2021年04月03日

ある愛の詩

お客さんから166を一台仕入れしました
それは僕にとってとても思い出深い1台で、僕のブログの初期からの読者さんでもあります

大変多くのオプチューニティを僕にくれた思い出深い愛すべき1台でもあります。
しかし時間の流れは残酷で、地球の中心に向かって引っ張られ、様々な消耗品の劣化など
大きなメンテナンスポイントが近い事は必至で、オーナーの元に残された時間が少ない事が伝わってきました。

よく、自分の自動車を擬人化し「子」とか「ちゃん」で呼ぶ人が一般の人だけでなく、まれにこの業界にもいるのですが
僕は自動車にそういった全く感情はないので、ヘタすればキモチ悪って思ったりします
しかし、自動車がかわいがられているか? と言うのは理解できます。
出来るがゆえにトラブルの多い個体などは、こちらも気の毒になります。

しかし、今回、このクルマを買い取って思ったことはかわいがられていたんだな。と言う事でした

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その日、このクルマは家族総出で古巣を後にしてきました。
それはまさしく愛着で、大事にされてきたんだなあと言う事がひしひしと感じる瞬間でした

正直なところ、それなりに手のかかったクルマなので、ご主人はお好きで乗っていた車種なので理解できますが
ご家族は内心、ホッとされていたのではないかと思っていました。

ところが僕の考えは間違いでした。
ご家族でお好きなクルマだったことを、家族総出で見送る姿に何ともいたたまれない気持ちになりました。

同じ時間なのに撮影方向を変えるだけで色彩が変化するヌヴォラブルー
その御家族の愛を継承して整備に当たりたいと思います。

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ナンバーも抹消して入間の置き場の仲間入りです
しばらく眠りにつくようです。

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僕は基本的にクルマを、欲しい人であれば誰にでも売るようなスタンスで商売をしたくありません
ぼったくるわけでもなければ、殿様商売をするつもりもありません
でも、本当にかわいがってもらえる人の元に販売したいと思っています。

166はどんどん台数が減ってますから、あまり無駄にしたくないのです。

今回も置き場を確保するために、1台犠牲にしました

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これはこれで少ない6速のグランデプント。
最近、この時代のイタリア車全般が価値が見直されて高値傾向ありますね
posted by admin at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | アルファロメオ166