さて、泣く子も黙る極悪マセラティ4200クーペ。
ちょっとやそっとの巡り合わせじゃ乗ることのないクルマ。
いつかはフェラーリ、いつかはマセラティ?
いやいや、いつかはじゃ永遠に乗れませんぜ。
ただやみくもにクルマを手に入れるだけじゃあきまへん。カネを積むことぐらいだれでもできます。
問題はそれをいかに維持するかですな。
先日、販売したマセラティ。もう調子の悪い所を発見されてしまいました。
冷間時、特にかけ始めに1速から変速しない時があるとの訴え
車検と併せて預かると、確かにかけて間もなく走るといくらパドルを動かしても1速から変わってくれません。
間もなく、普通に変速できるようになるのですが、ちょっとよろしくないので修理します。
今回の修理はカンビオコルサのポンプが悪いと断定して作業を進めます。
このクルマ、カンビオのオーバーホール歴があって、変速できない原因はポンプかソレノイド、パドルスイッチしかありません
診断機でカンビオを覗いてもエラーは確認できません
油圧不良と考えてポンプを交換します。
このクルマ、トランスミッションはリアに付いております。フェラーリもそうですが、この手のクルマ、リアアクスルにトランスミッションがくっついているケース多いですね。フェラーリ456もこんな感じでトランクからアクセスしたような気がします。
トリムを外すといかにも取れそう
そしてトランクの底、洗面器みたいな形の部分がごっそり外れます。
外れるのは結構なのですが、もう少し前まで外れてくれればすごく作業性がよくなるのに....
このようにして見ているのです。
何が見えるってこのようにコントロール部分が丸見え。
ポンプはこの奥にあります
このいっぱいあるのは変速用のソレノイドバルブで、この奥にある為にソレノイド関係全部外すとなると気が遠くなります...
通常の手順なら、まず、ポンプのヒューズを抜いて、診断機を使ってシステム内を減圧させるところから始めます。
しかし、たまたま海外のマセラティのフォーラムでモーターだけを外す方法が紹介されていて、僕もその方法にのっかる事にしたのです。
その前に横を見るとエキゾーストパイプがつっ通っております。
もちろんその先にマフラーがあるのですが、ここは彼らのこだわりなのか、テールエンドピースがバンパーの穴の中央に来るように調整できるようになっているんです。
もちろん反対側も。ここはフェラーリでもクアトロポルテでも作業したことがあるので、全くおんなじだと思いました
いきなりですがポンプです。
途中の画像? 後で理由を説明しますが、とてもじゃないけど撮影なんてできませんでした。
上の画像にあるように、まるで
自動車を置いて、その周りにジャングルジムを作って、さあクルマを出しましょうなんて感じなんです。
新しいポンプはコレ
好きな人は品番を見ちゃうでしょ?
そうこれ、アルファロメオのセレと全くおんなじポンプです。
やりぃ! アルファから取れば安く済むじゃん。
なんて思ったら、マセとアルファ、部品の値段同じでした(笑)
このようなボルトで止まっています
僕の手のひら見てください。とても塗装作業する人間の手とは思えません。
こんな日は当分塗装したくないですね。
あ、お米を1回研げば爪の間から何からきれいになるんですよ....
かなり出来上がってきたので、やっと1枚画像を
配管周りを外さず作業したので、少し早くなりましたが、ポンプの交換には倍の時間がかかりました。
これでほとんど完成
しかし美しい下回りのクルマですねえ。
この手のクルマはこの手のクルマに慣れた整備工場とセットで買わないとダメです。
こればかりは、車体だけ買っちゃうと痛い目にあいますから....
でも、でも極上の運転フィールはいかなるクルマとも比較できない素晴らしい物です。
特にコーナーリングなど素晴らしいパフォーマンスを体感させてくれます。
フェラーリのエンジン、伊達じゃありませんでした。
このデザインでこのエンジン。
イタリアの自動車趣味の真骨頂だと思います。
この乗り味はアルファやランチアのいかなるものとも違う印象です。
車重2tちょっと。排気量4200cc
そりゃ普通であるはずないかと