違いですから、おおむね同じか少し上くらいと思ってください。

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続いて専用のチェッカーでバッテリーの元気度やオルタネーターの発電を見ます。

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バッテリータイプVRLA〜ENと選び

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CCA(コールドクランキングアンペア)値をバッテリーの表示基づいて入力します。

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テストボタンを押すと

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いいですね。まあ、交換して日が浅いですから当然ですが

続いてオルタネーターテストです。

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電装品のスイッチが切れている事を確認しエンジンを始動します。

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大変に良い結果です。

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続いて負荷をかけた状態での発電量を検査します。

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ライトやエアコンなどノスイッチを入れます

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このリップルが出ないと、オルタネーターの故障を意味します。

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全く問題ありません。

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 しかし、モニターに一瞬でも充電不良のアイコンが出たという事は、きっとなにかしらのノイズがあったのではないかと
警戒してしいます。
症状が出ないと勝手に作業はできませんがね

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2020年05月31日

思わぬ落とし穴

いやあ、この1週間くらい本当に忙しかった...
それはもう、トランプ大統領や全盛期のピンクレディー並みだった
この間の土曜日。まさに1時間刻みのスケジュールで

9時に犬猫病院のお客さんの所でCX-5引き取り、これは夜返しのスタッドレスから夏タイヤの入れ替え
10時外注先に頼んでいたbBの車検の引き取り。車検が集中しているためにオーバーフローを消化するため
10時40分には工場で請求書書き
11時にマセラティQPの車検依頼のお客さんが来店
11時40分に駅まで送って
12時15分くらいにお昼ごはん
13時にタイヤ館に、ブリジストンタイヤの掛け売りの支払い
13時40分にE君のガレージに行って
14時20分に日高のおじいちゃんのガレージにアストンマーチンの回送。そしてらガス欠でエンジンかかんねえでやんの
15時30分に飯能の置き場にアストンを置いて
16時に工場 
16時30分やっとCX-5のタイヤ交換を開始
17時bBの引き渡し
17時半から再びタイヤ交換作業
18時半CX-5のお客さんの元に到着。過労のあまりトルクレンチでの締め付けトルクの確認を忘れたことに気が付いて
19時再び工場にトルクレンチを取りに戻って
19時半にお客さんのところでトルクレンチをカチカチ言わせてお疲れ様でした。

この合間にもウオーターポンプの交換の見積もりを書いたり、ブログを見た人からの問い合わせに対応したり
と獅子奮迅の働きでした。
意外にやる事あるのですよ

作業を遅らす原因の一つに作業場の狭さの問題があります。
MPIの設立当初はここまで自動車が大きくなるとは思わず

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こんな巨大なクルマが入るとすぐに手狭になってしまいます。

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で、今回の入庫の目的はと言いますと

スローパンクなのです。さすがに背筋に冷たい汗が流れます。
今回はブラストまでかけて剥離しているのですから

車検時のホイールの塗装後、1週間くらいで空気が抜けてくるとのこと
再び入庫と相成ったわけでございます。

今回の一件は早くからタイヤのビードを疑う声があって、先にタイヤを確保しようと言うハナシになりました。
アメリカのタイヤ通販のTIRE RACKに発注をしましょうと言っていたのですが
なんと325/30-19と言うサイズのミシュランパイロットスポーツ4が国内にあったのです
さっそく取り寄せて作業しました

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とてつもなくデカいタイヤですが、今までは345/30-19でした。

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念には念を入れてホイールのビード面だけサンドペーパーを当てて均します。

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そして取り付けに回します。

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不思議なことに325でも345でもタイヤ大きさはそれほどかわりません

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と言うことでこれはこれで専門家にお任せしてタイヤ館を離れます

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出来上がったタイヤたち。今回は塗装の剥離もなく、大変に満足できる内容でした。

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後から、見せてもらったのですが、この指の先にわずかな気泡が出ているのがわかりますか?

