2020年01月09日

フェラーリ456Mのヘッドライト修理

存在だけで周りを圧倒する存在のフェラーリ。
工場に来た人もみんな見て帰ります。

RIMG4614.JPG

人によってはどれくらい費用がかかるのですか?なんて気になる事を聞いてくる人もいます。
では傍から見ると華やかなフェラーリなども、整備側から見たスーパーカーとはどんなものなのでしょう?

大変なのです 作業そのものだけでなく、仕事になるまでが。

このクルマが入庫したのは昨年の12/9ですが、今 やっと作業中です。
この手のクルマが入庫して、何か不具合があればまずPCの前に座って部品探しから始まります。
ずーっと時間をかけて、いつも買っているアメリカやイギリスの部品専門店、ベルギーの中古部品店などにinquireを出し、結果を待ちます。

新品など手に入らない場合、中古を当たり直します。ebayも
また互換のある車種も探します。クロスリファレンスなんて言いますが、何かしらヒットするのを探します。
外装部品などは専用部品がほとんどですから社外品は望めませんが、機構部品なら結構あったりします。

今回はヘッドライトが上がらないそうです。
ヘッドライトがポップアップしない原因は
@リレーなどの根本的な通電不良、Aギアなど機構部品が何かしらの理由で硬くなったり、重くなったりして動かない。Bモーターのブラシ摩耗などの電気的不良などでしょう

で、今回もまずは、リレーを点検します。リレーに問題はなく、ヒューズも大丈夫。という事で@は問題なし。
先にモーターからリンケ−ジを外してライトのポップアップ機構を手で上下させて、軽く動くことを確認したのでAも問題なし
消去法から考えてBであることは明白なのですが、分解して点検します

RIMG5188.JPG

フレームが回り込んでそこにいろいろくっついていて、いろいろなボルトやナットがあって、そこにうまくいろいろな部品付いてています。よくできているなあと思います、ちょうど家を建てる時に使う、先行足場のような感じ

RIMG5193.JPG

しかしフェラーリらしいのが、ライトのモーターを外すのにいちいちパワステフルードのタンクをどかさないと、モーターのシャフトがひっかかって取れないのです。

RIMG5196.JPG

これもフレームについているのです。なんだか手作り感満載のタンク。
ベントレーなんかもそうですが、高級車って一点物が多いですね

RIMG5198.JPG

これがモーターASSY。なんかキモチ悪い感じですね

RIMG5199.JPG

では反対側。左のライトは一度ライトが出てくれないとリンケージを外す事ができません

RIMG5203.JPG

緊急の時はこのハンドルをくるくる回して手動でポップアップさせるのですが、
手でしばらくグルグル回すと、突然モーターが動いてがばっとライトが開いて、すぐにバタンと閉まってしまいます。

その早業、ドリフのコントのよう。開かなきゃ外せないのにハマグリのようにしっかり締まって開きません。開きませんから外せません。

RIMG5204.JPG

埒が明かないので、ポールに手伝ってもらって、ハンドルをクルクル回して突然がばっと開いた瞬間にバッテリーのマイナス端子を外す作戦で...

上手く行きました。
ご起立ジャポン

RIMG5205.JPG

このライトもおバカな造りで、ライトが開くと取り付けボルトがライトリッドの陰になって、すごく回しづらいです

RIMG5208.JPG

そして低い車高なのにデカいボンネットなので、作業に没頭していると、立ち上がったり身体を入れ替えたりするときに頭をフードにぶつけて悶絶する羽目になります。
宇宙素材でできたボンネットはウン百万ほどするらしいので、頭が割れるよりフードが割れる方が問題です

RIMG5213.JPG

なぜだか知りませんが左右のライトの大きさが違います。なんで??

RIMG5217.JPG

モーターを出します

RIMG5218.JPG

コネクターも大きい5極です

RIMG5220.JPG

こちらも取れました

RIMG5221.JPG

なんかモーターが何かセメントみたいなもので包まれています

RIMG5222.JPG

さて、部品番号は左右で違う番号が振られていますが、どう見ても同じモーター
しかも取り付け位置や向きも同じなので、これは同じ部品なのでは?
と思いますがねえ?

RIMG5224.JPG

コネクターは線色こそ違いますが、形状は一緒
かなり立派なコネクタですね

RIMG5225.JPG

とにかくいかにも手作りなクルマなんです。なんでもボルトナットで付いてるし。
エンジンだけは素晴らしいけど....と持ち主の方はため息まじり

RIMG5229.JPG

さてこのモーターが問題なのです。
世界的に欠品していて、みんな探しているのだけはわかりました。
当然のように新品部品などニホンオオカミのごとくです
ボルボ480というクルマに同じ部品が使われていることもわかりました。

ところでボルボ480って....? これって徳川埋蔵金探しレベルじゃね?
posted by admin at 01:56| Comment(0) | TrackBack(0) | フェラーリ
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/187012626

この記事へのトラックバック