2021年09月21日

仕事って...

僕の工場では様々な修理や自動車の販売が日々、繰り広げられています。
その一部をこうしてブログで書いていたりするのですが、面白いもので同じ内容の仕事でも、とても満足していただけて喜んでもらえることもあれば、なんだかしっくりかみ合わない時だってあります。

僕はかつてあまねく人々の自動車を直して、数多のお客さんに喜んでもらおうと思っていたのですが
それは大きな思い上がりだと気づかされる瞬間があるものです。

しんみりした内容から始まりまりましたが、かくも自動車の修理が難しいという事の布石であるのです。

今からずいぶん前、お客さん伝いに全塗装の依頼の話がありました。
それは、僕のお客さんでもあり、ガレージ33のお客さんでもある人からの相談で、鈑金はヨソで作業されているが塗装の引き受け先が決まっておらず、困っているとのこと。
塗装だけお願いできないだろうかと?

MPIはいわゆる外注作業、下請け作業、今風に言えばアウトソーシングなどは受け付けていないので、
その旨を話して丁重にお断りしました。

それから時は過ぎて、再びこの話が再燃するのは昨年の夏の頃

確かに業者さんからの仕事はお願いしないが、ユーザーから直接の依頼ならどうか?となって、
なるほどなんだかとんちの世界のような話で、難しい判断でしたが
まあ、塗装だけなら、と言う感じで引き受けたのです。

クルマが運ばれてきたのは昨年の8/31か9/1
その車はMPIにありました

RIMG1197.JPG

ジュリアGTVです。
これは僕らとはセグメントが違うというか、完全なる旧車の世界です。
ガレージ33と言えばこの手のクルマで有名ですし、先代の渡辺社長さんとは10年以上前、916の事故修理を手伝ったことがありましたが、その時も業者の仕事はしません。とがっちりお断りしたのですが、どういう流れだったか1度だけ修理を引き受けた事がありました。
しかして今回は亡くなった先代から、千葉さんになってからの話なのです。
でもまあ、塗装だけならと考えていて
3か月もかからないで、うまくいけば2か月で....
なんて甘い考えが頭をよぎっていたのです。

RIMG1198.JPG


しかし

現実は到底そんな甘いものではなく、一見、そのまま塗れそうに見えますが
修正点は山ほどあります。
なにしろ、僕らは最近のクルマは普通に作業しますが、いわゆる旧車は守備範囲外です。
かつては僕も旧車の修理に携わり、切磋琢磨した時期がありましたが、MPIを作る前、すなわち20余年前の話で
今は、全くの別業種だと言っても過言ではありません。

RIMG1200.JPG


この手のクルマの修理は、まず、鈑金方とは綿密な計画の打ち合わせが必要で、ここはああやってほしい、とか作業者の思惑もあると思います。しかしとうにそんな手順や方法など考えずに引き受けてしまったが最後
後悔先に立たず、何とか完成に向けて仕事をするようになるのでした。

RIMG1201.JPG

とはいえ、一筋縄ではいきません
この美しいクーペを塗るのに、本当に努力が必要になるのが分かったのは、もっと時間が経過してからでした...

先に誤解のないようにお断りしておきますが、このクルマの記事ではガレージ33の千葉さんをはじめ、ユーザーのOさん、すべての鈑金作業を行った方々を貶める意味合いではない事を十分に理解してお読みください。

posted by admin at 23:12| Comment(0) | TrackBack(0) | アルファロメオ全般
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