2021年07月27日

愛を取り戻せ エコー

かつてないほどの長編連載になりそうな予感の147
それはね、ユーザーの愛にほだされたからなのですよ。

新車から乗り続ける事20余年、そこまで長かないか
20万キロを超えて、エンジン、ミッション共に悪くなり、修理の相談になった時は正直なハナシ、現実的でないという感覚で話始めました。
でも、ユーザーの方も地球4周分も走ればさまざまな想いもあるでしょう
結局、修理の道を選んだのです。

今日、やっと日本も自動車文化が成熟してきて、ひたすら乗り換えの消費文化から、気に入った物を大事にする文化が育ってきました。
後から聴いた話ですが、このユーザーに乗り換えを検討した際のライバル車種ってなんだったのですか?
と質問したところ、答えは何と

無い

だったのです。クルマそのものが無くてもいいや、的な状態だったそうです。たぶん、普段のアシ的なクルマはあるとは思いますが....
意外と僕ら整備に携わる人間ってそういったストーリーを大事にします。
え?そんなのおたくだけ?

前回、タイベルやバランスベルトを交換しましたが、今回はトランスミッションも交換します。
それゆえ、TMのオイル漏れ対策も行います。

TMオイルの漏れの多くがメインシャフトのシールですが、TSはレリーズの油圧コントロールユニットがその役目をしていますので、そちらは心配あらず。
すると、残りは、デフのサイドシールからです。

ドライブシャフトを取り付けるフランジを外すと、ミッションオイルが流失します。
抜くの忘れちゃったね

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国産車だとこういったフランジではなく直接シャフトのスプライン部分が入ってますから、シャフトを抜くと同時にミッションオイルが出てきます。
しかし、各アルファロメオのFFは必ずシャフトがダイレクトに入るのではなく、このようにスプラインのついたフランジが付いてからになるので、シャフトの脱着だけであれば左右ともオイルの流出は無いのです。

とはいえ、その分、ドライブシャフトの脱着が大変なのですが

右のシャフトシールはこのようにアダプターに嵌っているので、これを外して作業します。

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新しいシール

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軽くたたき込んだら

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Oリングを装着して

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取り付けます。

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ドライブシャフトフランジのスプラインの抜け落ち防止のサークリップも新調

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こちらはうまく位置を合わせたら、はたき込みます。

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問題は反対側のシールです。
こちらにはドライブシャトではなく、インターミディエイトシャフトと呼ばれる、デフとドライブシャフトをつなぐ、ジョイント的なシャフトが直接入っています。
これが恐ろしいまでに硬い。全く取れない。


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しょうがない ので、バールに鉄管を


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かけますが、大変に長いので1枚で収まりきらず

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こんなに延長してほじくります。

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野蛮な技の前に硬かったシールも気持ちよく取れました
デフのサイドベアリングが見えます。その奥はデファレンシャルギヤです。

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こちらは色が違いますが、間違いなくこの部品なので打ち込みます

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硬かったのですがうまく入りました。

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そのシールの前にはこんなゴムのカラーが入りますが、これも交換しました。
意外にこのあたりの部品は国内ですべて調達できました

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インターミディエイトシャフトもつけて、サポートベアリングのところで4本ボルト止めして完成しました。

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ここまで長い道のりでした。

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もうオイル漏れに悩まされることもないでしょう。

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あとはオルタネーターとスターターを交換して、現車が来るのを待ちます

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posted by admin at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | アルファロメオ147
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