2020年07月27日

147GTAのドアの分解

退色などで塗装の依頼をいただいた147GTA
しかもビアンコ ヌヴォラつまりホワイトパールでありまして3コート塗色です。

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見えますかねえ? クアドリフォリオのオーナメントの跡が焼け残って色差が出ています。
3コート塗装の場合、白色のグランドコート、透けたパールコート、そしてクリアーのトップコートで3コートを構成しているのです。しかし、パールコートはグランドの白の上に半透明のパール顔料を載せて、その変色具合を楽しむカラーなので、その単色では色の違いを隠蔽することがほとんどできず、どうしても塗装範囲が大きくなってしまう傾向があります。
なので、今回の塗装は隣のドアパネルまでに及びますから、ドアの付属品の分解方法を解説します。
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まずドアトリムですが、多くのボルトはグリップ周辺に多いのですが、殆どはグロメットによって隠されています。
こちら側のドアは既に1度開けられた過去があるようなので、グロメットを外す際は少し気は楽です。

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ドア下側のリフレクター兼カーテシランプにビス1本。

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トリム下側に4本くらいポジドライブのビスがあります。

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グリップの根元にはパワーウインドウスイッチがあるのでそれを脱着します。

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運転席だけ下側にビスが止まっているので注意が必要です。

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パワーウインドウスイッチは大きなコントロールモジュールで、これ自体でウインドウの信号などをコントロールしています。

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グリップ付近にボルト2本とビス1つ。あとはクリップでしっかり止まっています。

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ドアミラーカバーベセルを外したらドアトリムを外します。インサイドハンドルは車体に残りますから折らないように注意します。

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サービスホールシールは既に希少品ですから剥がすのは慎重に破らず剥がします。

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これくらい開ければいいでしょう。

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インサイドハンドルを止めているビス2本と

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ガイドのビス3本を取り外します。

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こういったサポートクリップも希少品なので、無理やり引っこ抜かないでどうにかして外します。

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次にウインドウ リアランチャンネルを外します。

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ドアロックが見えるようになります。
赤いグロメットが見える方がオープナーロッドですから、こちらだけ外します。
奥のロックコントロールロッドは外すことができないので、このままにします。
↑はロックンロールみたいに見えますが、違います

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これがオープナーロッド。ちょっと硬いですが根性で外します。

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アウトサイドハンドルはほんの少し前に送ると外れます。

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ここで、オープナーロッドが外れていればうまーく取れる仕組みになっています。もう本当に知恵の輪。
ギリギリの大きさから出てきます。
なんだか156も難しかったですよねー? こちらを参照あれ

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組むときに苦労しそう・・・

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さらにベルトモールを外します。これは入っているだけので、ピラーのカバーにキズを付けぬように先に何か挿しておきます。

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あとは引き抜くだけですが、ミラー下のウエザーストリップにしっかり刺さっているので、ミラーは一度外すか浮かすかしないと取れません。

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さて、これで準備は完了です。

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一度、中古車屋の手に落ちるとこのような部分がマスキングして塗られてしまうことが多く。

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こういった場所などもそうですが、ただ単に塗装するだけでなく、周りとの均整化の為に大きく削りこんでサフェーサーを塗装しないといけなくなります。
するとさらに隣のパネルに塗装が及ぶので、手間がさらにかかります。
この隣はリアフェンダーですから窓の脱着も伴いますし、後ろのバンパーやテールランプの脱着も出てきますから、費用が跳ね上がります。
GTAでヌヴォラカラーなのでこのクルマはそんなひどいことはされていませんが、安いクルマあるあるです。

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じゃあ、なんでそんなひどい事を? 

いいや、本人はいたって良い事をしたと思っていますから、話は平行線になります。
傷んでいたクルマをきれいにして何が悪い?と逆にたしなめられます。
自分で作業しない人はわからないので、しょうがないとは思いますが....

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自動車の塗装は奥が深いのですよ。
posted by admin at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | アルファロメオ147
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