アルファロメオ156 2.5V6 24Vのタイミングベルト交換を作業中の話。
同じエンジンのシリーズでも車体はその都度違うので行う作業方法も違うのですが、全体的に見れば似ています。
もうMPIでは結構な数のBUSSO V6エンジンを整備してきました。
このV6はEURO3の対応車、すなわちボッシュのME7.3.1システムです。
仕組みは違ってもだいたいやることは同じです
もうMPIでは結構な数のBUSSO V6エンジンを整備してきました。
このV6はEURO3の対応車、すなわちボッシュのME7.3.1システムです。
仕組みは違ってもだいたいやることは同じです
それゆえ、分解する手はずはかなり判っている方ですが、それでも一筋縄では行かないのが整備のお仕事。
未だ4万キロにも満たないこのクルマは至るところが実にキレイ。
この自動車、いやエンジンのアイデンティティでもあるサージタンクとメッキのパイプを外して
タペットカバーを外します。
タペットカバーを外します。
タイミングベルトロアカバーを外してクランクを見たところ。
既にウオーターポンプの下側にLLCが漏れた跡があります。
ちょうど交換時期だったのですね。
既にウオーターポンプの下側にLLCが漏れた跡があります。
ちょうど交換時期だったのですね。
平成17年にラインオフして今日まで1度も交換されなかったであろうタイミングベルト
15年分の垢を落としましょう。
15年分の垢を落としましょう。
少し雪のある地方から来たのか若干のサビが見受けられます。
特に影響を及ぼすようなことはありませんから心配いりません。
ちなみにエンジンの真後ろに鎮座するサスペンションクロスメンバー
ちょうど真ん中にエキゾーストパイプが通る下にエンジンマウントがあります。
そしてその後ろに遮熱版の付いたパネルが見えますが、156がエンジンを降ろす場合、これらまで取り外す必要があります。
遮熱版の下にクロスメンバーの取り付けボルトが2本存在するのです。アホな造りです。
ちなみにエンジンの真後ろに鎮座するサスペンションクロスメンバー
ちょうど真ん中にエキゾーストパイプが通る下にエンジンマウントがあります。
そしてその後ろに遮熱版の付いたパネルが見えますが、156がエンジンを降ろす場合、これらまで取り外す必要があります。
遮熱版の下にクロスメンバーの取り付けボルトが2本存在するのです。アホな造りです。
ただ、この遮熱版の付いたパネルを外すと、車内のセンターコンソールまで外すことになるので、後ろの2本のボルトを残して全部外せばブラブラになるので、遮熱版を避けながらエンジンを降ろすという難易度の高い作業が要求されます。
サイレンサーの上にあるのが遮熱版を抱くパネルですが、車内側にはチェンジレバーとパーキングブレーキが据え付けてあります。なんでもかんで1つのユニット化して部品を持ち寄って自動車を作る思想と言うか方法論が、当時流行ったのでしょう。
整備性の良さはゼロどころかマイナスです。
整備性の良さはゼロどころかマイナスです。
機を取り直してタイミングベルトを外します。
走行距離が若いのでエンジン内部も大変キレイです
そして何より優秀なのがカムのロックを置いただけで寸分の狂いなく取り付けができることです。
部品もそれぞれ美しい。
1番シリンダーにはあらかじめ、棒状の物を入れておおよその上死点を出してカムロックのボルトを締めます。
カムのスプロケットを緩めて外す手はずを整えます。すべてはカムスプロケットの後ろのタイベルカバーを取り外すためです。
しかし156は狭い。隙間が実に狭いのです。
カムのスプロケットを緩めて外す手はずを整えます。すべてはカムスプロケットの後ろのタイベルカバーを取り外すためです。
しかし156は狭い。隙間が実に狭いのです。
まずテンショナーを緩めます。6mmのヘックス2本、とんでもないトルクで締まっています
下側を緩めたらクルマを下げて
下側を緩めたらクルマを下げて
上からボルトを緩めます。上から下から交互に攻撃します。
テンショナーが外れたら、スプロケットのボルトを外してスプロケットごと外します
狭い、とにかく狭い。かといってエンジンを降ろすとなると、それはそれで強烈に大変。
造りの悪さと言うか、場当たり的な設計と言うか、もう少し整備することを考えて作ればいいのになあ
造りの悪さと言うか、場当たり的な設計と言うか、もう少し整備することを考えて作ればいいのになあ
交換するアイドラーベアリングも外していきます。
ところがここで問題発生。
〇の中のアイドラーのボルトが全く回りません。ガチガチに締まっているのを通り越しています。
いろいろな工具が投入されます。
ところがここで問題発生。
〇の中のアイドラーのボルトが全く回りません。ガチガチに締まっているのを通り越しています。
いろいろな工具が投入されます。
ボルトは8mmのヘックスです。ボルトとフレームの間は60mmありません。
タガネではたいたり、様々なレンチを使いましたが
最終的に8mmのHEXソケットに8-10のストレートメガネをかけて、Sメガネに例の倍力工具をかけて
最終的に8mmのHEXソケットに8-10のストレートメガネをかけて、Sメガネに例の倍力工具をかけて
EくんはHEXソケットのお尻をボルトから抜けないように長いバールで押す役目。
バキッ!と凄い音と共に緩みました....
と思ったら8mmのレンチが割れました。もはや普通に緩ます夢は儚く消えて、残された道は破壊して取り外すという一本道になってしまいました。
ここから延々とベアリングとボルトを削る旅です。
ここまで3時間にわたる時間を浪費してアイドラー1個を外しました。
予定ではタイミングベルトを張るところまで行く予定でしたが脆くも崩れ去りました。
予定ではタイミングベルトを張るところまで行く予定でしたが脆くも崩れ去りました。
この苦労のすべては、このウオーターポンプの上側の4本中、エンジンよりの2本を外すためだけに苦労しているのです。
反対のバンクのカムシャフトの先端が見えます。キーの入る溝はあるのですが、キーはなくツルツルのカムシャフトに任意の位置でスプロケットを取り付けできます。逆を言えば、何の準備もなくいきなり外してしまうと取り消しの付かない結果が待っています。
外したウオーターポンプ。まだキレイですが、このポンプは例外なく、スクリューにヒビが入り、水を循環できなくなりオーバーヒートします。例外なく壊れます。
ブロック側もキレイですねー
今回はここまで。全く予定通り進みません。誰だクルマの整備なんてボルト回してりゃそのうち終わるとか言ったやつは!
ああしんど。
ああしんど。
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お疲れ様です。
自分ではalfaとかスバルの水平対向とかは
やりたくないです。