2021年04月14日

メルセデスベンツE240ワゴン エンジン不動2

先日、レッカーで運ばれてきたW210ワゴン。S210って言うべき??

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診断機の情報に基づいて、クランクポジションセンサーを交換しました。
するとたちどころにV6エンジンの咆哮を再び聞いて、納車に向かう手はずでした。

でした?

センサーを交換してキーをひねると1度ブォーン!とふけ上がったと思うと、間もなくエンジンが止まってしまいました。
むむ?何?
緊張が走ります。

その後再びエンジンがかかることはありませんでした。
キーオンで耳を澄ますと、燃料ポンプの音が聞こえません
一難去ってまた一難
まるで二つの嵐に翻弄されるアンドレア・ゲイル号のようです。

メルセデスは電子キーの異常やクランク信号が無かったりすると燃料ポンプが動かなかったりするようなので、はっきりとは言えませんが、その後の診断機には異常を示すコードが出てこないので、状況証拠からポンプではないかと踏みました
つまり偶然にも2つの故障が存在した。もしくはクランクセンサーの故障の直後にポンプが壊れた
または逆に、ポンプが壊れていたのに、s尾ノ後クランクセンサーが壊れたか....

さすがメルセデス。部品は頼めばすぐにやってきます。

本当にアンドレアゲイル号にさせない為に全力で作業に当たります

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メルセデスの燃料ポンプはアルファ系とは違い、車両下部にあります。
ジャッキでしか、MPIでは対応できません。Eくんの所に持って行ってもらえばよかった

バッテリーのマイナス端子を外します

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ちなみに現地で取り換えたバッテリー。約7年前に交換のようです。
よく持ったなあ。さすが純正品。いや、まぐれか

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下にもぐってカバーを外すと出てきます。ポンプの故障も定番ですが、このクルマは履歴が無いようです。
カシメのホースバンドですし。

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もう一人に運転席にすわってもらって、キーオンにしてもらい、端子のカバーをめくって電圧を確認すると12Vばっちり来てます。
すると、ウイーンと言うモーターの作動音もします。
試しにエンジンをかけると普通にかかります。

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しかし古いポンプに用はありません。
たとえ、この場で動いていても容赦なく切り捨てます。

フューエルキャップを外してタンクの圧力を抜いて作業を始めます。
タンク側のホースをピンチオフツールで挟んで、ガソリンの漏洩を防ぎますが、ちっとも止まらないので
やむなくバイスグリップで挟みながら作業しました。
ホースが傷んで燃料漏れになりかねないので、あまり推奨できる方法ではありませんが...

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全ての作業がスムーズに行って、エンジンを始動させると元気に一発始動でした。
他のバッテリー交換が起因したエラーコードを消したり、ステアリングアングルセンサーを一通りクリアしたら出来上がり

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昨日も今日も問題なく始動できたので、修理は完了とします。

しかし、ちょい古欧州車、良く壊れますなあ


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2021年04月10日

メルセデスベンツE240ワゴン エンジンが不動

金曜の朝にお客さんからエンジンがかからなくなりました、と電話を頂きました
「たぶんバッテリーだと思います、
ちょっと前からかかりにくい時が、何回かあって近いうちにMPIに行かないとなあ
と話していたんですよ」
との事。ありがたいですねえ。

土曜日にどうしても外せない仕事があって、可能なら何とかできますか?とのこと

僕は「承知しました。多少予定は詰まっていますが、行きますね」
工場には常に何種類かの輸入車用バッテリーを在庫していますから、早速、数種類の工具をそろえてクルマに積み込み、工場から小一時間の現場に向かいました。

現場についてバッテリーを開けて、リアシートを立ち上げてバッテリーを交換しました。
さ、エンジンをかけてみましょう

キュンキュンキュン....

あの、エンジンがかからないって言うのはこういう状態の事ですか?とユーザーに聞いてみると
「ええ、これってバッテリーじゃないんですか?」 
ああ、思い込んで大して確認もせず出てしまった自分が憎い....