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これが今回の原因だったわけですよ
やはり、何度も付けたり外したりしたタイヤですから、ビードの傷みが原因ではないかと担当Aくんの見解でした。

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2020年04月11日

V型12気筒

自動車の中ではチゼータやW16シリンダーエンジンが現れるまで多気筒シリンダーの頂点の自動車のエンジンでした
イタリアは古くからV型の12気筒エンジンを創る技術に優れ、今日まで長く生産され続けています
尤も、日本のセンチュリーや第二次世界大戦中のドイツ軍の「キングタイガー」戦車など技術的にできなかったわけではなく
おそらく、12個もシリンダーを持たせなくても8個もあれば同じようなパフォーマンスを再現できて、コストを削減できるところから作らなかったというのが、ホントのところかもしれませんが

このフェラーリF116、5500ccもV12気筒でそれは巨大なエンジンです。

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エンジンルームの大半を占めて重量も相当なものなると思います。

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先にも書きました通り、V8に比べれば4つのシリンダー分の部品が必要になります。それは単にピストンが4つ増えるだけではなく当然、12本のピストンリング、16本のバルブに、4つのインジェクター、IGコイルにプラグにと...
ところが、部品だけではなくエンジンが長大になるぶん、エンジンオイル量も増えて、さらにはブローバイガスの発生も多くなります。一概には言えませんが一般的に考えてですが

維持する方も大変なら整備する方も大変でして、この手のクルマは恐ろしいまでに部品点数が多いのです。

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右から吸気温度センサー、イグニッションコイルがチューブの下に見えてエアマスセンサー
電動ファンのヒューズの陰に、アイドリングに必要な空気をスロットルボディを介さずにマニホールドに供給するアイドルバイパスバルブが隠れています。
アイドリングのトラブルの陰にはこのISCVが隠れていると言っても過言ではないというほど重要な部品です。
それゆえ、部品も結構な金額します。中にはバイメタルが入っています。
余談ですが、最近のクルマにはこのバルブは付いていません。スロットルバイワイアーになってからは、電子スロットルになって必要な空気量はすべてモーターライズドされたバタフライが行うのです。

さらに小さなホースがたくさん使われているのも見えます。
これらが全て後に直す側のアタマを悩ますのですが。

小さいホースを連結しているのはブローバイホースで、右にスロットルボディが見切れています。
スロットルはスロットルワイヤーを使う、スロットルバイマッスルです。
EGRバルブも見えます。

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縦横無尽にブローバイのリターンやウオーターホースが走り回ります。
これらの装置というか部品が反対側にも、ほぼそっくりあるのがミソです。

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当時としては最先端でも今となっては古いシステムです。
かつて、チューニングカーで追加インジェクターなる方法がありまして、常に燃調は全ての源でした。
古代の方法と笑うことなかれ、シングルバレルのキャブレターから始まる燃調は、日本では採用されなかったKジェトロ
電気式になったKEジェトロ。
日本ではセントラルインジェクションなる方法で発展しました。
そして日本では長くLHジェトロ
少し違いますが、ヨーロッパではMジェトロの時代が来ます。

筒内噴射が当たり前になった今日、燃調ははるかに取りやすくなり燃費は極端に向上しました。
同時にスパークプラグの役割が大きくなり、またインジェクターは極端に厳しい環境下に置かれる為に、ノズルの耐久性が大幅に改善されました。
そのダイレクトインジェクションの今の時代からみれば、このエンジンも前時代物です。

振り返れば割と最近の事に感じるようなのですが、自動車はずいぶんと進化しているものですね。

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2020年03月17日

Beyond the internal pod

12気筒のエンジンのデカさを感じる瞬間はエンジンオイルの交換の時です
大排気量のクルマはみんなそうかな?
マセラティやフェラーリはじゃんじゃんオイルを出しますから
入れる量も当然大量。すると仕入れる量も多いので支払いも大変(笑)

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基本的にドライサンプなのでエンジンオイルパンにはあんまりオイルが入っていません

