2022年02月28日

フィアットプントの修理

一部にマニアの良い188プント
176プントはレッドブック入りして久しいですが、188も同じ轍を踏むのでしょうか?

さて今回は188のエンジン不調の修理です。

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エンジンがガタガタする時があって、信号待ちのラフアイドルや、上り坂の加速中などで振動が顕著に出るとのこと
症状としては典型的なI/Gコイルなど点火系のトラブルです。

早速診断機で見てみると

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やはり思った通り
4番に問題があったのですね
今の段階ではコードかコイルかプラグかは特定できませんが、状況証拠からコードとプラグを交換していきます

ユーザーの方もプントを乗り継いでいる方で、今回のトラブルも以前経験したプラグコードの傷みに似ているそうで
お預かりの際からそこを気にしておられました

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作業を開始します。
エアクリーナーケースを取り外して

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必要な部分を外していきます

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国内最後の純正部品のプラグコード

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このクルマ、イグニッションコイルはディストリビューターのようにカムから直接出ているように見えるのですが
れっきとしたブロック型イグニッションコイルです

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スパークプラグも交換します。

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ここで問題が発生。
タペットカバーから伸びるブローバイホースが既に裂けていて補修してあるのですが、今回の作業か再び裂けてしまいました。

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シーラーやボンドでは補修できないので、ウルトのエマージェンシーテープでパッチワークします。

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これがなかなか便利なもので、主に液漏れなどを修理するテープで効果は長く続きます。
もはや簡単には手に入らなくなった部品にはかなり効果的です

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全ての部品を戻して、バンドの具合などを確認して問題がなければ出来上がり

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試乗を繰り返したり、アイドリングを長く置いておいたりして様子を見ます
診断機にはエラーコードが入らなかったので、ひとまず作業は終了となります

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こういったクルマを愛でるのもいいですね。

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ご利用頂きありがとうございました




posted by admin at 23:12| フィアット

2020年09月03日

グランデプント

僕ね〜、どうも苦手なんですよスターバックス。
トールだとかグランデとか言わなきゃいけないし、お金払ってその場で待っちゃうし。

はずかしいやっちゃなあ、とか言わないで
なーんか苦手なんですわあ

同じグランデでもこちらは好きですよ
グランデプント。しかも6速マニュアルのスポーツ。
以前にも赤いスポーツを仕入れたことがありましたが、出来上がって間も無く売却してしまったので、日の目を見ることなく...

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今回はボディは特に手を入れる必要なさそうな感じ。
冴えたブルーが魅力的

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ブルーマグネティコ 時にはブルーエレクトリコ、またある時はブルーアメリカ
その正体は? ブルーパールでした。いや見りゃ分かりますがな
鑑賞ブルーパールを42%も入れるので隠蔽が悪そう。

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6速マニュアルに1DINオーディオ、定番ですね。

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距離もそこそこ81200km。

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1.4Fireエンジン。しかしこれ、クラッチが悪いかエンジンが悪いかなんだか遅い。なんだかマイルド
いくら1400でもこんなに遅かったかな? 
ま、あちこち整備して商品化かな??

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どなたか日常の足にいかがですか?
車体価格は39万円税込みです。
興味のある人はこちらにどうぞ
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2020年06月17日

幻影

先日エアコンの不良で入庫したフィアット500

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診断機にはデフロストセンサーの不良と出ますが、デフロスト=霜取り センサーの意味なようです。
でも、このクルマ、デフロスト=サーミスタースイッチなんて使っているのかなあ?

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このフィアット500と言うクルマはなかなかイタリアンクオリティで、エアコンのユニットも丸ごとで交換が必要な場合が結構あるようです
ヒーターとエアコンのエバポレーターを分け隔てるフラップが壊れて温度調節が難しくなったりするようです
ところがユニットはばらばらで部品が出ることはなく、基本的にはASSYでの交換を想定しています。
そうでなくても作業はダッシュボードを取り外して交換する、かなり大胆な作業にも拘わらず
部品も高額と言う、まさに「前門の虎 後門の狼」ちっとも優しくないです

にも拘わらず今回の仕打ちはそことは全く違う内容。
パーツイラストを見てサーミスタらしきものはありません。エバポレーターが単体支給がないので何とも言えませんが
あるものは全部温度を見るセンサーばかり


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この7番のエキスパンションバルブの中に感熱筒と言うところがあって
そこでフロンガスの流量を決めているのでサーミスタは付いていないのではないかと思います。

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するとがぜん臭くなるのはコントロールユニット
ではないかと思うのです
他に構成部品が無いとも言いますが

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ヒーターコアは単品支給があるのになあ
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しかし、今回、コントロールユニットが結構高額なので、修理そのものが中止となって
本日、持ち主の元に帰って行きました。
本当の正解を見てみたかった気もしますが....
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2020年01月13日

車検にまつわるエトセトラ フィアットバルケッタ

これも昨年の12月の作業です。
10月後半に預かってずいぶん時間が経ってしまったバルケッタ。

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部品探しに奔走して遅くなってしまいました。極最初期のバルケッタですが、可能ならタイロッドの交換をしたかったのです。
インタースペアーズは外して寸法を測って在庫があるか探すと言うのですが、基本的に無いと思います。と
でもタイロッドのかしめを破壊して外すのに、外して測って手に入りませんとなった場合、元に戻せないのでとてつもなく面倒な事になります。すると片側のタイロッド交換ではなく、基本的にはステアリングラックの交換になると思います。
ちょうどパワステオイルも漏れていますし...
なのでそれ以外の整備

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リアブレーキパッドがキレイに使い切っていたので交換します。