なにしろバッテリーだと思い込んでいますから診断機も持って来ず
エンジンがかからない原因は、この次点で考えられるのは以下の3つ

1.クランク及びカム角センサー
2.燃料ポンプ
3.電子キーの故障

しかし、どれもユーザーの元では作業できません。
しょうがないので、ここで出来る事はない事を説明して、レッカーを依頼してもらうことに

先に次の予定をこなすために先に出発した僕は、車内からICSにクランク角センサーを発注していました
金曜日の3時までに部品を発注すれば土曜日には作業が可能です
W210でクランクセンサーの故障は比較的多く、僕もそれで軽井沢からレンタカーで買えるハメに遇ったことがあります。

保険会社のレッカーは比較的早く、3時にはMPIに運ばれてきました
すぐに診断機を繋げてみます

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予想通りでしたね。ヤマが当たりました。
ちなみにW210は前期、後期があるのと同じくクランクセンサーも2種類あるそうです

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では部品が来るのを待ちます

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土曜日になりました。今日ですね(笑)
部品が来る前に先にセンサーを外します

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センサーは8mmのボルトで止まっている

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と思ったらなんかもっとかなり小さい。直接目で見ることのできないところにあるので、鏡で見てみると
トルクスじゃああーりませんか

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ところがトルクスもうまく入らない。E8ではなくE7かと思ったら、E7でも入らない
何でかなー?と思っていたら
どうもセンサーの取り付け方法に問題があるみたい
スタンダードソケットだと斜に入ってしっかりかまないのです。

すると、ロングソケットが必要...

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ボルトにためらい傷があります。これ、なめちゃうとどえらい事になってしまうので
近所のA工具店に走ります

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やっすい工具やん。スナップオンも売れなくなるわ
クオリティは天と地の差がありそうだけど

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ロングソケット、でも1/4.メルセデスは細いボルトでも高トルクだからなあ

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まっすぐかかるんですよ。これなら

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と言う事で外れました。
新しい部品を組んで、はいエンジン始動!

お疲れ様でしたー


とならないのがちょい古欧州車なんですねぇ


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2020年12月13日

犯人をさがせ!

エアコンの風か出ないW211

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心なしか元気がなさそうに見えますね。そんなことない? ああそーですか

一般的にエアコンの風が出なくなるという訴えがユーザーから出てきたら、疑う箇所は多くはありません
コントロールユニット本体がダメになるケースは稀で、ほとんどはモーターかレジスターです
ヒューズやリレーは多くの場合モーターに極端な負荷がかかり焼き切れるのです。

という事でモーターを見てみます
助手席の足元のパネルを外すとブロアモーターの蓋が見えます

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さらにカバーを外すとシロッコファンのモーターの下端が見えてきます。
そして横にあるメカメカしい物がレジスターです。
ギアダウンユニットと違ってブロアモーターは電圧や電流を調整して回転数を調整します

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これがレジスター。
その名の通り、抵抗が主な構成部品なのです

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裏側は放熱板になっています。レジスターはモーターの回転を落とすためにバッテリーからの電気を熱に変えて電力を落すために
ブロアモーターの風が直接当たる場所にあります。
それでもあまりに熱が加わりすぎて自壊してしまうことがほとんどです

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なんだかわかりづらい画ですが、バッテリーから線を直結させて
モーターに通電させて、動かない原因を探ります

コネクターに大きいプラグは入らないので、コネクターに細いプラグをつないで
その金属部分に太い線径の電線を付けます。
細い線で通電させると、線径を上回る電流が流れると発火します
モーターが悪い場合はブラシの摩耗が原因するケースが多く、ブラシのギャップが離れると大電流が流れて危険なので
太い線でも素手でやらない方がいいです。

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ファンが回り始めました。
全開で回ります。
その際の電流値を測ります

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起動は20A、安定値も14A ヒューズは20Aか25Aだと思いますので、ファンが動かない犯人はレジスターとなります
少し電流値が高いのが気になりますが....
普通モーターは10Aくらいだと思います
なんでもかんでも交換はできないので、これで様子を見ましょう。

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新しい部品を取り寄せました。結構な値段します

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なんか煙が移っているようですが、安心してください。動いてますよ!