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だからカタチもなんだかオイルパンっぽくありません

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メインでオイルが入っているのはこの部分で、私たちはこれを壺と呼んでいます

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壺の底のドレンの横には消防のホースのようなチューブが付いています

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排出します。じゃ〜って感じ
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こちらは どぼ〜て感じ

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2か所で受けます

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のたくっているホース群。太いホースはエンジンオイルパンに、細い方はオイルクーラーとポンプ

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とにかく部品点数が多いです

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オイルフィルターも2個

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左右のバンクに1つずつのフィルターとか思うじゃないですか?
別にそうでなくて中は繋がっていて、ただ2個で濾しているだけなのですね
アホな造りだわ。イタリア車らしいじゃあーりませんか

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赤いラッパにエンジンオイルが流れるぶっといステンメッシュホース、2個並列のオイルフィルターとどこまでも非日常のクルマ

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廃油はエンジンから4.5L

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壺から7.5L

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5w-40トップテック4100 5Lを3個用意して13Lだと少し多いくらい

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廃油はいっぱい集められて重油となって生まれ変わるのです
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2020年03月14日

フェラーリ456MGTA 燃料計のトラブル

長ーく車検で預かっている456M GTA。ユーザーの訴えでは燃料計が合っていないそうで、そう聞くと燃料計が壊れているように聞こえますが、メーターが壊れているケースはかなり稀で、ほとんどの場合センダーユニットが壊れているケースが多いのです。

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これがタンク。3つ穴が開いていてこの絵で言うところの2番がセンダーユニットです
しかし、このクルマはエンジンがV型12気筒、排気量5500ccでリッター何キロ走るかなんて野暮な事を聞いてはいけません
ただ、タンクは130Lくらい入ります。エンプティまで使うと、セルフのGSでは1度の給油では満タンになりません。
100L入れると自動的に止まるのです。再びクレジットカードを通して給油を再開しないといけないのって知ってました?

という事で分解を始めます。タンクは下から見てもシートを外しても見つからず、130Lものガソリンを飲み込むタンクはどこかと思ったら、トランクの奥にありました

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トリムはマジックテープで付いていました。
マジックテープは? もちろんボンドでくっついています。
ちなみに右に見えるのはスケドーニのフェラーリバッグ。これは工具入れです

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ボルトがたくさん見えます。6mmのボルトがたくさん、しかも長いです。
木でできているようなトリムの芯材が外れたら....

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宇宙船が出てきました

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ショッキングなカラーです。まさしく宇宙船です。
宇宙船には燃料ポンプが2つと燃料計が付いています

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これが問題のセンダーユニット

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ほとんど満タンな今までの状態

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新しいセンダーユニットを取り付けてフロートを動かして、メーターがちゃんと動くか見てみます。

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フロートを上げるとゆっくり上がって行きます。3,4分かかって満タンになりました

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下までフロートを下げると、やはりゆっくり下がり

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エンプティマークが出ました。どうやらメーターは問題ないですね

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では交換作業しませう。マーカーでマーキングしてリングナットを回します

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ハンマーと叩く用ドライバーで回します

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徹底的にかっちかちに締まっていましたが、破壊力抜群のEくんの1撃で緩みかけたらボルトを溶接した道具で回します

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出てきました。
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奥が従来の物、手前が取り寄せたセンダー。フロートの形状が違います。

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ちなみにもう既にこのセンダーユニットも新品は手に入らず、中古品です。
中古品でも結構な値段です。
マセラティのQPやグランツーリスモなんかでも使っているようです。

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結構な量のガソリンが見えます。

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新しい中古のセンダーを付けて戻します

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どうやらこれが本当の位置です。ほとんど満タンだった位置からすれば結構減っているのが解ります。
以前なら半分になったら実際には1/4になる計算です

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えー、でもマセラティは結構な台数出ているのに、センダーユニットが無かったら大変じゃね?
結局、部品探す、見つける、手に入れる、こんな事に腐心する結構大変なクルマなのです。もう3カ月僕の所にある計算です。
でももうすぐお返しするのですよ
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2020年01月21日

フェラーリ456Mのヘッドライト修理その3

まずいなあ、クルマの台数が多くなって身動きが取れないのでーす
時間がかかるのが多いのだ。
これもその1台ですが、少し時間がかかってしまいましたが今回は前回の続き

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カシメ部分を削り落としてモーターの中をご開帳。
さて基盤はどこにどのように??

