ランチアイプシロンの成約をいただきました。
と言ってもぼちぼちイレギュラーな内容で、本来このクルマは部品として使われる運命のクルマだったのですが、到底大きい修理ができる状況にないので、とりあえず車検取って乗っていましょうと、僕が進言したのです。
素晴らしいを通り越したデザイン。次元が違います。デザインする方もデザインする方で、それを商品化する方もする方ですな
決してツートンのクルマではありません。
真ん中のプレスライン! なんと弓形に曲がっています。それなのにサイドウインドウがまっすぐ直線的に伸びて必然的にクオーターパネルがすごい造形になってしまいます。
簡単に登録まで行くかと思われたのですが、そこはランチア、簡単になんて全く行きませんよ(笑)
見通しが甘い僕がいけなかった
まずはEくんから電話でロアボールジョイントブーツが破れているよと連絡をもらい、フィアット系は大半がロアアーム交換になります。国産車のようにブーツやロアボールジョイントだけでは出ないのです。
続いてバッテリー。端子が完全に死んでいて
なんと壊れた端子が長い建築用のビスで無理やりバッテリーにビス付けで止まっていました。(笑)
これを売ろうとしていたお店ってすげえな...
このあたりはほいほい交換。
ちなみに端子だけでは部品で出ないので、このヒューズボックスごと買うのです。2万円強です。くわばらくわばら
さてお次はエアバッグ。このクルマは2000年以降の後期型。ヨーロッパの規制対応車なので通常のEOBDソケット付きです。
すなわちエンジン制御も、お得意のME7.3.1
ソケットは近代のフィアット車と同じ場所にあります。ここに接続して
エアバッグを診断します。
運転席のシートベルトとコントロールユニットが悪いようです
とりあえず消してみましょう。僕はバッテリーの端子がめちゃくちゃだったので、それが原因かと考えていたのですが?
ははは、消えねえでやんの。さすがのランチア。そう簡単に僕を許してくれません。
まあ、ここは今度書きましょう
続いてなかなか面白いのがテールランプ。ライトをつけてバックすると何故かリアフォグまで点灯してしまいます。
さっそく取り外してみてみると
リバースに入れると、よく見てください。ウインカーまでうっすら勝手に点灯しています
そのまま放置するとリバースランプが暗くなってウインカーが明るくなってきました
ウインカーのタマを抜くとなんと、バックフォグとストップランプが点灯しました。わははは、なんじゃこりゃ
こんな場合はまず、タマを全て新品に入れ替えて様子を見ます。
イタリア車はドイツ車と違って国産車と同じピン位置のバルブを使うので助かりますが
最近はこういったフィラメントを使った電球がどんどん生産中止になっています。
21Wとかはまず問題はありませんが、166のポジションバルブのようなハロゲン球のちっさいのはどんどん製造廃止になっています
バルブボードの後ろにはワット数が書いてありますから取説も何もないクルマには本当に助かります
電球を換えても改善しないので、コネクターを研磨して通電促進剤を吹きかけてばっちり元に戻りました。
でバルブが一件落着と思ったらバルブーボードが戻りません。穴にバルブが入らないのです。
これっていろいろなヨーロッパ車でよく見るトラブルです。
よく見ると溶けて変形しているのです。抜くときはどうにか抜けましたが、場合によってはバルブを割って出すか、少し面倒です。以前マセラティでも同じような問い合わせもらったことがあったなあ。メルセデスのW210でもよく経験があります。
ベルトサンダーで少し大きめに削っておおおきます。クモや多少の虫の出入りはあるかもしれませんが、バルブが抜けなくなるよりマシです。
お がおおお..おおいいんだな
どうですか〜 お客さ〜ん
こいつはとんだネタの宝庫ですね。恐るべし初代イプシロン。
まだまだ続きます。
いくぜ車検、取るぜナンバー。