2020年04月11日

V型12気筒

自動車の中ではチゼータやW16シリンダーエンジンが現れるまで多気筒シリンダーの頂点の自動車のエンジンでした
イタリアは古くからV型の12気筒エンジンを創る技術に優れ、今日まで長く生産され続けています
尤も、日本のセンチュリーや第二次世界大戦中のドイツ軍の「キングタイガー」戦車など技術的にできなかったわけではなく
おそらく、12個もシリンダーを持たせなくても8個もあれば同じようなパフォーマンスを再現できて、コストを削減できるところから作らなかったというのが、ホントのところかもしれませんが

このフェラーリF116、5500ccもV12気筒でそれは巨大なエンジンです。

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エンジンルームの大半を占めて重量も相当なものなると思います。

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先にも書きました通り、V8に比べれば4つのシリンダー分の部品が必要になります。それは単にピストンが4つ増えるだけではなく当然、12本のピストンリング、16本のバルブに、4つのインジェクター、IGコイルにプラグにと...
ところが、部品だけではなくエンジンが長大になるぶん、エンジンオイル量も増えて、さらにはブローバイガスの発生も多くなります。一概には言えませんが一般的に考えてですが

維持する方も大変なら整備する方も大変でして、この手のクルマは恐ろしいまでに部品点数が多いのです。

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右から吸気温度センサー、イグニッションコイルがチューブの下に見えてエアマスセンサー
電動ファンのヒューズの陰に、アイドリングに必要な空気をスロットルボディを介さずにマニホールドに供給するアイドルバイパスバルブが隠れています。
アイドリングのトラブルの陰にはこのISCVが隠れていると言っても過言ではないというほど重要な部品です。
それゆえ、部品も結構な金額します。中にはバイメタルが入っています。
余談ですが、最近のクルマにはこのバルブは付いていません。スロットルバイワイアーになってからは、電子スロットルになって必要な空気量はすべてモーターライズドされたバタフライが行うのです。

さらに小さなホースがたくさん使われているのも見えます。
これらが全て後に直す側のアタマを悩ますのですが。

小さいホースを連結しているのはブローバイホースで、右にスロットルボディが見切れています。
スロットルはスロットルワイヤーを使う、スロットルバイマッスルです。
EGRバルブも見えます。

RIMG8025.JPG

縦横無尽にブローバイのリターンやウオーターホースが走り回ります。
これらの装置というか部品が反対側にも、ほぼそっくりあるのがミソです。

1992-ferrari-456-gt_1600x0w.jpg

当時としては最先端でも今となっては古いシステムです。
かつて、チューニングカーで追加インジェクターなる方法がありまして、常に燃調は全ての源でした。
古代の方法と笑うことなかれ、シングルバレルのキャブレターから始まる燃調は、日本では採用されなかったKジェトロ
電気式になったKEジェトロ。
日本ではセントラルインジェクションなる方法で発展しました。
そして日本では長くLHジェトロ
少し違いますが、ヨーロッパではMジェトロの時代が来ます。

筒内噴射が当たり前になった今日、燃調ははるかに取りやすくなり燃費は極端に向上しました。
同時にスパークプラグの役割が大きくなり、またインジェクターは極端に厳しい環境下に置かれる為に、ノズルの耐久性が大幅に改善されました。
そのダイレクトインジェクションの今の時代からみれば、このエンジンも前時代物です。

振り返れば割と最近の事に感じるようなのですが、自動車はずいぶんと進化しているものですね。

posted by admin at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | フェラーリ
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