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なんだこれは

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まさかこれで開閉してたのお?

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なんと超アナログ。昔のタミヤのリモコン車の仕組みと同じです



2つのスティックで、様々な動きができる仕組みです。
ちょっときれいにしてみると

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ギアの中に金属のコンダクタプレートがあって、その金属プレートに一部切り欠きがあるのがわかります。
文字にすると分かりにくいですが、あえて書きますと

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青、赤、白そしてグランドのグリーンとブラウン。
赤か青の線のどちらかには常に12Vが流れていて、たとえばライトが閉まっている時は赤に12Vが流れていますが、電極がプラスチックのところにあるので、白のモーター線に電気は来ずモーターは動きません。すごろくの1回休みみたいな感じ

ライトスイッチをONにすると赤が0Vになって青の線に12Vが流れて、青の電極はギアの上の金属板にあるので、通電して白線のライトモーターに通電してライトがポップアップするのです。
ライトが一番上の位置に来る頃、青の電極はプラスチックの上に来て、青の線に12Vは来ますが絶縁されてモーターが止まります。

パワーウインドウやワイパーはモーターが始まりと終わりの位置を電磁的に覚えていて止まったり動いたりするのですが、そんな高級な仕組みではなく
70年代の電動で動くゲームや、タミヤの工作シリーズの仕組みに良く似ています

ところが長く使っていたら、電極とコンダクタプレートの間にカーボンのような抵抗物質が蓄積されてしまい最後には通電しなくなったというのが事の顛末のようです

そこで、端子の先をサンドペーパーで研磨してバネを少しよいしょっと起こしてあげて

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汚れていたコンダクタプレートを磨いて

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通電可能なグリスを塗って

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元に戻します。削ってしまったカシメのリベットの代わりに3mmのボルトナットに置き換えますが
直接コンダクターがプレートに接触して給電している仕組み上、水分の親友は大敵です。
錆びたら通電しなくなるし、電極が錆びて朽ち落ちてショートさせたり、通電しっぱなしになったら大変です。
建売りみたいな値段のクルマを燃やしかねません

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だからこんなにユニット全部をシーラーで防水していたのですねえ
じゃあ、僕もそのように。みっともない出来ですが、防水することが重要でしょう。

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べっちょり仕込みました
これだけじゃ見苦しいので、ちょうどNV200を塗っていたので

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なんかやりすぎちゃった感がありありですがまあ、可動ファーストで

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でっきるかな、でっきるかな はてさてうっうー♪

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ナイスですね〜

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動かなかったライトが動くようになりました

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でも既に中古のモーターが日本を目指しているようです。

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まだまだ続きます
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2020年01月11日

フェラーリ456Mのヘッドライト修理その2

スーパーカーのアイコン、ポップアップするヘッドライトがあがらない456の修理の続き
モーターが外れたので見ていきますと
ボッシュの商品です。
これがまた特殊と言うより他にないものでして。
MR2とかは違うと思うんだけど
この部品がレアな様子で、当然のように新品はありません。

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イギリスから中古の商品が1つ来ているので、それを生かして古いほうは分解して原因を探り、調子が悪く部品探しも難航している左側に情報を生かそうと思います。
きったない中古のモーターでもかるーく6万円以上するところがらしいところ。

モーターのカンの部分は簡単にペロッと剥がれましたので、こりゃ他もいけるかな?と思ったのもつかの間

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それ以外はぜんぜん取れません。
セメントみたいに見えるこれは、どうやらシリコンシーラーのようです。
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それがべっちょり、しこたま塗りこんでいるのではがすのは超大変。

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また部分的に配線が出てくるのでカッターなど鋭利な刃物が使えません。

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半日以上かけてはがしました

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肩透かしをくらったのがここに基盤があるだろうと思った場所になんと全く基盤などありません。

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5極なので、これで配線の特定はできました。

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見た感じ茶色と緑色はアースで間違いなし

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さらにほじっていくと何か電子部品が見えます。と言うことはこの奥に基盤??

