このところ、比較的昭和のアルファロメオ関係の方と話しする機会が多かったのですが、古いアルファロメオでの電装の困りごとはあまりなさそうです。うらやましいですねえ。
今日のクルマでは+−など極性は大した問題ではなく、CAN信号やパルスなど微弱な電気を応用するケースが多いです
大衆車の黎明期は電気系統は殆ど存在せず、ボディ電装などエクステリアライトとエンジン電装くらいで、ヒューズは4つくらい、リレーなど存在しないレベルです。
やがて、パワーウインドウやクーラーなどが普及し始めた昭和50年代から、バッテリーから直接電装品に通電させると、スイッチが耐えられず、リレーが珍重されるようになりました。
やがて、リレーはパワートランジスタに姿を変えて、完全な無接点を達成し、よりメンテナンスフリーになりました
同時に自動車はノイズの塊なので、リレーを使わず電子部品に頼るとノイズで壊れたり、誤作動を起こすのでコンデンサーやダイオードが増えて行きました。
さらにクルマは進歩してスイッチなどの部品の作動情報は信号に変わってCPUに入り、配線内をコマンドになって駆け巡り情報をBCM(ボディコントロールモジュール)が一元化して管理して電装品を動かす仕組みです。
最近ではBCMと各種ECUが情報を共有化して、ネットワークを車内で構築したシステムで自動車が動いています。
ギアをDに入れて走り出すときにパーキングブレーキが自動的に解除される仕組みや、自動ブレーキシステムや先行車追尾のシステムなどはまさにエンジン、AT、ボディ、シャシ全ての電装の情報が一体となって通信できるから成せる事です。
人間の脳に近いです。
それゆえ、ノイズ対策は表裏一体で自動車開発と共にある陰の立役者と言えるでしょう。
しかし...
進歩すればするほど弱くなる物が一方で存在します。
水です。
大人になって虫が嫌いになった人も多くいるでしょう?
それと違いますがやはり水と油、サルとイヌ、相容れないものは必ず存在するのです
前置きが長くなりましたが、予備検査に行こうとした166ですが、パワーウインドウが上がるが、下がらないとEくんから連絡があって、P/Wスイッチと踏んで部品を準備しました
自動車を止めてスイッチを交換しても全く症状は変わりません。ドアトリムを外してモーターに直接12Vを入れると、上下に全く問題ありません。
パワーウインドウスイッチもOK、モーターもOKなら?
配線図を見るとコントロールユニットが存在しているのが解ります。
ロケーションから探すとセンターコンソールのよう。
先日交換したATコントローラも凛々しいですね
そこの上にあるのですよ。
なんと、LLCをかぶった跡があります。
なんだかユニット全体がスミ入れしたみたい
ヒーターコアのLLC漏れを放置するとこんなところにも影響がでるのですね。
これは初めてのケース。
コネクター内にも侵入しています
こんな状態。
ところが、こんなにいろいろ部品取りがあるのに1つもこの部品に合うのがありません。
前期は緑色で全くコネクターの違うタイプのもの 後期は全く違う制御方法。
同じような年式の中期でもこのコントロールユニットを使っていません
結局、Eくんが機転をきかせてどうにかしました。どうにか?
そんな簡単なものではありませんでしたが....
しかしこの後、電装の困りごとの究極のようなクルマが入庫したのですよ
posted by admin at 11:50|
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アルファロメオ166