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ま、いつもの回りながらピストンが入る、サイドブレーキ併設タイプ。
欧州車にはめちゃくちゃ普及率の高い方法です。最近のイタリア車ではフェラーリとマセラティ以外は全てこのタイプでしょう

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新しいもの

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エンジンオイルは

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もちろんリキモリ。Mos2 10W-40は本当にこの手のエンジンには高い効果をもたらします

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ちなみに普通のオイルに添加剤として使えるMoS2もあるんです

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これですね。

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クラシックエンジンの保護に最適だそうです。MPIにも常時あります。

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あとはマフラーから、バンテージを巻いて対策しているにも関わらず、少しだけ排気がむっちゃうので、今回はマフラーバンテージを巻きなおして車検です。
新品など本当に手に入らないです。ちょっと変わった形状なんですよねー

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もうバルケッタの部品はかなり少なくて苦労します。
また、外装のプラスチック部品が、日本の強力な温度と紫外線で、ポテトチップ並みの強度になってしまうのも由々しい問題です。
正直このクルマは本当に上級者向けです。
しかも、中古部品すら手に入りにくいです。
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2019年12月20日

ガタガタブルブルの原因


まさかのリターンしてきた500ですが修理しました 10日の話ですが。

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4番の点火不良でしたから部品を手配して次のステップ

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もはや当たり前になったエンジンカバーを外すとあらわになるFIREエンジン

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ひい、ふう、みい...

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あらぁ?なんか見えますね

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ハーネスが1レーンに集約されているのでいっぺんに取り外します

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あー、もー完全にひびが見えてるう〜

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おそらくはこれが原因でしょう。でもなんで割れちゃうのでしょう?
やはり、温度との因果関係は避けて通れないでしょう
同じ高温になっても全然平気な国産車との違いはずばり、部品へのお金のかけ方だと思います。ゴム製品やプラスチック類ほどお金のかけ方で耐久性に歴然と差が出るものも、タイヤを除いたらないでしょう

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イグニッションコイルは該当の物だけ換えますが

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プラグもあまりよくないので交換します

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距離は4万キロ足らずと短いですが、部品は歳を取り続けます

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時折、こうした消耗品をリフレッシュすることでアンチエイジングできると思います。

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どんどん元に戻します。

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まだ、ヒーターの懸案が残りますが楽しく乗って頂けると良いですね

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2019年12月10日

フィアットグループ勢ぞろい

ついこの前、車検を終えたフィアット500がなんとこんな姿で

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なんだかエンジンの周りがスムーズでありません。
エンジンチェックランプも点灯中

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診断機で見ますと

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I/Gコイルの不良のようですね。
さっそく手配を。

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今日はフェラーリの車検も入ってなんと
フィアット
フェラーリ
マセラティ

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ランチア
アルファでフィアットグループ揃い踏み。
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イタリア車、彼の地で頑張ってまーす。
イタ車は手がかかりまーす
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2019年11月19日

フィアット500の車検整備

フィアット500です
車検です
整備です

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もうかれこれ6年くらいは乗られている500。500と言ってもラウンジSSなる限定車なんですね。
専用?のパールホワイトカラーと赤い本革内装。出てしばらくはスゴイ高価で憧れのクルマでしたが、最近ではさすがにフィアットらしい値段に落ち着いてきました。

それでもこのクルマは3万数千キロしか走っていないので、まだまだクルマが若い印象です。
100HPと誇らしげに書かれた1.4LのFireエンジン。
みんなそうみたいですが、なぜかオイルをよく喰うのです。
だから可能な限りオイルチェックはマメにした方がよいと思います。

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今回の整備はまず、タイロッドエンドブーツ

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画像からは見えにくいですが、あみだくじみたいに日々の入ったファンベルト。

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そしてベーシックなオイル類の交換ですね

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ブレーキパッドは走行距離が短いのであまり減りませんが、ブレーキパッドが湿気てきて、音を出すこともあります。
制動そのものには影響はありませんが、音が気になる場合は交換した方が良いかもしれません。

軽自動車に多いですが、ブーツ、特にタイロッドエンド、ロアボールジョイントブーツなどは走行に関係なく、経年劣化によってゴムがかちかちになり、そして常にステアリングを切ったり、上下に揺れたりして過酷な環境に置かれ、やがて破れます。

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そして、車検の検査官もよく見ているので、このまま行くと下回りの時に刺されます。

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という事で交換。

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はい、きれいになりました。

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続いてベルト。

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HNBRゴムやファイバーとの組み合わせで昔より格段に信頼性の上がった部品ですが、これもやがてはひびがあちこちに入り、あみだくじ状態の後に破断します。破断に至るまでは滅多にありませんが、オルタネーターやエアコンコンプレッサー、パワステポンプの不良によるベルトのスリップなどが多くなるとリブが削れてしまったりすることがあるので、補器類のバロメーターになる場合もあります。

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フィルターもこの機会に新しく。左手にはモトロニックの点火信号用のギアホイールが見えます。
そうそう、点火信号を見る、クランク角センサーもやられますね

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Mos2を使います。もうやめられません。でも最近モリゲンを知ってしまったので、もし、予算に余裕があればぜひ試していただきたいです。尤も2倍近くしますが涙ぽろり

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すっげー色です。何度見てもびっくりなビジュアルです。3L強くらいしか入りません

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もちろんブレーキフルードも交換します。これは2年に1回は絶対に交換すべきです。
空気中の酸素と反応します。ブレーキシステム内にサビが発生したり、何より危険です。

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と、言うことで車検整備でした〜

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この自動車、ライトの光軸調整が上下しかないので、左右は工夫しないと落ちます。
日焼けによるライトの曇りや反射板の劣化が原因なのか左右で完全に落ちるようになると、ライトユニットの交換が待っています。うーん、欧州車らしい....



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