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どうもそんな感じじゃありません、でも通常パワーウインドウなどはスタート地点(ウインドウの全閉全開位置)は電気的に信号を持たせてモーターはそれを元にON/OFFをしているので、このフェラーリだってモダンな方ですから同じ制御方法でしょうと思っていました

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この部品がなんであろうか調べると

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一般的なシリコンダイオードです。ダイオードは一方に電気が流れる仕組みのために逆電流防止や、サージ電圧を整流したりと役割が分かれています。またLEDなどに使うバラバラの電圧(流)入力に対して一定の電圧電流を一方方向に出す定電圧(電流)ダイオードなんていうのもあります。

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実際に接続してどのように電圧が流れるのか見てみます。
そもそも、先にヒューズ、リレーを点検するのは大前提で、エマージェンシーハンドルをクルクル回すと、突然動き始めるモーターなので、モーター本体のトラブル(ブラシなどの)ではないことは解っていました。ですから繋げば電圧を見ることができます。

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するとこうです。

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ライトを点けると

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青の配線に12Vが流れて白いコードに12Vが流れて、ライトが上がります。
ライトを消すと赤い配線に12Vが流れて、その先の白いコードに12Vが流れてライトが閉まります。

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でもライトONで青い配線に12Vがずーっと流れっぱなし 白い配線には5秒くらい12Vが流れるだけ
ライトOFFというかキーをONにした瞬間から赤い配線に12Vが流れっぱなし。ライトをOFFにした瞬間5秒くらい白い配線に12Vが流れます。
これはこの先にマイコンチップがあるに違いないと

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するとダイオードで逆電流の防止も理解しやすいです。
先がモーターなので、相手はコイルですから条件が重なると逆に発電して電装品を攻撃する場合もあります。
おそらくはその部分が壊れてライトは開かないのではないかと思っていました。
しかし、しかし5Vで作動させることが多い小さな基盤なのに1sqを超える太さの線使うかなあ?

この後に分解をするまでは少なくとも思っていたのですよ....


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2020年01月09日

フェラーリ456Mのヘッドライト修理

存在だけで周りを圧倒する存在のフェラーリ。
工場に来た人もみんな見て帰ります。

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人によってはどれくらい費用がかかるのですか?なんて気になる事を聞いてくる人もいます。
では傍から見ると華やかなフェラーリなども、整備側から見たスーパーカーとはどんなものなのでしょう?

大変なのです 作業そのものだけでなく、仕事になるまでが。

このクルマが入庫したのは昨年の12/9ですが、今 やっと作業中です。
この手のクルマが入庫して、何か不具合があればまずPCの前に座って部品探しから始まります。
ずーっと時間をかけて、いつも買っているアメリカやイギリスの部品専門店、ベルギーの中古部品店などにinquireを出し、結果を待ちます。

新品など手に入らない場合、中古を当たり直します。ebayも
また互換のある車種も探します。クロスリファレンスなんて言いますが、何かしらヒットするのを探します。
外装部品などは専用部品がほとんどですから社外品は望めませんが、機構部品なら結構あったりします。

今回はヘッドライトが上がらないそうです。
ヘッドライトがポップアップしない原因は
@リレーなどの根本的な通電不良、Aギアなど機構部品が何かしらの理由で硬くなったり、重くなったりして動かない。Bモーターのブラシ摩耗などの電気的不良などでしょう