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様子を見て問題なければ納車です
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2020年11月11日

メルセデスW204のドアミラーカバー交換

先日はW210のミラーを作業しましたが
今回はかなりモダンなW204
210の外し方も当時、かなりセンセーショナルでしたが、今回は全く違う方法



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ミラー内のウインカーに水が入るようなので交換します
210よりはるかに新しいのに、外し方は単なる嵌合をむりやり切り離すだけ、と言ういたって野蛮な方法

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ビスのたぐいは全くなく、嵌合を起こすだけ
なんだかロボコップの仮面をむりやり剥がしているみたい

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ロボコップと黒い素地の間はかなり強く口を閉ざしています
そこにヘラをむりくり突っ込むのです

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バチンバチン言いながら取れます。最後の「返し」が硬いですが、強引に引き抜きました

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タネも仕掛けもありません

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青いのはウインカーのカプラー。
こういった合理性のこだわりはドイツ車らしいですね 

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ロボコップを被せたら任務に就かせます
「おとといきやがれ クソヤロウ」と言ったのはロボコップじゃなかったターミネーターか

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おー、それっぽい

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しっかし、204と205よく見ますね
売れてるんだなあ
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2020年10月23日

成約御礼 メルセデスベンツC180 AMG SPパッケージプラス

成約をいただきました。うれしいですねえ。
W204後期のAMGスポーツパッケージプラス

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すでにW205が出ていますが、メルセデスのCクラスは出てくるたびに高級車感満載になって
もはや昔のW202のCクラスのイメージは全くありません

しかし自動車の王様メルセデスの造るクルマでけあって素晴らしいです。
セダンのお手本的なクルマです。

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しかもスタイリッシュでゴージャス。
自動車のステイタスもすごく上級です

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赤いステッチがさらに高級感を増強します。

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大変にきれいなクルマを入手できました。これも特筆すべき点です。

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僕はあまり詳しい事は知らないのですが、W204CクラスはC180の他、200、280などあるのですが、基本的にエンジンは同じ直4のようです。しかし出力はまるで違い180と280の差は50馬力くらいあるそうで

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どんだけ鈍重かと思っていたら、C180 かなり俊敏に走ります。
ターボの制御技術が進化して、低排気量でも1500kgを上回る車体を実にストレスなく引っ張ります

あれ、また性懲りのない場所にエンジンECUがくっついてますね

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マー、ターボとは反対側だからいっか

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お買い上げありがとうございました。
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2020年10月14日

謎のウイルス?

先日塗装も終えて最終テストまで来たメルセデス

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大変にキレイになってユーザーの方もきっと今まで以上に大事にしてくれるでしょう
と、外した灯火類を確認すると、なんとフォグランプが点灯しません。
しかも左右。バルブ切れのワケなく、コネクターの挿しくさしのワケもなく
すると、メーターのディスプレイにはこんな警告が

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えーーーっ??
これ、マセラティと同じ時期です。何かの壊れウイルスなのでしょうか??

ものすごく心に負荷がかかります。
なんでなんでと調べると、どうもライトのコントロールモジュールがいけない事がうっすらわかってきました。作業中に壊れてしまったようです。
作業中に壊れるのは原因を特定するのにまず、自分の作業を辿ったり、調べたりするので、普通に修理するより遠回りする場合が多いです。

今回も夜なべしましたが、工場内でクルマを入れ替える時に、バックランプが点灯していない所から、コントロールユニットを疑いだしました。
すると、ヘッドライトスイッチはこのつまみだけですが、その奥に大きなコントロールユニットが有ることが判りました。
ほぼ間違いなくそれだろうと翌日から分解スタート

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サイドブレーキリリースワイヤーを外します。

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その下の隠れているビスを外します。

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ウッドパネルの下にも隠しビルがあります。

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フェイスパネルを外します。フェイスパネルにはライトエイミングのダイヤルがありますので、それも外しておきます

