2020年08月15日

HMのプロデューサー業

ヘビーメタル界にこの人ありと謳われたマーティンバーチが亡くなったそうです。
天才的な手腕でレインボーの初期3作とライブ1枚。ホワイトスネイクが全世界でブレイクするまでの全アルバム
ディオ時代のブラックサバス2枚。
そして何と言っても6人目のメンバーだとスティーヴが豪語していたアイアンメイデンのアルバム9枚。
日本ではプロデューサー稼業がいまいちはっきりしないのは、作曲家がプロデューサー的な場合が多く、イメージとして近いのはつんくあたりかもしれませんね。
特にスタジオで卓の前でフェーダーを動かしているエンジニアを想像しがちですが、もっと広義な意味で深くバンドにコミットするのがプロデューサーです。

AC/DCやデフレパードなどで有名なジョンマットランジ、クワイエットライオットで有名なスペンサープロファーはすぐにわかる個性がある音を作ってきます。
もちろん、PA卓でフェーダーをさわったりするようなこともするでしょうが、あの音を作るというか考える、ドンシャリの音で特徴的なシンバルの音を作ったり、そんな事が主だったりします。
マーティンバーチの場合は何とも湿ったサウンドと言うか、音の分離より雰囲気を大事にする感じかもしれません。
正直なところ、僕もプロデューサーが誰?と言うのを知ってはいましたが、言いながら頭の中ではエンジニアを考えていたと言いますか...

ああ、こういった雰囲気を出すのはプロデューサーなんだと気が付いたのはずいぶん後になってからでした

その中で、僕の選ぶマーティンバーチの素晴らしい仕事3種。

3枚とも共通して言えるのがいまいち音が良くない事です。
それが全体的な魅力を醸すものだと知ったのは本当にずいぶん後でしたね
このCome an' get itは曲も良いしプレイも良いし、絶頂期のWSです。
しかし、この後、空中分解してエイドリアンヴァンデンバーグやヴィヴィアンキャンベルらとスーパーグループを作り大ヒットするのですが、そのWSにこの当時の雰囲気は微塵もなく、もはや別のバンドと言っても差し支えない結果になってしまうのです。
雰囲気捨てて大ヒット取る斬り〜


こちらもリッチー、コージー、ロニーの3頭体制の末期の作品でありながら、ポップな方向と今までのヨーロッパのバンド的な雰囲気が混在するアルバム。やはり、この後から一気にポップ路線に変更するのと同時に、バンドはまるで違う雰囲気に進んで行きアメリカでもややウケするのです。


そしてアイアンメイデンの2nd。曲も雰囲気もこれぞNWOBHMと言う名盤です。1stの頃を考えるとバンドの進むべき道を作った立役者かと思います。この後の3rd、4thとブレずに進化したあたり、プロデューサーの手腕ではないかと思います。


例えば、AC/DCの場合、どうしてかは知りませんが、Highway to hellからジョンマットランジがプロデューサーになってから、


Back in blackも


For those about to rockまで


売れまくるなんてもんじゃなくて、世界人口の何十パーセントは持っているくらい売りまくったのですが、その後作ったFlick of the Switch 以降はそれまでに比べるとむちゃくちゃ低迷します。

ってことは? やはりプロデューサーの手腕によるところが大きいのかなあ? なんて思ったりします。
最近、メタル界でも多くの方が亡くなったりしていますが、時代を支えた裏方?の方が亡くなるのも心痛い限りなのです。

posted by admin at 23:42| Comment(2) | TrackBack(0) | ヘビーメタル
この記事へのコメント
アルバムプロデューサーはトータルでのプロダクトコンダクターと解釈しています。
レコーディングアーティストと言っても良いかもしれません。
マーティンバーチ、好きなプロデューサーです。
RIP
Posted by Nobu at 2020年09月07日 01:00
これぞNWOBHな音を作る人でしたね。
なんだかプロデューサーって、エンジニアがやっている事を創造してしまうのですが、もっと大きな存在なんですね。
マックスノーマン、クリスサンガライズ、ディーターダークス、スペンサープロファー、ジョンマットランジ、そしてマーティンバーチ。

あの頃は個性のある人が多かったですね。

Posted by admin at 2020年09月07日 22:42
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