で、今回もまずは、リレーを点検します。リレーに問題はなく、ヒューズも大丈夫。という事で@は問題なし。
先にモーターからリンケ−ジを外してライトのポップアップ機構を手で上下させて、軽く動くことを確認したのでAも問題なし
消去法から考えてBであることは明白なのですが、分解して点検します

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フレームが回り込んでそこにいろいろくっついていて、いろいろなボルトやナットがあって、そこにうまくいろいろな部品付いてています。よくできているなあと思います、ちょうど家を建てる時に使う、先行足場のような感じ

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しかしフェラーリらしいのが、ライトのモーターを外すのにいちいちパワステフルードのタンクをどかさないと、モーターのシャフトがひっかかって取れないのです。

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これもフレームについているのです。なんだか手作り感満載のタンク。
ベントレーなんかもそうですが、高級車って一点物が多いですね

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これがモーターASSY。なんかキモチ悪い感じですね

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では反対側。左のライトは一度ライトが出てくれないとリンケージを外す事ができません

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緊急の時はこのハンドルをくるくる回して手動でポップアップさせるのですが、
手でしばらくグルグル回すと、突然モーターが動いてがばっとライトが開いて、すぐにバタンと閉まってしまいます。

その早業、ドリフのコントのよう。開かなきゃ外せないのにハマグリのようにしっかり締まって開きません。開きませんから外せません。

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埒が明かないので、ポールに手伝ってもらって、ハンドルをクルクル回して突然がばっと開いた瞬間にバッテリーのマイナス端子を外す作戦で...

上手く行きました。
ご起立ジャポン

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このライトもおバカな造りで、ライトが開くと取り付けボルトがライトリッドの陰になって、すごく回しづらいです

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そして低い車高なのにデカいボンネットなので、作業に没頭していると、立ち上がったり身体を入れ替えたりするときに頭をフードにぶつけて悶絶する羽目になります。
宇宙素材でできたボンネットはウン百万ほどするらしいので、頭が割れるよりフードが割れる方が問題です

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なぜだか知りませんが左右のライトの大きさが違います。なんで??

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モーターを出します

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コネクターも大きい5極です

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こちらも取れました

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なんかモーターが何かセメントみたいなもので包まれています

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さて、部品番号は左右で違う番号が振られていますが、どう見ても同じモーター
しかも取り付け位置や向きも同じなので、これは同じ部品なのでは?
と思いますがねえ?

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コネクターは線色こそ違いますが、形状は一緒
かなり立派なコネクタですね

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とにかくいかにも手作りなクルマなんです。なんでもボルトナットで付いてるし。
エンジンだけは素晴らしいけど....と持ち主の方はため息まじり

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さてこのモーターが問題なのです。
世界的に欠品していて、みんな探しているのだけはわかりました。
当然のように新品部品などニホンオオカミのごとくです
ボルボ480というクルマに同じ部品が使われていることもわかりました。

ところでボルボ480って....? これって徳川埋蔵金探しレベルじゃね?
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2019年07月24日

フェラーリ456M GTAのワイパーブレード交換

暑い、というか蒸し焼きにされてる気分。ついに夏がやってきた感倍増。涼しい日々は贅沢だったなあ。

さて今回お預かりのフェラーリ456MGTA。依頼その2はワイパーブレードの取り換え
運転席側のブレードはどうにかできたが助手席はできなかったから、取り換えてというご依頼

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それもそのはず、この456ってかなり変わったワイパーアームなんですよ。左側は比較的普通で、
国産のワイパーが普通につきますが助手席は↓のよう

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良く見えなかった方の為にもう一度。手に持ってパンしていくと

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Uフックが反対向きなのです

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 上に向かっているのです。

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456はみんなそうみたいでパーツリストのイラストも上向いています

 

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西武いやパドレスの牧田みたくサブマリン。

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下側から上に向かってアームを差し込みます。

 アームが下から入るのでブレードにぶつかってしまいます。
そこであたる部分を削り取ってしまいます。

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サンダーやエアやすりで削ります。何度もフィッティングを確認しないといけません。