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フェイスパネルはライトコントロールユニットと嵌合していますのでライトは割とボルト類の本数が少ないです。

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コネクターは大きいのが2つ小さいのが2つ入っています。

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外れました。

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こんなにデカイのが隠れていました。

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このタイミングで壊れるとは人騒がさな!
と思ったら、ユーザーの方がたまにウオーニングが点灯することがあったそうです。

しかしこれもまた更なる続きがあって
なんと交換した中古のスイッチも不良品で、再度入庫してまた違う中古品と取り換えたのでした。
このところ故障地獄。
おんなじこと、何度も繰り返したら儲かりませんな。中古部品業者は良く確認してもらいたいものです。
ちなみに、ドアミラーも不良品でした。
中古品もクルマと同じく年数を重ねますから、壊れそうなところは皆、壊れているのですよ。
この、ライトスイッチ、新品は国内欠品してますの、ざんね〜ん
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2020年10月06日

メルセデスW210 塗装編

フロントフェンダーやバンパーなどの交換作業のW210
パネルの交換作業や各種分解は僕が担当していますが、作業を分担して効率を優先するため僕が塗装します。。

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しかーし分解してみるとあちこち、ひどい塗装になっています。

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一大マスキング大会です。

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モールも

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アウターハンドルも

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ミラーもみーんなマスキング。しかし、これを盛大にサフェーサーを入れてしまうと、ドアの塗装がブロック塗りと呼ばれる状態になり、全部をその色で塗ってしまうと、隣のパネルとの色差や質感差が発生するので、何とか目立たぬように塗装します。
幸い塗装膜はとても薄く、目立たなくできそうです

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場面は変わりまして、塗装です。
既にマスキングは終わっていて、塗装は僕が行います。

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744と呼ばれるブリリアントシルバーです。昔は難しかった色です。今?
今はもっと難しい色がありますからねえ
夏用のシンナーで塗ります

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9月の終わりですが暑い日が続きます。
予め下塗りしてあります。

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温度は26度もありますが、湿度は27%とかなり乾燥しているために静電気消します。
静電気はお肌によろしくないのです。

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カラーレスクリアーを吹いてミスト対策をして塗装します。
なんだか専門的でわからないですか?

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ご覧のようにマスキング跡の残る部分には色を入れて、隣のパネルにはなるべく色を飛ばさないように塗装します

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これは結構難しいのですよ、シルバーでやるのは。
ムラを作ったりしますしね。

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こんな感じ。

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安心してください。真ん中は照明の間だから暗く見えるんですよ。

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クリアーは塗装屋にまかせて、僕はまた違う作業をします。
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2020年09月28日

クルマの王様メルセデス

W210の入庫です。
事故修理。とはいえ、クルマの王様メルセデス、決して修理金額は安くありません。

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側面からの入力ですが、それほど強い入力ではないそうです。
しかし、このW210、アルファ166とそれほど大差ない年式のクルマですが、乗るとやはりメルセデスだなと言う感じ
走り出しは至って静かで、恐ろしいまでにスムーズ。
アウトバーンをぶっとばせる仕組みに造ってあるので、瞬発力はないのですが、その分、走り出しが実にスムーズ
かつて僕もずいぶん長くV6も直6も乗りましたが、こうして離れてみると、改めて造りの良さを実感します

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そして何と言っても整備しやすい。横にある6mmを2本、バンパーリーフォースの8mmのナット2本で外れます。
フェンダーライナーの中のボルトを外すのにも、そのボルトが隠れているところだけ、ゴムになっていてふにゃふにゃなので、無理なく作業ができます。

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バンパーもライトも外れました。
ヘッドライトはレンズだけでは出ないのです。前期はなぜかレンズ単体で出るのでそれさえ交換していれば、いつでも新品の輝きだったのですけどね。

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やっぱり、輸入車と言えばメルセデス。だから日本のどこの修理工場でも修理が可能です。

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サイドシルカバーも外してフェンダーも外しました。タイヤのブロックパターンはレグノですね

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なんでイタリア車は同じような考えにならないんだろうなあ?
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