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 イレギュラーな内容なので、出来はあまり期待できませんが、取り付けることはできました。 

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なんかどこまで変わっている感じはちょうどベーゴマのペチャみたい。

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いや、その中でも王様のペ王様だな

もはやフェラーリとは全然関係ないけどこんなの見つけてしまった

 

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2019年07月22日

フェラーリ456MGTAのサンバイザー交換

みんなが大好き、素晴らしいデザイン、素晴らしいエンジンを造る国イタリア。
同じく皆さんが口を揃えるのが、「エンジンは」あるいは「デザインは良いんだけどね〜」

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このクルマもやはりそうです。なにしろ部品点数が多い。多いから壊れる可能性も高い〜

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バイザーのプラスチックが欠けてしまったそうで、今回はその交換。

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普通、バイザーの交換って、すごく簡単か、ちょっとしたテクニックを用いて外すのが通例ですが、このクルマに関してはそんな事通用しないようです。
バイザーについているバニティミラー用の照明のコネクターが長く、奥のほうで止まっている為にルーフライニングの取り外しが必要になるようです

そこでなるべく最小限の手間にするため、最小限の分解をします。まずAピラーのカバーをはずして、オーバーヘッドコンソールというか照明を外します。

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ある程度隙間が出来ますから、そこからうまく手繰り寄せるのです。たったこのコネクターを外すのに結構な手間がかかります。
普通はバイザーを外してからルーフライニングを外すのですがね

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下がいままで付いていたバイザー、上が交換する中古のバイザー。

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もちろん既に新品なんかありやせん。あったとしても末恐ろしい値段。そこで今回はベルギーからおこしになった部品を使います。
ビスは例のポジドライブです。フェラーリにも使ってやんの

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こう、完全な手作りのクルマって本当に大変でなかなか元に戻らないのですよ。全てバカ穴、全て調整用のシムが入っています。

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だから、取り外すときに気をつけないとシムがバラバラになったら解らなくなるのです。一見入れなくても変わらないように見えるのですが組み上げ終わった後や時間が経った後にスキマなどに問題が出たりします

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NSXなんかもそうです。お気をつけあれ。

 

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2019年02月09日

テスタロッサのブレーキ

少々前の話ですが、テスタロッサのブレーキ引きずり問題の件

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左右のフロントブレーキとも引きずっていまして、なんとも剣もほろろ

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その時の模様は↓
http://messiah208.cocolog-nifty.com/blog/2019/01/system-failure.html

結局、キャリパーの錆、ピストンのサビが原因。ピストンは交換し、キャリパーは研磨します

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ピストンは8個。ピストンシールがあまり良くなかったようです。
さびてガジガジになっています。
これを全て手磨きで、研磨していくのです。

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うーん、Eくんがひたすら研磨してこんなにきれいにクリーニングしてくれました。
手が取れちゃいそうなほど大変で、途中の苦労の画像は無いのです

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シールが引っかかる溝の中も徹底して作業されています。対向ピストンなので、ホーニングブラシが入らないので、ひたすら手で研磨するわけです。

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ピストンとシールを組んで出来上がったキャリパー。

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すごいキレイですねえ。

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ホイールは信じられないほど軽く回り、ペダルを踏めば4つのピストンががっちりローターをホールドします。すばらしいパフォーマンス

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ついでにオイル交換の図。壺の底のドレン、もうドレンのねじ山がやばそうです。次回のオイル交換の際はここも交換するようではないかと

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そしてオイルパンにも小さなドレンがあります。左のデカイドレンはM/Tオイル用

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画像じゃわからないですがでっかいオイルフィルター。シフトコントロールロッドが見えます。

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今回オイルはスーパードライブハイテック10W-40。

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ライト、ブレーキ、排気ガス
こうして車検はクリアしていくのです。

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posted by admin at 23:59| フェラーリ